木村佳乃と吉田羊のバトルに黒木瞳監督「もっとやれ！」 映画『嫌な女』完成披露プレミアイベント

映画『嫌な女』の完成披露プレミアイベントが、6月15日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、W主演を務めた木村佳乃と吉田羊、黒木瞳監督が舞台挨拶に登壇した。

桂望実のベストセラー小説を原作に、女優・黒木瞳が初めて映画監督に挑戦した本作。堅物弁護士・徹子と、天才詐欺師・夏子という境遇も立場も違う女性が繰り広げる人生のケミストリーを、女性ならではの視点と奥行きで鮮やかに表現する、笑いと涙の人生リセット・エンターテイメント。

ゴージャスにドレスアップした監督と主演女優2人が登場すると、会場からはため息にも似た歓声と大きな拍手が送られた。
黒木監督は「今日は奇跡の日です。 いろんな“丸”が一つずつ積み上げられて、今日を迎えることができました。映画を観たお客様が笑顔になっていただけると信じていました」と、会場を見渡し感無量の面持ち。さらにW主演の二人に向け「女優魂、根性というか本当に真摯な姿勢に、（私が）背中を押していただきました」と感謝の気持ちを表した。

黒木監督からの「撮影中、一番しんどかったことは？」という質問に、吉田が「山場になると思っていたシーンが、撮影初日のファーストシーンだったことですね」と答えると、「女優は体力あるうちに大事なシーンを撮っておいたほうがいいと思って･･･(笑)」と監督。「でも、それを乗り越えたからこそ、1カ月の撮影を乗り越えることができたんだと思います。瞳さんの計画勝ちですね」と吉田も、その手腕を称えた。

一方の木村は「佐々木希ちゃんと一人の男を取り合うんですが、彼女可愛いいんですもの･･･“もう負けた”と、精神的にしんどかったです(笑)」と言って会場を沸かせる。

劇中で木村と吉田が繰り広げるバトルシーンに話がおよぶと、吉田が「佳乃ちゃんが私を叩くシーンがあるんですが、本当に上手なんですよ。叩き慣れてるな･･･と思って(笑)」と告白。「でも、そのあと振り返った羊ちゃんの顔がものすごく怖かった」と木村。かなり激しいシーンとなったようだが、黒木監督も「やった！と思いました。もっとやれやれ！という感じでしたね」と、二人の女優の迫真の演技に満足げ。

そのバトルの最後に吉田演じる徹子が「あんたってほんと死神みたいな女ね」と吐き捨てるセリフがある。「バトルしたあと疲労困憊の中、（せりふを）言ったら、瞳さんが『羊ちゃん、ちょっと森進一さんみたいになってるから･･･』って飛んできて」と吉田が伝えると、木村も「瞳さんが『“おふくろさん”みたい』と真剣にモノマネをするのでその姿が、おかしくておかしくて(笑)」と思い出し、大笑い。そこで黒木が「あなたってぇ･･･死神みたいな･･･」と再現し会場も大爆笑に。

さらに、木村が劇中で竹内まりあの楽曲『元気を出して』と歌唱するシーンでは、撮影日に竹内まりあも同席。本当はサプライズで木村に伝えるつもりが、「監督がうっかり口を滑らせてしまったんですよ。それでも（わかっていても）とても緊張しました」と木村。監督は「佳乃ちゃんが素晴らしくて！すっかり聞き惚れてしまいワンコーラスのつもりだったけど、フルコーラス歌っていただきました」と、木村の歌声を大絶賛した。

また、木村は劇中で「今まで履いたこともない」というミニスカート姿も披露。黒木は「夏子のラッキーカラーは“赤”。二人のキャラクターが衣装にも表れています」と、女優ならではのこだわりもみせた。吉田も「監督から思いもよらないお芝居を引き出していただき、自分の可能性がどんどん広がっていく期待があります」と語る。次もぜひダッグを組みたいと声を揃える3人だった。

なお、原作者の桂望実から黒木監督へ感謝の手紙が送られた。その内容は公式サイトにて公開されている。

映画『嫌な女』
【STORY】
石田徹子はストレートで司法試験を合格し、弁護士となった才媛。28歳で結婚をし、人も羨む幸せな人生…の筈が、仕事も結婚生活も上手くいかず、心に空白と孤独を抱えた日々
を過ごしていた。そんなある日、婚約破棄で慰謝料を請求されたという女性が徹子の元に訪れる。女性の名は小谷夏子。徹子の同い年の従妹だった。夏子は初対面の相手でも、たちまちするりとその懐に入ってしまい、男をその気にさせる天才。彼女との未来を夢見た男は、いつの間にか自らお金を出してしまうのだ。徹子は子供のころから自分と正反対の夏子が大嫌いだった。
しばらくぶりで再会した二人だったが、この日以来、徹子は生来の詐欺師の夏子に振り回され、トラブルが起こるたびに解決に引っ張りだされることになり・・・。

監督：黒木瞳
脚本：西田征史（『TIGER&BUNNY』シリーズ、『小野寺の弟・小野寺の姉』など）
キャスト：吉田羊、木村佳乃、中村蒼、古川雄大、佐々木希、袴田吉彦、田中麗奈、織本順吉、寺田農、ラサール石井、永島暎子
原作：「嫌な女」桂望実（光文社文庫刊）
主題歌：竹内まりや「いのちの歌」（ワーナーミュージック・ジャパン）
製作・配給：松竹株式会社
公式サイト：http://iyanaonna.jp/

6月25日（土）全国ロードショー