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黒羽麻璃央インタビュー!映画『いなくなれ、群青』 「ナドは僕の理想!抜け感をもって自由に生きていきたい」

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河野裕のベストセラー小説を実写映画化した『いなくなれ、群青』がいよいよ9月6日より全国公開する。本作は、謎だらけの階段島を舞台に、ある日突然島に送られた人々が、運命に翻弄される様を描く青春ファンタジー。

この島にきてからも淡々と日々を過ごす主人公・七草(横浜流星)。そして、七草と同じ学校に通う高校生・ナド役を黒羽麻璃央が演じる。ミュージカル「刀剣乱舞」でNHK紅白歌合戦にも出演、舞台を中心に2.5次元舞台を200本以上の公演に出演し、ドラマ、映画でも人気・実力ともに不動の地位を築いた黒羽。ナドはいつも一人屋上にいるが、七草とは特別な親密さを見せる。どこか儚げで独特な空気を纏うキャラクターを透明感のある演技で好演している彼に話を聞いた。

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― 今回、ナドという不思議な雰囲気を持つ青年役を演じられていますが、出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

出演のお話をいただいたときは、まず純粋に「出ない理由がない」と思いました。今をときめく皆さまに囲まれ、「ぜひ、やらせてください」とお返事させていただきました。物語の中の役割も凄く不思議で、どうやって作ったらいいかわからないような役。原作も大変人気のある作品ですので、自分にプレッシャーをかけるという意味でもやりたいと思いました。

― ナドの雰囲気を醸し出すのに、どんな準備をして、どんなことを大事にしたのでしょうか?

実はあまり役作りということはしなかったんです。台本の読み合わせの時は、“こういう感じかな?”とある程度準備していったのですが、ナドはポジション的にファンタジーというか、この作品の看板を背負っているような役どころ。監督からも「ファンタジーでいてほしい」という要望を受けました。ファンタジーをどう表現しようかなと考えて、実在しているのか実在していないのか分からないくらいの人になろうかな・・・と。もしかしたら七草にしか見えていないかもしれない・・・。七草の妄想で、七草の世界にしか生きていな人かもしれないし、はたまた本当に存在しているかもしれないし。という境界ラインにいるような、観る人によって変わって見えるように、ふわ~っとしているんです。

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― 実際に、七草としか共演シーンがない。

そうなんです。屋上で一人で読書してたり。猫のような、自由気ままに生きている。授業にも出席しないでずっと屋上にいる。「こういう人です」というしっかりした役作りをすると、人間らしさが過ぎてしまうので、脈があって体温がある人に映らないようにしました。僕の感覚では、たんぽぽの綿毛のような人のイメージです。

― ナドを見ていると、序盤から終盤まで進んでいく間に「え?この人って?」というクエスチョンマークが増えていくと思います。

そうだと思います。観ている方にも、七草にも、この作品の奥行を深くして、色を濃くしていく役割だと思います。

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― 確かに、とても印象に残る人物です。ナドはこの物語のキーパソンなのかと。いつもナドがいる学校の屋上。ロケの場所によるキャラクターへの入りやすさはありましたか?

(屋上ロケの建物は)山の上でかなり遠かったと記憶しています。屋上でとても開けた場所で風も吹いて空気も良かったです。グリーンバックではできないような空気感があるので、環境って凄く大事ですね。ナドはずっとその場所にいるわけですから。ずっとその景色を見ながら、海風にあたって好きな本を読んでいる・・・。トマトジュース飲みながら(笑)。

― これまで黒羽さんは元気のある、かわいいイメージの役を演じられることが多かったと思いますが、今作ではまた新しい黒羽さんを見ることができるのでは? 今回の役を演じるにあたって特に意識したことはありますか?

素の僕は、どちらかというとこっち(ナド)のほうが近いと思います。年齢を重ねていきますと落ち着いてくるといいますか、「元気いっぱい!」「初々しいです!」みたいなものは少なくなっていきますよね(笑)。なので、なんとなく自然に演じました。アクセル踏まなきゃ!ということはなかったです。むしろスイッチを外していた感じです。

― 横浜さんとの会話のテンポは、見ていて心地よくてホッとします。実際にお芝居をされるにあたって話し合いとかされたのでしょうか?

特に話し合うようなことはなかったです。「こうやろう、ああしよう」というものがなく、役として存在できているので、その時の空気感とか、この作品のテーマなどで自然に楽しくお芝居ができました。七草もナドも唯一心を通わせている友。心を通わせている人同士の独特のテンポ感が出ていると思います。居心地のいい人って、何にも喋らなくても大丈夫かと。そういう人が親友だったり、結婚相手だっりするんじゃないでしょうか。

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― 黒羽さんご自身にも身近にそういう方がいらっしゃるのですか?

ほぼ、何も喋らなくても平気な親友がいます。部屋で二人でずっと海外ドラマ観てるとか(笑)。

― その方は一緒のお仕事をされている方?それとも全然違う職種の方ですか?

カメラマンなんですが、中学生の時から親友なんです。この2日間くらい、家に帰ったら彼がいた(笑)。出会ったときは13歳。かれこれ13年くらいの付き合いになりますが、僕のほうが先に上京して、彼は仙台の大学に通って卒業して、カメラマンになったんです。昨日は、親友が彼女も連れてきていて(笑)。もちろんよく知っているのでいいんですが、「オイ!」みたいな(笑)。彼とはその前日も会っているんですよ。特別な関係です。

― この物語でも言えることですが、青春の時に誰と出会って、どういう風に接触していくかがその人に人生にも大きく関わっていくと思います。黒羽さんご自身がこの映画を観て感じたことは?

「若者よ、いっぱい悩め!」でしょうか。人間関係でもそうですが、悩むことが自分にとってとてもプラスになる時期だと思う。大人になってからでも悩むことはいっぱいありますが、それよりも濃い時間、悩みの密度が高いし、悩んだあとに行動して失敗しても取返しがつく時期。(あの頃に)戻りたいなと思えるような時間を過ごしてもらいたいし、学生時代、思春期、青春時代に出会った人は、今後の自分を形成していく人になると思うので、その時間や友達を大事にしてほしいですね。たぶん、学生時代に出会った人は一生付き合っていくと思うんです。

― 子供でもないし、大人でもないという時期ですね。

学生時代って、ある意味無敵だと思います。あの頃は大人より強いと思っていました。失敗しても大人の失敗より失うものは小さい。いろんなことを学んでほしいですね。

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― この物語では「失くしたものを見つけたら、島を出ていくことができる」とあります。生きていくうえで失くしていくものもあると思いますが、黒羽さんご自身が今“失くしたくないもの”はありますか?

全部かな。要らないものがないんです。僕は自分が理想の人間に向かって生きていている。だから、必要のないものはそもそも拾わない。特に失ってもいいものはないです。逆に何かに執着しているということもないです。すごくさっぱりしています。物はよくなくすんですけどね(笑)。

― え?何をなくしたんですか?

最近、指輪をなくしたんです。人生で初めて買った指輪だったんですけど、どこかに行ってしまったんです。いろいろ探してはいるんですが、出てこないんです。

― 早く出てくるといいですね・・・。

はい、いつも、置く場所は決めているんですけど・・・。

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― では、あらためてナドを演じてみてどうでしたか? 演じ終わって何か得たものはありましたか?

「抜け感」て、生きていくうえで大事だなと思いました。

― 今ここにいる黒羽さんが、とてもナドそのものの雰囲気なんですが。

今、そういうモードなのかなあ(笑)。人として抜け感があったほうがいいなと思うんです。黒羽麻璃央としても、いい意味で脱力感を持ってる人に凄く魅力を感じます。もっと若い頃、子供のころはギラギラしたエネルギッシュな人に惹かれていたんですが、歳を重ねてきてだんだん、こんにゃくみたいな人(笑)・・・、弾力もあり、いつ力を入れているんだろうと思うような人がいいですね。だから、ナドもけっこう僕の理想とする性格や雰囲気を持った存在。自由に生きるっていいなと。もちろん色んなしがらみもあるかもしれないけど、その中で自由に生きるって素敵だな。自分もそういう風に生きていければいいなと、ナドを通して感じました。

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【黒羽麻璃央(くろばまりお)プロフィール】
1993年7月6日生まれ、宮城県出身。第23回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞。ミュージカル「テニスの王子様2nd」(12~14)で注目され、ミュージカル「刀剣乱舞」シリーズ(15~18)で高い評価を受ける。主な出演作は、「監獄のお姫さま」(17/TBS・MBS)、「プリティが多すぎる」(18/NTV)、映画『耳を腐らせるほどの愛』(19)、「広告会社、男子寮のおかずくん」 (19/TVK)、「向かいのバズる家族」(19/YTV・NTV)、「コーヒー&バニラ」(19/MBS・TVKほか)、「テレビ演劇 サクセス荘」(19/TXほか)、「寝ないの?小山内三兄弟」シリーズ(19/テレビバ、YouTube)、「パパ、はじめました」(19/BS日テレ)など。

撮影:ナカムラヨシノーブ

『いなくなれ、群青』本ポスター

映画『いなくなれ、群青』
■原作:河野裕『いなくなれ、群青』(新潮文庫nex)
■出演:横浜流星 飯豊まりえ
矢作穂香 松岡広大 松本妃代 中村里帆
伊藤ゆみ 片山萌美 君沢ユウキ 岩井拳士朗/ 黒羽麻璃央
■監督:柳明菜
■脚本:高野水登
■音楽:神前暁
■主題歌:Salyu「僕らの出会った場所」
■主題歌プロデューサー:小林武史
■公式サイト:http://inakunare-gunjo.com
公式ツイッター:https://twitter.com/InakunareG
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/inakunare_gunjo/
■配給:KADOKAWA/エイベックス・ピクチャーズ
■コピーライト:(C)河野裕/新潮社 (C) 2019映画「いなくなれ、群青」製作委員会

9月6日(金)全国ロードショー!

黒羽麻璃央さん
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