映画『祈りの幕が下りる時』の公開初日舞台挨拶が、1月27日、TOHOシネマズ スカラ座にて行われ、主演の阿部寛をはじめ、共演の松嶋菜々子、溝端淳平、田中麗奈と福澤克雄監督が登壇。さらに本作の主題歌を担当するJUJUも駆けつけ、主題歌「東京」をアコースティックバージョンで披露し、映画公開を祝った。
本作は、東野圭吾の人気ミステリー小説「新参者」シリーズの映画化第2弾にして完結編。刑事・加賀恭一郎を主人公に、謎に包まれた殺人事件の真犯人を探すミステリー。ある事件をきっかけに、なぜ加賀は「新参者」になったのか・・・、失踪した彼の母の謎に迫り、最大の謎がついに明かされる。加賀恭一郎役を阿部、事件の鍵を握る女性演出家・浅居博美を、松島が扮する。
8年にわたり加賀を演じてきた阿部は、シリーズ完結編の公開を迎え「感無量です!」と一言。「感情が揺さぶられる映画ができた。自分のなかでもしっかり完結できたすばらしい作品となりました」と自信をのぞかせる。「8年やらせていただいたのは、皆さんが愛してくださったおかげ。これで最後というのは非常に寂しい。このようなまっすぐな芝居はあまりやったことがなかったので、自分の軸になって、いろんな役にも成長になった。松嶋さんたちも参加してくれて、最後にふさわしい作品になったと思います」としみじみ。「あとは東野さんが書くかどうかですね」と、続編へ期待を寄せた。
シリーズ初参戦で、物語のキーとなる役どころを演じた松島は「テレビシリーズからのファンだったので、私も完結は寂しいです」と述べ、「いち視聴者として、東野先生に続編を書いてほしい」と希望した。松嶋との初共演を喜ぶ阿部は「本当に超キレイです! ずっと見ていたいと思う人。演技にも引き込まれました」と絶賛。「なぜ、これまで共演してこなかったんだと。これからもぜひ!」と共演を懇願していた。
シリーズ開始から参加していた溝端も、本作への思いは強い。「阿部さんの隣でずっとお芝居ができる貴重な経験でした。寂しいです」と心境を吐露し、田中も「毎回本当に緊張していました。もっともっとご一緒したいという欲があるまま、終わってしまい、寂しいです」と同調した。
そこで、阿部をねぎらい、8年間ともにした溝端からサプライズで熱いメッセージを送った。「20歳のころから僕をずっと見ていてくれて、いたらない僕を大きな器で包み込んでくれました。阿部さんが休まれているのに、お芝居のことを聞きたくて楽屋の戸を叩いたこともあった。それでも阿部さんはしっかり僕の疑問に答えてくださり、節目や悩んでいるときには、そのたびに阿部さんが導いてくれた。誰よりも自分にも芝居にも厳しい阿部さんの熱を感じながら歩んできた8年は宝物。とても寂しいですが、これからも指針としてずっと背中を追いかけていきたい。またご一緒する時があれば、胸を貸してください」と涙を浮かべて、想いをぶつけると、阿部が溝端をしっかりと抱擁。隣で言葉を聞いていた松嶋と田中も思わず涙を流す場面も。
その後、登壇の女性陣からも花束が贈られ、感激しきりの阿部は「これで引退します!」と満面の笑みをうかべ、会場の笑いを誘う。「まさか、こういう展開が待っているとは」と驚きを隠せない様子だったが、「溝端くんが面と向かって言ってくれて、『こいつまた嘘ついているな』と思ったけど、目が本当に涙を浮かべていて。後ろ見たら、田中さんが涙しているので、ここは、そういうこと言っちゃいけないなと思った(笑)」と照れ笑い。しかし、「この作品の最初の20分、溝端くんは、加賀が出てくるまで力強く引っ張り、しっかりレールを敷いてくれました。頼もしいと思った。感謝しています」と信頼の気持ちをしっかりと伝えていた。
映画『祈りの幕が下りる時』
【ストーリー】
この事件は俺の過去と関わりが強すぎる。
事件の鍵は俺なのか・・・?
東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は、ハウスクリーニングの会社で働く滋賀県在住の押谷道子。殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。
松宮(溝端淳平)たち警視庁捜査一課の刑事たちが捜査にあたるが、押谷道子と越川睦夫の接点が全く見つからず、捜査が難航する。滋賀在住の押谷が何故東京で殺されたのか。
やがて捜査線上に浮かびあがる女性演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。押谷は浅居博美を訪ねて東京に来たことがわかるが、浅居博美と越川睦夫の間にも接点がなく、捜査は進展しない。
松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、捜査を進めるうちにその遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。それは失踪した加賀の母に繋がっていた。
出演:阿部寛 松嶋菜々子
溝端淳平 田中麗奈 / キムラ緑子 烏丸せつこ
春風亭昇太 音尾琢真 飯豊まりえ 上杉祥三 中島ひろ子 桜田ひより / 及川光博
伊藤蘭 小日向文世 山崎努
※山崎努さんの「崎」は正しい文字が環境により表示できないため、「崎」を代用文字としています。
原作:東野圭吾「祈りの幕が下りる時」(講談社文庫)
監督:福澤克雄
脚本:李正美
公式サイト:http://inorinomaku-movie.jp/
1月27日(土)より全国東宝系にて公開中!