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簡秀吉&田淵累生 「絶対に観たほうがいい映画」「違う世界が見えると思います」 世の中に一石を投じる 映画『威風堂々 ~奨学金って言い方、やめてもらっていいですか?~』インタビュー!

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社会派青春映画『威風堂々~奨学金って言い方やめてもらっていいですか?~』が、8月30日より絶賛上演中だ。
消費税問題をテーマに高校生たちが奮闘するストーリー『君たちはまだ長いトンネルの中』、外国人労働者の不遇の現実を描く『縁の下のイミグレ』に続く、社会派青春映画の第3弾となる本作は、大学生たちが奨学金制度やパパ活問題に直面するリアルを描いたダーク青春カタストロフィー。主人公の大学生・唯野空(池田朱那)とその仲間たちが厳しい現実と向き合う姿を描き出す。

脚本・監督は、舞台「文豪とアルケミスト」「弱虫ペダル」「ヘタリア」などの人気原作の舞台化の企画や演出・脚本を手掛けるかたわら、「ハンサム落語」や「レジスタンスイレブン」などのオリジナルコンテンツも輩出している、なるせゆうせい。

この度、Astageでは蛭間拓人を演じた簡秀吉さんと、水江聡太を演じた田淵累生さんにインタビューを遂行! 本作に出演し「考えるものがあった」というお二人に話を聞いた。

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― 本作は監督の思いが詰まった作品です。出演が決まったときのお気持ちと、台本を読んだときの感想を聞かせください。

簡秀吉(以下、簡):“奨学金”という言葉は知っていましたが、その制度をよく知らなかったので、まず調べる作業から始めました。台本を読んでみたら凄くリアルに描かれていたので驚きました。主人公の空ちゃんが等身大で描かれていて、他にもいろんな視点で見ることができてとても見応えがある作品だと思いました。

田淵累生(以下、田淵):僕自身、奨学金を借りていたので、大学に通っているときの感じがとてもリアルで・・・。リアルすぎてちょっと怖いなと思うぐらいでした。僕も奨学金は確かに借金だと思うのですが、そのイメージが全くなかったので、これを映画にできれば本当に借りている人たちもきっと共感してくれるだろうと思いました。

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― 勝手なイメージですが、奨学金を借りられる人は“優秀な人”という感じだけだと思っている人も多いかも。

田淵:確かにそうですね。そういうイメージはあると思います。海外では、全額負担してくれる国もあるので、違いは大きいかもしれません。そういう問題に一石を投じる作品になったと思います。

― お二人は全然違うタイプの役がらを演じられましたが、ご自身の役をどのように捉え、演じるときに心がけていたことがあったら教えてください。

:僕はちょっとコメディ要素が入っている役がらだったので、物語の中で自分がどうスパイスを効かすことができるかを重きに置いて臨みました。拓人は空ちゃんの彼氏ですが、彼女を困らせたりフラストレーションを溜まらせることを意識して、ちょっと無邪気で可愛らしい感じも入れてチャレンジしました。

田淵:奨学金を借りて1カ月で全額返済する人はなかなかいないと思うのですが、水江はそれだけ賢くて、自分の信念がはっきりしている青年。すぐに奨学金というものがおかしいということに気付いて、取り組むことができる人はどんな人なんだろうと考えたときに、なるせさんに「チェ・ゲバラのような革命家みたいな人間であるべき」と言われました。その上で僕がイメージする革命家はどういう行動をするのか、どういう喋り方をするんだろうと考えながら演じさせていただきました。

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― 演じていて難しいところはありましたか?

:難しいところもありましたが、やはり大学生ですし拓人の経験から基づいた行動でもあるのでイメージはしやすかったです。

― 簡さんご自身と似ているなと思ったところはありましたか?

:僕自身はあまり分からなかったんですが、池田さんから真っ直ぐなところが似ていると言われました。他はたぶん絶対に似てないです。あんなにおちゃらけていませんから(笑)。でも、本人(拓人)は全然悪気はないんです。

― 空役の池田さんと共演されていかがでしたか?

:いろんな引き出しを持っている方だなと感じました。一緒にお芝居をして楽しかったです。僕は年齢が近いんですけど、とてもしっかりされている方だという印象です。アドリブもちょこちょこ入っています(笑)。

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― 田淵さんは、理路整然とちょっと怖いと感じるくらいにクールにセリフを放っていらっしゃいますね。

田淵:めっちゃ申し訳ないと思いながら言っています。池田さんが本当に悲しい顔をするんですよ、凄くリアルで。それを見ていて可哀想だな、ごめんな・・・と思いながら演じています(笑)。でも、水江はそういうタイプですし、言っていることは正しいんですけどね。自分と似ているかどうかで言うと、僕もちょっと理詰めするところもあるかも。舞台本を作るときは、けっこう理論を並べて書いてしまうところもあります。水江の気持ちもちょっとわかるけど、僕はここまで極端ではないですよ(笑)。

― 撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

:現場では監督も交えてみんなで楽しく喋ったりして、今までにない新しい感じがする明るい現場でした。

田淵:僕はほぼ1人か2人での撮影が多かったのですが、緊張感がありながら楽しく撮影することができました。

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― 演出について、なるせ監督から特にリクエストはありましたか?

:特に「こうしてほしい」というものはなく、自由にやらせていただきました。
田淵:僕も同じです。監督は、それぞれの良さ、その人から出るものを大切にしてくださる方だと感じました。

― 本作の『威風堂々』というタイトルについて、あらためて思うことは?

:“威風堂々”はまさに主人公の唯野空ちゃんそのもの。池田さんが本当にリアルに忠実に演じてくれた空ちゃんのことだと思います。あと、拓人にも含まれているものだと感じました。彼も山あり谷ありですが彼なりの考えがある。なので、全員に向けての“威風堂々”なんじゃないのではないでしょうか。一人ひとりにそれぞれの色があって、一人ひとりに“威風堂々”がある。

田淵:僕もまったく同じです(笑)。

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― それぞれの立場によって色々な捉えかたができる作品だと思いますが、ご自身が作品を観た感想をお聞かせいただけますか?

田淵:正直に言うと、社会の見えない部分には汚いところがあるんだなというのが率直な感想です。でも、奨学金を借りるのは自分の夢を叶えるためなので、その闇は問題ではありますが、自分の夢を叶えるために強く生きてほしいと思いました。まずは一歩踏み出すことに意味があるので。

:奨学金に対して、空ちゃんのように苦境の中にいる方はたくさんいると思うんです。例えば、昼間は大学に行って(返済のために)夜は働く・・・となると生活習慣が安定しなくなって悪循環に陥るとか。奨学金というものがいいのか悪いのか難しい問題だとは思いますが、この映画を通して改めて考えるようになりました。

田淵:この映画を観ると、奨学金を借りる覚悟はできると思います。“借金”と考えるだけで重く受け止めることができると思います。

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― この作品に出演して、以前より政治や世の中を考えるようになりましたか?

田淵:そうですね。まずは選挙には絶対に行こうと思いました。このままじゃマズいなと、政治に興味をもたらしてくれた作品になりました。
:僕も選挙には絶対に行きます。

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― これまでも俳優として活躍の幅を広げられているお二人ですが、今後の目標があればお聞かせください。

:お芝居には常に探求心を持って、謙虚な気持ちで役に対して素直に生きていきたいと思っています。あと、役者としていつか日本アカデミー賞を獲りたいという目標があります。

田淵:歳を重ねるごとに色々なことが凝り固まってくるんです。今回、これまで見たことのないような空気感があって、お芝居のニュアンスというものがとても新鮮で、若い方たちが凄く素敵だなと思ったんです。いろんな方のお芝居を見て、自分も色々吸収できる人間になれたらいいなと強く感じています。

― それでは最後に、これから本作をごらんになる皆さんにメッセージをお願いします。

:今作は奨学金にまつわる映画になっていますが、様々なコメディ要素が入っていたり、いろんな視点で楽しめる作品になっていますので、幅広い年代の方に観ていただければ嬉しいです。

田淵:内容的に気軽に観ようと思える作品ではないかもしれませんが、大学に入る前の方や、いま大学生を送っている方にぜひ観ていただきたいです。1度この映画を観ていただければ、考え方が少し変わるかもしれません。違う世界が見えると思うので、ぜひ多くの方に観ていただきたいです。

田淵:絶対に観たほうがいい映画です!

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映画『威風堂々 ~奨学金って言い方、やめてもらっていいですか?~』
<あらすじ>
特にやりたいことも夢もなかった高校3年の唯野 空(ソラ)は、将来の保険として大学進学の道を選んだ。と同時に借金を背負った。大学生の二人に一人が使ってると言われる【奨学金】という美しいネーミングセンスの借金を・・・。その後、親との確執もあり、実家に居心地の悪さを感じたソラは、家も飛び出し、ダメな彼氏との同棲生活を始めるが、そこでも金がかさむことになる。普通のバイトをしたところで、奨学金を返し終わるのは、アラフォーになってしまう現実から逃れたかったソラは、大学で知り合った異色な同期・レイや水江の影響もあって、裏バイトも始めだす。果たして彼女が突き進んだ先には何が待ち受けているのか・・・。

<キャスト>
池田朱那  吉田凜音 簡秀吉 田淵累生
小野匠 光徳瞬 是近敦之 あまりかなり 高木ひとみ 遠山景織子 近江谷太朗 他

<スタッフ>
監督・脚本/なるせゆうせい
製作協力:株式会社トライアングル/株式会社らくがきエンターテイメント
制作:パーフェクトワールド株式会社
企画・製作:株式会社オフィス・インベーダー
【公式ホームページ】https://www.ifudodo.com/
【公式X】https://twitter.com/ifudodo_movie
【公式Facebook】https://www.facebook.com/profile.php?id=61558113553766

ヒューマントラストシネマ渋谷 池袋HUMAXシネマズ ほか 全国順次公開中!

撮影:ナカムラヨシノーブ

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◆予告編