3月12日、東京・丸の内ピカデリーにて、映画『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』の完成披露試写会が開かれ、主演の松田龍平をはじめ、共演の二階堂ふみ、阿部サダヲ、西田敏行と、監督・脚本・出演を務める松尾スズキが舞台挨拶に登壇した。
いがらしみきおの人気漫画「かむろば村へ」を原作に、松尾スズキが監督、主演を松田龍平が主演を務め、リアルとファンタジーの闇をいく爽やかなエンタテインメント傑作が出来上がった。“ジヌ”とは東北弁でお金・銭を意味する。本作は、お金恐怖症になってしまった元銀行員タケ(松田)が、お金を1円も使わず生きていくために過疎化が進む村に移住し、個性豊かな村の人々と繰り広げる生活の様を描くヒューマンコメディ。
1億円分のジヌ紙幣吹雪が舞い散るド派手な演出の中、舞台に登場したキャストたち。
まずは、撮影は福島県の山村で行われ、「地元のみなさんが本当に親切にしてくださったんです。地元の食べ物もたくさんいただきました」と振り返った松尾監督。「80歳になる山菜採りの名人のご主人からたくさん山菜をいただいたんですが、裏で奥さんと怒鳴り合いのケンカをしていて・・・(笑)」とエピソードを明かし会場を沸かした。
主役のタケを演じた松田は、「お金を使えない生活は厳しいですよね。田舎に行ったからといってお金を使わない生活がただできるわけではない。お金がなくなることで、生きる上で何が必要なのかを描いた映画になっています」とコメント。
東京に憧れる女子高校生役の二階堂が「いつもは物静かなイメージがあると思いますが、今回はキャピキャピのキャラクターで楽しかったです」と笑顔を見せると、松尾監督から「けっこうエロかったりもしますので注目です!」と見どころをアピール。
世話好きな村長を演じた阿部は、「原作の設定に合わせて、少し体重を増やして役づくりしました」と。福島出身で、“神様”という不思議なキャラクター役の西田は、「昔ああいうじいさまに会ったことがありますよ。俗っぽくて愛すべき存在です」と、自身が演じた役がらに満足げな様子。
映画のタイトル名にちなみ、「自分がさらばしたいものは?」の問いに、「コンビニのレジの“20歳以上です”というボタン。俺の自尊心を傷つけられるのでさらばしたいね」と松尾監督。松田が、「なかなかさらばできなくて・・・」と言葉につまると、西田が「僕は膝に溜まった水です(笑)。甦れ!ヒアルロン酸!」と言って会場の笑いを誘う。するとやっとのこと「そうですね、メガネですかね。ずっと一緒に生活していたので」と言葉を絞り出した松田だった。
また、3月12日が「財布の日」ということから、大きなガマ口からお札やコインをかたどったチョコレートを客席に投げ入れ、来場者にプレゼント。最後は松田から「何も考えずに、声を出して笑って楽しんでください」とPRしイベントを締めくくった。
『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』
<STORY>
現金に触るだけで失神してしまう、前代未聞の深刻な“お金恐怖症”になってしまった元銀行マン・タケ(松田龍平)は、一円も使わずに生きていくために、過疎化が進む小さな寒村“かむろば村”へやってきた。お金を使わない生活を闇雲に実行しようとするタケを、奇妙な生き物を見るように眺める村人たちは濃い顔ぶればかり。異常に世話焼きな村長・与三郎(阿部サダヲ)、与三郎の美人妻・亜希子(松たか子)、高齢化率40%の村では希少だけどどこかアヤシイ女子高生・青葉(二階堂ふみ)、自他ともに認める村の“神様”で、写真が趣味のなかぬっさん(西田敏行)。彼らに助けられながら、危なっかしいながらも奇蹟的に一円も使わない生活を続け、村に慣れ始めた頃、見るからに怪しい風体の男・多治見(松尾スズキ)が現れる。与三郎に露骨な嫌がらせをしかける多治見だが、実は与三郎には不穏な過去があるようで・・・!? 一方で、迫りくる村長選挙を巡る陰謀が発覚し、タケの生活は思わぬ方向へ向かいだす・・・!
監督・脚本・出演/松尾スズキ 原作/いがらしみきお「かむろば村へ」(小学館 ビッグコミックス スペシャル刊)
出演/松田龍平、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、片桐はいり、中村優子、村杉蝉之介、伊勢志摩、オクイシュージ、モロ師岡、荒川良々、
皆川猿時、西田敏行
特別協力/福島県柳津町 特別協賛/福島民報社
配給/キノフィルムズ
(C)2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば~かむろば村へ~』製作委員会
公式サイト:http://www.jinuyo-saraba.com/
4月4日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー