1月15日(木)ヤクルトホールにて開催されたジャパンプレミアには日本から永瀬正敏、坂井真紀、Rake、中孝介、そして台湾からマー・ジーシアン監督、ウェイ・ダーションプロデューサー、ツァオ・ヨウニン、チェン・ジンホンが来日し、登壇。久しぶりのチームKANO再会に喜びもひとしおの様子。
永瀬正敏は「近藤兵太郎監督役をやらせていただきました。今日は台湾から4人も来てくださって、僕の大事な子供たちも来ているのでとても嬉しいです。やっともうすぐ公開です。今日も来ていただきましたが、初日も是非来てください」と挨拶。坂井真紀は「近藤監督の妻役をやらせていただきました。永瀬さんとまったく同じ気持ちです。皆さんには早く早く観ていただきたいと思っていたので、今泣きそうなくらい嬉しいです」と。続いてピッチャー呉明捷役のツァオ・ヨウニンは少し緊張した様子で「皆さんとこうやって会うことができて本当に嬉しいです。今日は一緒に映画を観ることができるんですよね。どうぞ、皆さん、映画の中で素晴らしい野球の試合をご覧下さい」、蘇正生役のチェン・ジンホンは「僕らの映画が皆さんに気に入っていただけたらと思います」とはにかみながら挨拶をすると、マー・ジーシアン監督は「この映画がまもなく日本で公開されるということで、大変嬉しく思います。皆さん、この映画を観て新しい2015年を迎えましょう」、そしてウェイ・ダーションプロデューサーから「私たちが真心を込めて作った映画を皆さんにおみせしたいと思います。この映画の中で皆さんを泣かせたり、笑わせたり、嘆かせたり、もしかしたら映画を観ているうちに呼吸すら忘れてしまうかもしれません。この映画を観て勇気をもらって映画館を出て下さい。よろしくお願いします」と熱い挨拶。
主題歌を提供したシンガーソングライターのRakeは「ウェイ・ダーションプロデューサーから楽曲の依頼があり、こうやって日本と台湾の絆の映画に携われて幸せです」そして、最後に同じく主題歌に参加の中孝介は「日台のつながり、絆。映像の美しさ、感動のストーリーと本当に素敵な映画です。この映画からもっともっと日台の関係が深まるといいなと思います」と挨拶。
このあと、Rakeと中孝介による主題歌の生歌披露があり、登壇者たちは肩を組んだり、手を振ったりしながら楽しそうに一緒に歌っていた。曲が終わると、永瀬正敏は「嘉義市での試写会で沢山の方に来ていただいて、カウントしただけで6万人、もしかしたら10万人いたのではないかという中でこの歌を聴き、また高雄でもスタッフたちもみな大合唱となり、みなこの映画をすごく愛しているのだなと、そのときのことを思い出して、ちょっと泣きそうになって、ごまかして手を振っていました。生徒の力を借りて」と話すと、そのままでは終わらない今回のイベント。
なんと、サプライズで来日できなかった嘉義農林学校(嘉農)野球部の生徒たちから永瀬正敏へ手紙が用意されていた。この中から、大江光夫先輩役の魏祈安が読まれた。「監督、ご無沙汰しております。今回日本へ行くことができず残念ですが、僕は今AKIRA(呉明捷)と同じ大学の後輩として頑張っています。僕はピッチャーなので、あまりAKIRAと会う機会はないのですが、僕らの試合があるときには応援してくださいね、監督! それから、僕はとても演技が好きになって、また演技を続けたいという気持ちになりました。もし、これから、そういうときが来てご縁があったら、ぜひまた一緒に映画をやりたいですし、いっぱい勉強させてもらいたいです。新年になりました。どうぞ、監督にとっていい年でありますように」。
そして、手紙を渡されると、「これから観ていただくとわかると思うのですけど、僕は映画の中で泣くな泣くなと言い続けています。ここで僕が泣くわけにはいかない」とぐっとこらえていた。
その後のフォトセッションでは、観客も写真撮影OKという嬉しいお知らせ。
イベントの終盤にはマー・ジーシアン監督から「この前、永瀬さんに映画はどういうものか聞きました。映画は始まりから終わりの終わりは観客の目にあるそうです。その通りだと思います。この映画には私たちの努力、気持ち、真心が込められています。皆さん、是非このNANOチームの一員になって、感動したら是非宣伝してください」そして、ウェイ・ダーションプロデューサーは「3時間を越えますが、絶対に飽きさせない作品です。始まる前にトイレに行っておいてください」と笑いを誘っていた。最後に永瀬正敏は「台湾の皆さんに感謝です。ありがとうございます。こんなに素晴らしい台湾映画に出演させていただいて、本当に嬉しく思っています。こんなあたたかい子供達に、、(涙)嬉しいです。1月24日初日に是非皆さんお会いしましょう」と途中、涙で言葉が途切れながらも、しっかりと初日の宣伝も忘れなかった。
会場全体が暖かい空気に包まれたやさしいイベントとなった。
舞台挨拶後の囲み取材では「知らなかったんですよ。手紙を書いてきてくれていたなんて。映画の中で、勝っても泣くな負けても泣くなと言い続けて俺が泣いちゃと思いながらもぐっときてしまった。嬉しかったです。台湾の人たちの暖かさを感じました」と感動の冷めやらぬ永瀬正敏。マー・ジーシアン監督は「とてもエキサイティングな気持ち。この日を心待ちにしていた。日本でもこの感動を広めていきたい」、語った。ウェイ・ダーションプロデューサーは「40歳のとき、リサーチ中に偶然知ったのですが、台湾は野球の盛んな国ですが、その台湾野球のスタートはこんなにも素敵なものだったのかと感動して、これは映画にしなければならないと思いました。あまり構えずにリラックスして観て欲しい」と語った。
ツァオ・ヨウニンは「僕らは皆初めての映画経験だったので緊張したし、プレッシャーも大きかったのです。でも、マー監督は怒鳴ったりしませんでした。怒鳴っても上手くいかないことを知っていて、激励してうまくいくように導いてくれました。永瀬さんの演技を間近で拝見していると、とても楽しい気分になりました。現場で永瀬さんのお芝居によって僕らをあの時代に引き込んで連れてってくれるように感じました」と話し、チェン・ジンホンも「永瀬さんの演技に現場で感動していました。一生で一度の経験になるかもしれないけれど、このような経験をさせていただいてラッキーでした」と現場での思いを伝えてくれた。二人に好きな日本人プロ野球選手を聞くと、ツァオ・ヨウニンはイチローと西岡剛、チェン・ジンホンは王貞治とのことで、クランクイン前には王貞治から様々なアドバイスを受けたとのこと。
坂井真紀は「二人の子供役の子達が本当に可愛くて、メロメロでした」と話すと、永瀬正敏もメロメロと表情を緩めていた。
『KANO ~1931 海の向こうの甲子園~』はいよいよ今週末2015年1月24日(土)新宿バルト9他全国公開
公式サイト:http://kano1931.com/
■出演:永瀬正敏、坂井真紀、ツァオ・ヨウニン/大沢たかお
■主題歌:「風になって~勇者的浪漫~」Rake。中孝介、ファン・イーチェン、スミン、ルオ・メイリン(EPICレコードジャパン)
■製作総指揮:ウェイ・ダーション
■監督:マー・ジーシアン
■脚本: ウェイ・ダーション、チェン・チャウェイ
■プロデューサー:ウェイ・ダーション、ジミー・ファン
■2014/台湾/185分/制作会社:果子電影有限公司(ARS Film Production)/配給:ショウゲート/宣伝:ヨアケ/(C)果子電影