10月23日より開催中の第27回東京国際映画祭、コンペティション部門に出品された、『紙の月』の公式上映がTOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の宮沢りえ、共演の池松壮亮、吉田大八監督が舞台あいさつに登壇した。
本作は、直木賞作家・角田光代の衝撃のベストセラーを映画化。平凡な主婦・梨花が、大学生・光太と出会うことで巨額横領事件を起こすまでに落ちていく様を描くヒューマン・サスペンス。
観客を前にして、「いつもスクリーンを見ている反対のところに立ち、興奮してドキドキしています」と挨拶した宮沢。「梅澤梨花を演じる覚悟を決めてから世界3周くらいマラソンをしてきて、ゴールが公開日(11月15日)だとすると、やっとゴールが見えてきた感じ。みなさんの感想が(どうなのか)怖い気持ちもありますが、妥協せず携わった作品です!」と、興奮ぎみに語った。
宮沢にとって、7年ぶりの主演作となる本作。「主人公の梨花は、モデルになる人が見当たらない難しい役。演じ切れるか不安も大きかったけれど、監督と手探りで始めました。最終的にはもの凄く熱を帯びた梨花が出来上がって良かったです」と作品の出来栄えに自信をのぞかせた。
一方、ヒロインの梨花が落ちていくきっかけとなった大学生、平林光太役を演じた池松は、「りえさんの10%も分かったつもりはありませんが、“この人、どうなってもいいんだな”と思えるほど身も心も作品に捧げた人は初めて見ました」と、宮沢の女優魂を絶賛する。
そんな二人をキャスティングした吉田監督は、「スケールの大きさと精密さの両方を上手に表現してくれた宮沢りえさん。それをこぼさずに作品に込めました。彼女と一緒に仕事ができたことは、貴重な経験でした」と感無量な様子。さらに、「池松くんは、その宮沢さんの魅力を引き出す仕事をきっちりやってくれました」と、満面の笑みを浮かべて感謝の言葉を伝えていた。
映画『紙の月』
<STORY>
バブル崩壊直後の1994年。夫と二人暮らしの主婦・梅澤梨花は、銀行の契約社員として外回りの仕事をしている。細やかな気配りや丁寧な仕事ぶりによって顧客からの信頼を得て、上司からの評価も高い。何不自由ない生活を送っているように見えた梨花だったが、自分への関心が薄い夫との間には、空虚感が漂いはじめていた。そんなある日、梨花は年下の大学生、光太と出会う。光太と過ごすうちに、ふと顧客の預金に手をつけてしまう梨花。最初はたった1万円を借りただけだったが、その日から彼女の金銭感覚と日常が少しずつ歪み出す――。
キャスト:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美
監督:吉田大八
配給:松竹
公式サイト:http://www.kaminotsuki.jp/
11月15日(土)全国ロードショー!
第27回東京国際映画祭は10月23日~31日まで開催中。
公式サイト:http://2014.tiff-jp.net