映画『カラオケ行こ!』の完成披露試写会が、12月4日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、主演の綾野剛をはじめ、共演の齋藤潤、芳根京子、北村一輝、やべきょうすけ、チャンス大城、八木美樹、後聖人と、山下敦弘監督が登壇した。
和山やまの超人気マンガ「カラオケ行こ!」を実写映画化した本作は、変声期に悩む合唱部の中学生と歌に悩むヤクザのありえない出逢いからはじまった奇想天外な“青春”物語。
絶対に歌がうまくならなければならないヤクザ・成田狂児を綾野剛、突然ヤクザにカラオケに誘われ歌の指導を頼まれる、合唱部部長の中学生・岡実をオーディションを勝ち抜き選ばれた期待の新星・齋藤 潤が演じる。さらには、芳根京子 橋本じゅん、やべきょうすけ、吉永秀平、チャンス大城、RED RICE(湘南乃風)、八木美樹、後 聖人、井藻徹、岡部ひろき 米村亮太朗、坂井真紀、宮崎吐夢、ヒコロヒー、加藤雅他、北村一輝ら豪華キャストが集結した。
会場にはLittle Glee Monsterの「紅」が流れ、”巨大カラオケボックス”を模したステージにキャスト陣と監督が登場!
綾野は「ようやく皆さんにお届けるということでとても感慨深く嬉しく思っています。このスクリーンが突き破るような“紅”を、潤くんの歌声を聴いていただければと思います」と笑顔で挨拶。
齋藤は「はじめまして。こういう舞台に立たせていただくのが初めてなので、とてつもなく緊張しているのですが、こうして皆さんに映画を観ていただける日が来んだなと、凄く不思議でもあり、嬉しく思います」と思いの丈を口にした。
芳根は「私は先生の役だったので、ヤクザの皆さんとの関わりがなくて。関わると(話が)終わってしまうじゃないですか(笑)。私の知らない世界ばかりで。でも、初号をリトグリちゃんたちと一緒に観たのですが映画をすごく楽しませていただきました。声を出して笑っていました」と、作品の出来栄えに満足気。
反対に、ヤクザ役を演じたやべは「我々は逆に、中学生の学校での青春の一ページを覗かせていただいた。我々と話がちゃんとミックスしているのかと思ったのですが(笑)」と心配もあったようだが、「淡い一瞬の輝きや、人との出会いの中で成長していく姿を楽しんでいただければと思います」と作品をアピールし、「我々は成長することなく・・・でしたが」と苦笑い。チャンスも「映画好きなので、こんなスターの中に入れてもらって本当に嬉しいです」と高揚感を示しながら、「自分がちゃんと演じられているのか不安ですが、イリオモテヤマネコの顔をしながら、ふくろうの鳴き声を出させていただきます」と、突然モノマネをして会場を和ませる場面も。
本作の見どころの一つでもある歌唱パートについて話が及び、役にどのように挑んだかを尋ねられると、綾野は「難関な役でした」と一言。続けて「齋藤潤くん演じる岡の青春の一片を魅力的に描いていくという思いを集結させていた現場だったので、その一部になれたことが嬉しかったです。その中でも、僕たち(齋藤と)二人は『紅』を歌うのですが、『紅』を愛すところから始めました。狂児は恐ろしいほどの情念を持って歌っています。音楽から入っていく役づくりも新しく、潤くんと試行錯誤しながら、『紅』という壮大な曲に向き合う時間が、より2人の関係を強固なものにしていましたね」と述懐。
さらに、「狂児は『紅』を練習していない・・・というより、『紅』自体が狂児の人生。信号の赤も狂児からしたら『紅』で、全てが『紅』なんです。そういう滾りみたいなものがあったので、ほぼほぼ一発で勝負していくって感じでした」と、撮影を振り返りつつ、「裏声が気持ち悪いという設定ですので、全編裏声で歌っております(笑)」と裏話も披露した。
MCからヤクザチームの印象を尋ねられた齋藤は「第一印象は怖かったです」とポツリ。「皆さんメイクも終わって衣装も着ている状態で顔を合わせたので、みなさん本当にヤクザみたいでビビっていたのですが、カメラが回っていない時は優しくしてくださり、笑わせてくれて現場での空気を和ませてくださいました」とニッコリ。すかさず、やべが「言わされてないよね?とツッコミを入れると、「本心です」と返し、笑いを誘った。
初めて合唱部副顧問の先生を務めた芳根は「皆が可愛くて、撮影中はメロメロでした」と生徒たちに目を細める。
その言葉に、八木も「(芳根が)可愛くて何も入ってこなかったです。合唱の練習はめちゃくちゃしました。たくさん声もかけてくださって優しかったです」と返し、後も「僕も合唱練習をたくさんしましたが、芳根さんがアドバイスしてくださったり、いろいろな面で助けていただきました」と芳根の支えに感謝していた。
組長を演じた北村が「みんな可愛かったですよ。合唱部の皆さんも可愛いのですが、ヤクザの皆さんも可愛くて。撮影の合間に「腰が痛い」やら「膝が痛いやら」で盛り上がったりして・・・。まあ、めちゃくちゃでしたよ(笑)」と現場の様子を伝え、「みなさん、猛獣みたいで。これをまとめてる監督って、本当に凄いなって思いましたよ」と監督を称ええると、監督は「まとめているというよりも、出来上がっていましたよ(笑)。僕は何か言った覚えはないです」とキャスト陣のチームワークに太鼓判を押していた。作品についても「原作が面白いし、野木さんを描くという時点で、それを邪魔しないように心がけました。僕はキャスティングが一番こだわったかもしれません」と話す。先日台湾で行われたプレミアも大盛況だったが、「台湾の方はリアクションが良くて、よく笑ってくれましたね」と海外でも手応えを感じていた様子。
ヤクザと中学生のありえない出逢いを描く本作にちなみ、自身の記憶に残る“出会い”のエピソードを聞かれると、綾野は「この撮影の時に和山先生が現場に来てくださったことが強烈に残っています」と答え、「ちょうど、ヤクザチームが集まってカラオケをするシーンに来てくださったのですが、和山先生の存在が現場にいいスイッチを入れてくださって感謝しています。先生もとてもにこやかな表情だったので良かったなと」と話し、「やべさんとチャンスさんの歌を聴いていただけるのが楽しみで仕方ないです(笑)」と、お茶目に笑った。
齋藤は「『カラオケ行こ!』という作品に出会えたことが心に残っています。綾野剛さん、キャストさん、スタッフさんに巡り会えて、岡を演じやすい環境を作ってくださったことに感謝しかありません」ときっぱり。「剛さんも僕のことを一人の俳優として、信頼してくださっていたので、その期待に応えたいという思いで撮影現場に通っていました。毎日が印象に残っています」と、真摯に語っていた。
最後に、綾野が「この作品を観た時に、自分は青春と呼ばれる作品に初めて参加したんだなという体感がありました。“青春”にはいろいろな表現方法がありますが、温かく優しく、こんなたおやかな映画が出来上がるんだなと心から思いました。中学生の皆さん、ヤクザチームも、音楽に向き合って、音楽と映画の親和性を改めて表明した映画だと自負しております。みなさんにとって映画がいろいろな音楽を聴くきっかけになって、「紅」の魅力に気づいていただけたら幸いです」とコメント。
齋藤が「一言で言うと、笑えてただただ面白い映画になっていると思います。ヤクザの皆さんの歌にも注目していただきたいですし、狂児と聡実の関係もとてもエモくなっていると思うので、楽しんでいただければと思います」と続け、山下 監督が「最高に面白い原作を、最高の脚本家がシナリオを書いて、最高のキャストが揃って、面白くなかったら全部俺のせいだと思いましたが、めちゃくちゃ面白い映画が出来上がったので、楽しんでいただければと思います」と自信満々にメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
<あらすじ>
合唱部部長の岡聡実はヤクザの成田狂児に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれる。組のカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける“恐怖”を回避するため、何が何でも上達しなければならないというのだ。狂児の勝負曲はX JAPANの「紅」。聡実は、狂児に嫌々ながらも歌唱指導を行うのだが、いつしかふたりの関係には変化が・・・。聡実の運命や如何に?そして狂児は最下位を免れることができるのか?
映画『カラオケ行こ!』
原作:和山やま(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
※2020年9月12日発売 大反響、続々重版!
監督:山下敦弘 脚本:野木亜紀子
出演:綾野剛 齋藤潤
配給:KADOKAWA
公開日:2024年 正月
コピーライト:©2024『カラオケ行こ!』製作委員会/書影コピーライト:©和山やま/KADOKAWA
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/karaokeiko/
公式X:https://twitter.com/moviekaraokeiko
公式Instagram:https://www.instagram.com/karaoke_movie/
2024年1月12日(金) 全国公開公開