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三浦友和主演・赤堀雅秋監督映画『葛城事件』公開決定!

タイトル

『その夜の侍』赤堀雅秋監督の待望の第二作目。人が持つ心の闇を照らし出す意欲作!
無差別殺人事件を起こした加害者、その父、母、兄、そして加害者と獄中結婚をした女・・・壮絶な家族模様を描く。

葛城事件_家族写真

劇団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演を担当してきた赤堀雅秋。赤堀が描く登場人物とその生き様は、人間の本質に根ざす無様さや滑稽さ、残酷さや狂気までをあぶり出し、観る者に突きつける。その独特の世界観は「赤堀ワールド」と言われ、熱狂的なファンを持つ。2012年には『その夜の侍』(監督・脚本/堺雅人主演)で監督デビューを果たし、同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭・森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞。モントリオール世界映画祭、ロンドン映画祭、台北金馬奨映画祭などに正式出品されるなど国内外で高い評価を得た。
『葛城事件』は、2013年に劇団「THE SHAMPOO HAT」で公演され新井浩文等の客演で話題を呼んだ同名舞台であり、今回の映画化にあたり、新たに改稿した作品。赤堀監督が描く登場人物は、どの人物も自己矛盾を起こしており、多面的で複雑な感情を合わせ持つ。葛藤を抱えながらも、それでも生きていく、その姿を丁寧に描き出す。
主人公の葛城清役には三浦友和。青春スターを経て、善人から悪役、コミカルな役など硬軟幅広くこなせる日本を代表する俳優。「清役は三浦さん以外に考えられない」という監督からの熱望を受け、この度の主演が決まった。その他、徐々に精神を病んでいく母親・伸子役に南果歩、兄の保役には、舞台版「葛城事件」では稔役を演じた新井浩文、稔役はオーディションで選ばれた若葉竜也など実力派俳優が集結し、それぞれが問題を抱えながらいつの間にか歯車が狂ってしまった家族を演じている。

■物語
壮絶な、でも、私たちの隣に存在するかもしれない、ある家族の物語。

美しい妻を得て、子宝にも恵まれ、がむしゃらに働いてマイホームを持ち、理想の家族を作れたと思っていた葛城清(三浦友和)。21歳になった次男・稔(若葉竜也)は無差別殺人事件を起こし、8人を殺傷した罪で死刑囚となった。なぜ息子はこんなことをしでかしてしまったのか。モンスターに育ててしまったのは自分なのか。凄惨な事件を起こす前に、自らの手で息子の息の根を止めるべきだったのか・・・
理想通りに行かず粗暴になる清。会社をリストラされ孤立する長男・保(新井浩文)。妻・伸子(南果歩)は次第に精神のバランスを崩し廃人のようになっていく。さらに、死刑制度反対の立場から稔と獄中結婚をする女・星野が登場するが・・・

■登場人物
●葛城清/かつらぎ・きよし:三浦友和・・・死刑囚・稔の父。父親の代からの小さな金物屋を営んでいる。
●葛城伸子/かつらぎ・のぶこ:南果歩・・・清の妻。専業主婦。
●葛城保/かつらぎ・たもつ:新井浩文・・・長男。広告代理店に就職するもリストラされる。
●葛城稔/かつらぎ・みのる:若葉竜也・・・次男。通り魔的に8人を殺傷。死刑囚。

葛城事件_三浦さんメイン1

■コメント
【三浦友和】
最初に脚本を読んでみて素直に面白いなと、こういう作品はなかなかないと思いますし、出演している全員のキャラクターの個性がはっきりとしていて、それぞれがみんな何かを抱えていて、そういうところが一番面白かったです。撮影期間も短く、時間のないなかで演じていくには相当キツイ仕事になるのではないかと、少し躊躇はしてしまいましたが、これをやらないと後悔することになるし、この役を他の人が演じるということを想像したくなかったので、やらせていただきました。演じてみてすごく難しかったです。監督の頭の中ではイメージが明確に固まっていました。そこに近づけなければいけなかったですし、そのイメージに到達するまで時間がかかりました。自分としては悔いが残るシーンがいくつかあったりはしますが、監督がOKを出してくれたので、そこを信じたいなと今は思います。
(清という人物は)ありがちな父親像ですね、特別な人格でもない。ちょっと間違えるとこういうかたちになるだろうし、少しだけ歯車が狂ってしまった、そういう家庭です。親ってどうやって子供に対して愛情を注いだら正解なのかは、永遠のテーマでしょうね。
赤堀監督はものすごく想いが強いです。貪欲ですし、現場でも何度もテイクを重ねて、後で「何回もすみません」と謝りに来てくれましたが、現場で躊躇しない監督の姿が好きでした。それに答えられたかどうかはわかりませんが、素敵な監督でした。

【南果歩】
葛城家のなかで過ごす時間は、息をするのも辛くなる場面が沢山ありました。“家族”という、一番身近な人間関係をどう作っていくかという部分では、家族の危うさや、恐ろしさ、やるせなさ、そしてそこにある人肌を感じながら、「身近にいる家族とは一体何なのか」ということをずっと考え続けた時間でした。
演じたどのシーンも印象的で、全て難しかったです。赤堀監督の、人間の心を単色で表現することはできないと言う誠実で挑戦的な演出は、今後の私の仕事の中でもずっと生き続けることになると思います。この役を演じることができて、現場に呼んで頂いて感謝しています。

【新井浩文】
舞台とは別の役をもらって演じる。俳優っぽいなーと思ってました。

【若葉竜也】
こんなにも不器用で、目を背けたくなるほど生々しく、笑ってしまうほどカッコ悪い人間達。圧倒的な脚本の面白さに興奮しました。それと同時に《葛城稔という人間を、理解できるんだろうか》とプレッシャーと不安を感じました。何度も何度も何度も監督に『違う。そうじゃない。』『まだ頭で考えてる』と言われながら自分を徹底的に崩壊させて1カット1カット挑みました。『OK!』と監督が声をあげるテイクは必ず、《記憶がすっ飛んでいる》という不思議体験もしました。
魂の篭った映画になっています。是非たくさんの方々に観ていただきたい作品です。

【監督・脚本 赤堀雅秋】
この物語は、対岸の火事ではなく、我々の地続きにある。ある家族の話。無様に、愚かに、それでも必死に生きる人間の姿。観客の心を強く揺さぶる作品になるという自負があります。
極めておこがましい言い草ですが、これは三浦友和さんの代表作になると、僕自身は勝手にそう思ってます。強くそう思ってます。

プロフィール
1971年生まれ、千葉県出身。劇作家、脚本家、演出家、俳優。
演劇集団「THE SHAMPOO HAT」の旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演をこなす。人間の機微を丁寧に紡ぎ、市井の人々を描くその独特な世界観は赤堀ワールドと称され、熱狂的なファンを持つ。第57回岸田國士戯曲賞を「一丁目ぞめき」(上演台本)にて受賞。2014年、シアターコクーンにてBunkamura25周年作品の1つとして、「殺風景」(作・演出)を発表、昨年に続き今年も「大逆走」(作・演出:10/9~)を公演予定。今、最も勢いのある劇作家として注目を集めている。初監督作品『その夜の侍』(2012年公開)では同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭・森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞。モントリオール世界映画祭(ファースト・フィルム・ワールドコンペティション部門)、ロンドン映画祭(ファースト・フィーチャー・コンペティション部門)、台北金馬奨映画祭などに正式出品され、各方面で話題になった。

出演:三浦友和 南果歩 新井浩文 若葉竜也
監督・脚本:赤堀雅秋
エグゼクティブ・プロデューサー:小西啓介
プロデューサー:藤村恵子
アソシエイト・プロデューサー:西田圭吾
撮影:月永雄太
助監督:茂木克仁
製作:「葛城事件」製作委員会 製作プロダクション:テレビマンユニオン
制作協力:キリシマ1945
製作・配給:ファントム・フィルム
(C)2016「葛城事件」製作委員会
公式HP:http://katsuragi-jiken.com/

2016年、全国ロードショー