映画『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』のスペシャルライブ付き特別試写会が12月9日、TOKYO FMホールにて行われ、本作で主人公・すずを演じたのん、楽曲を担当したコトリンゴが登壇。コトリンゴによりスペシャルライブも開催され会場は映画の世界観に包まれた。
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に前向きに日々を暮らす女性・すずを描いた映画『この世界の片隅に』。2016年11月に公開され、ロングランを続けてきた本作が、3年の月日を経て、新たなエピソードを織り込み、すず、リン、周作らの内に秘めた深い想いを描き出す、新作劇場アニメーション映画『この世界の（さらにいくつもの）片隅に』として12月20日に公開する。
イベントでは、コトリンゴがサックス奏者の副田整歩氏とともに、「悲しくてやりきれない」と「試験栽培」の2曲を披露。新しいサントラの中から「試験栽培」は今回が初お披露目。コトリンゴは「この曲は歌詞のないインストルメントで、すずさんと晴美さんが小松菜の種を盆栽の隅や、雨どいのところにいたずらっぽい微笑みを浮かべながら埋めていくシーンで流れますです」と説明。「悲しくてやりきれない」は、ちょっと大人なバージョンでお届け。
のんも、「今日はこれを聴くために来たといっても過言ではないです。すごく楽しみ」とニッコリ。演奏中はのんもステージ上で観客と一緒に聴きいっていた。
ライブが始まると、まるで映画の世界にいざなわれるかのように曲が会場を。演奏が終わると、「最高でした。何度も鳥肌が立って、今日は来てよかったなと。このまま余韻に浸って映画を観たいくらい」と感動。
コトリンゴは「演奏できて嬉しかったです」とし、3年前も皆さんの前で歌いましたが、その時よりも落ち着いていました。、のんさんと、『この世界の片隅に』の作品と、3年間一緒に歩いてきている感じがして嬉しかったです」としみじみ。
MCから「新しい曲のうち、どれが一番思入れのある曲は？」と聞かれると、「大変心苦しいのですが、今日は流れない『私の居場所』です」と苦笑い。「ぜひ、公開してから劇場で聴いてください」とアピールを忘れなかった。
本作は、3年前に公開された『この世界の片隅に』から新しいシーンが加わって新しい作品として制作された。のんは、「3年前に今作を作るって言っていたので、すぐにやるのかなと思っていたんですが、監督も忙しそうで･･･（この話は）なくなるのかなと思ったので、実現できて嬉しかったです」と喜びを口にした。それでも、改めて収録となると「周作さんが先にレコーディングをされたんですが、監督から『周作さんは、新たな球を投げていますよ！』と『気合いを入れてね』みたいに言われました」と明かした。
「すずさんにとってリンさんは特別な友達ですが、今回は2人のシーンも多く、改めてすずさんにとってのリン酸の存在を慎重に考えて臨みました。同じシーンでも違う意味合いになっていたりと、凄い作品になっていると思います」と本作への熱い想いを伝えていた。
【Introduction】
国内外で高い評価を受け、2016年の公開から1日も途切れることなく900日以上にわたり上映が続けられている映画『この世界の片隅に』。本作はそんな『この世界の片隅に』に、原作の魅力的なエピソードの数々を散りばめた新作です。すずを取り巻く人々の「さらにいくつもの人生」がより深く描かれることによって、私たちは知ることになります。すずの中にあったほんとうの感情を。そして誰もが誰かを想い、哀しくも優しい秘密を抱えていたことに。たおやかな温もりに満ちた新たな物語が、この冬、深く沁みわたります—
【Story】
広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるものの呉ではじめて出会った同世代の女性に心を通わせていくすず。しかし、ふとしたことをきっかけに、すずは周作とリンの過去に触れてしまう。
すず、リン、そして周作。それぞれが内に秘めた想いを抱えながら、日々を懸命に生きていた。
そして昭和20年の夏がやってくる――。
■声の出演：のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓／花澤香菜／ 澁谷天外（特別出演）
■原作：こうの史代「この世界の片隅に」（双葉社刊）
企画：丸山正雄 監督補・画面構成：浦谷千恵 キャラクターデザイン・作画監督：松原秀典
美術監督：林孝輔 音楽：コトリンゴ プロデューサー：真木太郎
監督・脚本：片渕須直
製作統括：GENCO アニメーション制作：MAPPA
配給：東京テアトル
製作：2019「この世界の片隅に」製作委員会
公式サイト：http://ikutsumono-katasumini.jp
(C)2019こうの史代・双葉社 / 「この世界の片隅に」製作委員会
2019年12月20日（金）テアトル新宿・ユーロスペース他全国公開
