映画『カノン』の完成披露試写会が、9月14日、東京・神楽座にて行われ、比嘉愛未、ミムラ、佐々木希、鈴木保奈美と、雑賀俊朗監督が登壇した。
本作は、北陸と東京を舞台に、トラウマを抱えた3姉妹とその母親の絆を描いたヒューマンドラマ。祖母が遺した手紙により、死んだはずの母(鈴木)が生きていたことを知らされた3姉妹。富山で教師を務める次女・岸本藍役を比嘉、東京で専業主婦として暮らす長女・宮沢紫役をミムラ、生まれ育った料亭の女将として働く三女・岸本茜役を佐々木が演じる。
主演を務める比嘉は「重い題材をテーマにした作品ですが、明るい未来のためにみんなで頑張った作品です」と力強く語ると、「この作品で、自分の母も1人の女性であり、色々なことを乗り越えて自分を育ててくれたと思いました。ありがとうと言いたいです」と、母に対する感謝の気持ちを表した。
藤色にススキの模様が入った着物姿で登場した鈴木は、「病院にいって分厚い資料をもらって読んでみましたが、解読不能でした。認知症の方の気持ちは分からないので想像の範囲でしかありませんが、台本をいただいた時に感じた『孤独』をキーワードに撮影に臨みました」と、難役に対する苦労を明かした。
三女のそれぞれの役どころについて質問がおよぶと、比嘉は「私自身、実際は長女なので、次女を演じるのはすごく難しかったですが、2人(ミムラと佐々木)と相談しながら作っていきました。今回は、富山の大自然の中で長い時間をみんなで一緒に過ごせたことに感謝したいです」と微笑んだ。
ミムラは「私たち3人の身長が同じくらいで、なんだか会ったときからすごく気楽でした」振返り、佐々木は「自分が演じた茜は、いい意味でまっすぐな正直者。ちょっとだけ自分に似ているかも・・・」と照れた笑顔をみせた。
そんな美人三姉妹の母親役を演じた鈴木は「(3人が美人なのは)私から生まれたから!」と述べ、会場の笑いを誘うと、少し恥ずかしそうにしながらも、「本当に美しくて健やかな3人を見て、4姉妹の話にしてくれないかと思いました」と伝え、さらに会場を盛り上げる。続けて、「こんなにきれいな子供が3人もいるのに、孤独を抱えた女性。それを意識して演じました」と真摯に語った。
本作のタイトルは、パッヘルベルの「カノン」から由来されており、劇中で3姉妹が同曲を連弾するシーンがあるが、実際に3人で弾いているという。ミムラはピアノの経験があるが、比嘉と佐々木はピアノが全く経験なし。比嘉は「クランクインの1カ月前から自主練して、撮影中もずっと練習していました。そんな時間の共有を持つことで、3姉妹の絆がより深まりました」と語ると、雑賀監督も、「ピアノを弾いている姿を美しく撮りたかったんです。3人ならきっとやってくれると思っていました」と、絶賛。
最後に比嘉は「3姉妹と母親の話となると女性向けと思われるかもしれませんが、男性も共感できるエッセンスがたくさん詰まっています。心のどこかにメッセージが引っかかってくれれば嬉しいです」とPRし、イベントを終了した。
出演:比嘉愛未 ミムラ 佐々木希 / 桐山連 長谷川朝晴 古村比呂 島田陽子 / 多岐川裕美 / 鈴木保奈美
監督:雑賀俊朗
脚本:登坂恵里香
©2016「カノン」製作委員会
配給:KADOKAWA
公式ホームページ:http://kanon-movie.com
10月1日(土)より、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー