【 第47回 ⽇本アカデミー賞 】
〈最優秀主演男優賞〉
役所広司 『PERFECT DAYS』
第47回日本アカデミー賞の授賞式が3月8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールにて行われ、最優秀主演男優賞に『PERFECT DAYS』の役所広司が受賞した。『PERFECT DAYS』は、東京・渋谷の公共トイレの清掃員・平山(役所)を通して、同じように見えて同じではない日々をドイツを代表する監督・ヴィム・ヴェンダースが丹念に描き出した作品。最優秀男優賞は4度目の受賞となった。
◆役所広司 受賞コメント
本当に嬉しいです。優秀賞の皆さんは好きな俳優さんばかり。
この映画は今までやってきた作品とは違うもの。公共のものを大事にするという監督の想いが届き、世界中の皆さんがこの作品を楽しんでいただいて本当に嬉しいです。
(トロフィーを握りしめ)いいもんですね・・・。これでやっとゴジラの牙を抜いた感じです(笑)」と各賞を総なめにしている『ゴジラ-1.0』を引き合いに出し、会場の笑いを誘った。
◆授賞式の様子
◆他コメント等
◆優秀主演男優賞
阿部サダヲ・・・『シャイロックの子供たち』
実は原作者の池井戸が脚本も書いていたことを暴露。「脚本はツバキミチオさんっていう方が書かれていて。原作は池井戸潤さんなんですが、現場に池井戸潤さんが何回かいらしていたんです」と話す。この日、優秀脚本賞受賞のため来場していたツバキ氏に向け、「どうも、現場に来ていた池井戸潤さんと同じ人なんですよね」とポツリ。ツバキ氏は「(自分が池井戸だということは)内緒なんですよ!バラしちゃダメじゃないですか・・・」と苦笑い。池井戸は「今まで原作ばっかりだったので、脚本もいいなと。次も書きたいですね」と意欲満々で応えていた。
神木隆之介・・・『ゴジラ-1.0』
本当は見えないゴジラと戦っていたという神木。「スタジオではグリーンバックで、申し訳なさそうに端っこにゴジラの絵が描いてあった程度。試写会のときの初めてこんなゴジラと戦っていたのかと思いました」としながらも、実際に海での撮影もあり、「10間くらい海の上で朝から晩まで撮影して、本当の揺れと戦っていました。ロケでは自然と戦っていました」と回顧。
共演の山田裕貴も「海の撮影は本当に大変でした。でも、大変だったからこそ、海でより団結力が高まったと思う」と言い、「監督は残り3日くらいでダウンしていましたね(笑)」と過酷な撮影を明かす。
また、18年前の12歳の時に受賞したときの映像が紹介され、懐かしむ。「ここまで支えてくださった皆さんに感謝します」としみじみと語った。
鈴木亮平・・・『エゴイスト』
「この作品は、ゲイのカップルとその母親の話です。“LGBTQ+”に関して自分がどれだけ理解しているのか調べたら、知っているつもりで何もわかっていなかった。本当にたくさんの方に協力していただいて役に臨みました」とし、共演の宮沢氷魚について「氷魚くんは素晴らしかった。役そのままでした」と感慨深げ。
「周りからの影響も大きかった作品です。クランクインするまでに色々あった。原作者が急逝されたり、監督に『この脚本ではできない』と言ったり・・・」と紆余曲折あって出来上がった作品への想いを語った。
水上恒司・・・『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
特攻隊員の役作りでは、大幅な減量を実行したとのこと。「これの前の作品の役が‘(体が)大きかったので、断食をしながら体形を変えていきました」と、役作り。
野球経験者の水上は、「劇中で行われた野球のシーンが一番楽しかったです」とほほ笑むと、
キャッチャーを務めた伊藤健太郎が「当時の薄いグローブだったので、受ける球が痛かった。なかなかの速球で素晴らしかったです」と称えた。
また、「お世辞抜きで素晴らしい役者さんとご一緒できて嬉しいです。(登壇者の)皆さんとLINE交換したい」とおねだりしていた。
役所広司・・・『PERFECT DAYS』
「これまで携わってきた映画とは違う作品でした。監督からは毎日毎日、映画作りの楽しさを教えてもらいました」と感謝しドキュメンタリーを撮っているような現場でした」と満足気。
海外でも好評な本作だが、「公衆トイレが美しいということが海外ではありえないようです。
ロケ地のトイレを見に来る人が増えたんです。映画をやって良かったなと思いました」と笑顔を見せた。
★「第47回 日本アカデミー賞 授賞式」実施概要
実施日:2024年3月8日(金)
会場:グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
司会:羽鳥慎一、岸井ゆきの(「ケイコ 目を澄まして」で第46回最優秀主演女優賞受賞)
副賞協力:TASAKI
※高級宝飾ブランドTASAKIが、第47回の授賞式に副賞協力として参加。受賞者の栄誉を称え、最優秀ブロンズと共に受賞者に贈られる。
©日本アカデミー賞協会