映画『“隠れビッチ”やってました』の公開記念舞台挨拶が、12月7日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の佐久間由衣をはじめ、共演の大後寿々花、小関裕太、森山未來と、三木康一郎監督が登壇した。
イラストレーターで漫画家のあらいぴろよが自身の体験をもとに描いたコミックエッセイを、三木康一郎監督の手で映画化した本作は、見た目は清楚だが、思わせぶりな言動で男を翻弄する“隠れビッチ”の女性・ひろみの恋愛模様を描く。異性からもて続けることで承認欲求を満たしてきたひろみだが、本気で気になる男性が目の前に現れ、自分の本音と向きあっていく―。主人公・荒井ひろみを映画初主演の佐久間が演じる。
公開を迎え、佐久間は「ほっとした気持ちと、ちょっと寂しい気持ちもある」と話すも、この日舞台上に立ち、やや緊張しながらも「(嬉しくて)吐きそうです(笑)」と満面の笑みを浮かべた。
本作について「思っていたより重厚な作品。ラブコメディから始まって最後は自分に置き換えて考えさせられるヒューマンドラマだと思います。この作品は自分の子供のような存在です」と胸を張る。クランク前には三木監督と何度も打ち合わせを重ねたようだが、「監督から『作品を世に残すつもりで臨んでください』お尻を叩かれて挑みました」とのこと。「監督からの細かい演技指示に何度もできなくて、カットがかかったあとに移動車に行って泣いたこともあります」と明かし、監督もその真摯な姿勢に「そんなことがあったの?」と驚いていた。
飾らない笑顔の美容師・安藤役を演じた小関は、「美容師の練習は頑張りました。プロのように見えるようにしなければいけないので」と話す。そして、「今だから言えるんですが・・・」と前置きをして「実は、バイクの運転免許はもっているんですが、ほとんどペーパードライバーで。でも、女優の佐久間由衣さんを後ろに乗せなくてはいけない。法律的には後ろに乗せていい年月は経っていましたが、撮影前に3周乗って練習しました」と告白。「乗せたときはドキドキでした」と話すと、佐久間も「知らなくて良かった~」と無事に撮影が終わり胸をなでおろす。
素直に自分の気持ちを伝えられない、ひろみの女友達・彩役の大後は、ひろみとのケンカのシーンに言及。「監督から『本気でやらないと終わらないよ』と言われ、真剣に挑んだのですが、私は由衣ちゃんより背が低いので、1度投げ飛ばされそうになって・・・、猿になろうと思って必死にしがみつきました(笑)」と撮影を振り返っていた。
ひろみを見守る男性・三沢役の森山は、佐久間との共演を「実直に撮っている現場が心地良かった。由衣ちゃんとも一緒にやっていて心地よかったです」とコメント。
ひろみの今後が気になる本作だが、観客に安藤と三沢のどちらを選ぶと思うか?と問いかけると、7~8割がた三沢に票が入る。小関は「安藤だと思ったにの・・・。でも、選ばれなくても、きっと(ひろみの)心には残っていると思います」と。森山も「ひろみが、これからどうやって乗り越えていくか、まだ試練が残っていそうですね」と予想。佐久間自身は「私は三沢さん(を選ぶ)という気持ちでお芝居をしていました」と吐露し、小関に向かって「ごめんね・・・」とポツリ。それを受けて小関は「ごめんねって言われちゃった・・・」と苦笑いしていた。
【STORY】
26歳の独身女・ひろみ(佐久間由衣)の趣味&特技は異性にモテること。絶妙のタイミングでのスキンシップや会話術で相手を翻弄し、「好きです」と告白させたら即フェイドアウト。そんなひろみに、シェアハウス仲間のコジ(村上虹郎)と彩(大後寿々花)は呆れ顔で「最低の“隠れビッチ”ね!」とたしなめるも、彼女の耳には届かない。ある日、気になるお相手・安藤(小関裕太)が現れるが、数年ぶりの負け試合。さらに安藤を本気で好きになっていたことに気づき、ショックを受ける。やけ酒をあおり酔いつぶれているところを、同じ職場の三沢(森山未來)に目撃される。ひろみは“隠れビッチ”だということを打ち明け、自分の過去と向き合い始める―。
佐久間由衣/村上虹郎 大後寿々花 小関裕太/森山未來
片桐仁 前川㤗之 栁俊太郎 戸塚純貴 /渡辺真起子 光石研
監督・脚本:三木康一郎
原作:あらいぴろよ『“隠れビッチ”やってました。』(光文社刊)
主題歌: Kitri 「さよなら、涙目」(BETTER DAYS /日本コロムビア)
音楽:小山絵里奈
配給:キノフィルムズ/木下グループ
(C)2019『”隠れビッチ”やってました。』フィルムパートナーズ/光文社
公式サイト:http://kakurebitch.jp/
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