第28回釜山国際映画祭/第36回東京国際映画祭 正式出品
杉咲花、渾身の映画単独初主演作公開に感動の涙
サプライズで監督から手紙を披露
「『市子』に関わるすべての時間を愛しています」
杉咲 花主演最新作『市子』が12月8日(金)より全国公開中だ。
公開初日からSNS上では「今年邦画ベスト!」「年末に強烈な一撃をくらう」「今年の賞レースを席巻するはず」など、早くも絶賛の声が続々と上がっている。
本作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市⼦のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された⼈気の舞台が映画化となった。
痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのは杉咲 花。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現。これまでも演技力に定評があった杉咲だが、映画単独初主演作となる本作で、その期待を遥かに超え、鑑賞したマスコミ関係者を圧倒。「女優としての本領発揮」「本作が代表作となるのは間違いない」と言わしめるほど圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。
また、市子が3年間一緒に暮らしていた恋人の長谷川を演じるのは、若葉竜也。さらには、森永悠希、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり、倉 悠貴、中田青渚、石川瑠華、大浦千佳が名を連ね、彼女の知られざる人物像や過去を第三者の目線からも描き出していく。
抗えない過酷な宿命を背負ったひとりの女性・川辺市子の切なくも壮絶な人生を描いた映画『市子』がついに全国公開。初日翌日の12月9日には都内映画館で公開記念舞台挨拶が実施され、主演の杉咲花、共演の若葉竜也、そして戸田彬弘監督が参加した。
主人公の川辺市子を演じた杉咲。実は映画単独初主演でもあり「嬉しい、その言葉しかないです」と封切りに感慨無量の表情を浮かべた。杉咲は公開初日に行われた戸田監督登壇のティーチインにもお忍びで参加したそうで「パンフレットを沢山の方が買ってくださって、監督のサインをもらうために列をなしているところを見て言葉にできない幸福に包まれました」と嬉しそう。これに戸田監督は「サインが終わって杉咲さんがいることに気付きました。並んでいた方もきっと気付いていなかったです(笑)。それくらい存在を消していましたね」と杉咲の馴染みぶりに驚いていた。
杉咲は公開後の周囲の反響について「市子を実在している人物と捉えてもらえていることが嬉しかったです。そのような感想を多くいただきました」と手応え十分。市子と3年一緒に暮らした恋人・長谷川義則役の若葉も「地元の友達や映画関係者から『杉咲花ほんとヤバい!』という言葉を沢山いただいて。この作品が注目されているんだなと思いました」と好リアクションに一安心。戸田監督は「俳優が魅力的に見えて評価されているのは監督としても嬉しいです」と喜びを噛みしめていた。
また戸田監督は、プロポーズのシーンに触れて「杉咲さんの感情の吐露は本番で目撃した奇跡的シーン」と見どころに挙げると、杉咲も「本番になった時に初めて長谷川(若葉)くんの顔を見て、こんな眼差しで自分を見つめている人がいるんだと胸がいっぱいになって、自分の想像を超えたものが沸き上がってきました」と若葉に感謝。その若葉は「撮影したのがインして間もない時期で緊張していました。その緊張とプロポーズの緊張が相まって、体の状態としても嘘がなかったと思います」と舞台裏を明かした。
そして舞台挨拶終了間際、杉咲と若葉に向けてサプライズが発動!映画の公開を記念して、戸田監督からふたりへの手紙が読み上げられた。オファーの際に杉咲には手紙をしたためたという戸田監督は「若葉くんには手紙を渡せていなかったので、今更ですが書かせて頂きました」と照れ笑いしつつ「実はこの映画で監督人生を終えても良いと思っていましたが、若葉くんの映画を愛している姿を見て、ああ、こんな素敵な俳優さんが居るならまだまだ映画を続けたいなと思いました。いつかまた一緒に映画を創りたいです。それが僕の目標になりました」とメッセージ。これを受け取った若葉は「助演男優賞を受賞したのかと思いました。手紙をもらっていなかったことを根に持っていたので嬉しいです」とおどけながら感激していた。
主演の杉咲に対して戸田監督は「杉咲さんが市子を引き受けてくださったから、この映画はここまで大きくなれたのだと確信しています」と感謝を述べながら、衝撃の事実を打ち明けた。それは「これまでも何度も取材で記事になってしまった杉咲さんへのオファーの手紙ですが、実はあの手紙を僕は書いていません」というもの。驚く杉咲を横目に戸田監督は「僕の手書きではないという意味です。というのも僕は字が下手なので、字の綺麗な知人に代筆して頂いたんです。でも気持ちと言葉は本物。この手紙は正真正銘僕が書いています」と明かし、会場はあたたかな笑いに包まれた。
一方、サプライズの手紙があると言われた時点で若葉から「泣いてるじゃん!」と突っ込まれるほど、感極まっていた杉咲。「誰かハンカチをください!」と大粒の涙を流しながら、戸田監督からのオファーの手紙が代筆だったという事実に、「達筆な方だと思っていたけれど、まさか代筆だとは思わず…」と泣き笑いも「作品に対する熱量や一緒に関わる人たちを信じて映画を作ろうとする姿勢に影響を受けるものがあって、嬉しかったです」と戸田監督との出会いに感謝していた。
大感動の舞台挨拶も終了のお時間に。主演の杉咲は涙をこらえつつ「この映画『市子』はまたいつかと簡単に願えるくらいすぐには生まれない作品だと思っています。手前味噌かもしれませんが、自分はそう信じてやみません。素晴らしい製作陣の方々が集まって映画を作れたことを幸せに思っていますし、最高の経験になったと思っています。『市子』に関わる全ての時間が楽しすぎて、そのすべてを愛しています」と言葉を振り絞り「この舞台挨拶が終わるのが寂しいです」と本作への愛着を最後まで口にしていた。
映画『市子』
【ストーリー】
川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に訪れたのは、市⼦を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、⻑⾕川の⽬の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は部屋の中から一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。
出演:杉咲 花 若葉竜也 森永悠希 倉 悠貴 中田青渚 石川瑠華 大浦千佳 渡辺大知 宇野祥平 中村ゆり
監督:戸田彬弘
原作:戯曲「川辺市子のために」(戸田彬弘)
脚本:上村奈帆 戸田彬弘
音楽:茂野雅道
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2023 映画「市子」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/
公式X:@movie_ichiko
全国公開中!