映画『ケイコ 目を澄ませて』
『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督が
耳が聞こえないプロボクサーの実話を基に映画化
主演・岸井ゆきのがプロボクサー役に挑戦!
三浦友和演じるトレーナーとの言葉を超えた交流を
繊細に映し出す
主演・岸井ゆきの演じる両耳が聞こえないプロボクサー・ケイコと、三浦友和演じる視力を失いつつあるトレーナー・笹木の交流を描いた映画『ケイコ 目を澄ませて』の公開が決定した。元プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」を基に、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督が登場人物たちの細やかな表情を丁寧に映し出す。
【イントロダクション】
本作でメガホンをとるのは、『きみの鳥はうたえる』がベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され、同作が2018年映画芸術日本映画ベストテン1位にも輝いた俊英・三宅唱。2013年までに4戦を戦った耳が聞こえない元プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」を原案として本作を書き上げ、刻一刻と変化するケイコの眼差しと、彼女を案じる家族やジムの面々の心のざわめきを16mmフィルムに焼き付けている。
生まれつきの難聴と付き合いながらプロボクサーとなった主人公・ケイコには、『愛がなんだ』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝き、ドラマ「#家族募集します」での好演も記憶に新しい岸井ゆきの。今回、プロボクサー役としてクランクインの約三か月前から厳しいトレーニングを行ったほか、劇中で使われる手話の練習など、入念な準備を行い撮影に臨んだ。全身全霊で役を生きた岸井は「三宅監督も参加した三ヶ月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。ほんとうの意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します」とコメント。日々の練習にひたむきに向き合い、家族やトレーナーたちの想いに触れることで揺れ動くケイコの感情の機微を、言葉ではなく眼差しで表現した岸井の新境地が垣間見える。
セコンドの指示もゴングの音も聞こえないケイコを受け入れ、再開発が進む下町で小さなジムを運営するトレーナー・笹木に、日本映画界で圧倒的な存在感を放つ三浦友和。「ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品」だと太鼓判を押す三浦は、喧嘩するように力んでしまうケイコに根気強く指導を行いながらも、次第に視力を失っていくという難役に挑んだ。
ケイコの実力と可能性を誰よりも信じるトレーナー・笹木、そしてその想いに応えるように“目を澄ませて”鍛錬を重ねるケイコ。三宅唱監督が「言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています」とコメントするように、言葉では語りつくせない、確かな絆で結ばれたふたりの関係が、静かに描かれている。
笹木会長の妻役には仙道敦子。そしてジムのトレーナーとして三浦誠己と松浦慎一郎。その他にも佐藤緋美、渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子など実力派キャストが名を連ねている。映画の撮影は完了しており、2022年全国ロードショー予定。
【プロフィール/コメント】
●岸井ゆきの(小河ケイコ役)
プロフィール
1992年生まれ、神奈川県出身。2009年、TVドラマ「小公女セイラ」で女優デビュー。その後、映画、舞台、テレビドラマなど幅広く活躍。2016年、NHK大河ドラマ「真田丸」で主人公・真田信繁の側室・たかを演じ、2017年、『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務め、第39回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞するなど注目を集める。その他の主な出演作に『悪の教典』(12/三池祟史監督)、『銀の匙 Silver Spoon』(14/田恵輔監督)、『友だちのパパが好き』(15/山内ケンジ監督)、『ピンクとグレー』(16/行定勲監督)、『森山中教習所』(16/豊島圭介監督)、『だれかの木琴』(16/東陽一監督)、『闇金ウシジマくん Part3』(16/山口雅俊監督)、『ここは退屈迎えに来て』(18/廣木隆一監督)、『いちごの唄』(19/菅原伸太郎監督)、『愛がなんだ』(19/今泉力哉監督)、『空に住む』(20/青山真治監督)『ホムンクルス』(21/清水祟監督)、『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(21/松井大悟監督)。今後の待機作品に、『大河への道』(22/中西健二監督)、『やがて海へと届く』(22/中川龍太郎監督)などがあり、今最も注目される若手女優のひとり。
コメント
現場に入ればすでに照明はうつくしく、撮影中は16mmのフィルムがカラカラと回る音だけが辺りを満たしていました。
この世界をスタッフの皆さんがいち早く捉えてくださり、支えてくれたから、わたしはただケイコとして存在することができました。
この作品はケイコの日常であると同時に、今を生きること、自分の人生をどう生きるのかという問いなのかもしれません。
三宅監督も参加した三ヶ月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした。ほんとうの意味で一緒に戦ってくれたこと感謝します。
ああ早く観てほしい。それだけです!
●三浦友和(笹木克己役)
プロフィール
1952年生まれ、山梨県出身。1974年『伊豆の踊子』(西河克己監督)で映画デビューし、第18回ブルーリボン賞新人賞を受賞。以後、映画・テレビドラマ・CMで幅広く活躍。その他の主な出演作に、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ(05~12/山崎貴監督)、『松ヶ根乱射事件』(07/山下敦弘監督)、『転々』(07/三木聡監督)、『陰日向に咲く』(08/平川雄一朗監督)、『沈まぬ太陽』(09/若林節朗監督)、『アウトレイジ』(10/北野武監督)、『借りぐらしのアリエッティ』(10/米林宏昌監督※声の出演)、『死にゆく妻との旅路』(11/塙幸成監督)、『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(11/蔵方政俊監督)では日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞、『おかえり、はやぶさ』(12/本木克英監督)、『アウトレイジ ビヨンド』(12/北野武監督)、『ストロベリーナイト』(13/佐藤祐市監督)、『救いたい』(14/神山征二郎監督)、『葛城事件』(16/赤堀雅秋監督)、『64-ロクヨン- 前編・後編』(16/瀬々敬久監督)、『羊と鋼の森』(18/橋本光二郎監督)、『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)、『AI崩壊』(20/入江悠監督)、『唐人街探偵 東京MISSION』(21/チェン・スーチェン監督)などがある。
コメント
特別な仕掛けも予定調和の起承転結もない。でもあっという間の99分。
音のない日常を生きる主人公のケイコの気持ちを、観た人間それぞれが自由に解釈して欲しいと無責任に丸投げされることがない。
ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品だった。サンドバッグ、ミットを連打する音が強烈に耳に残る。
街の喧噪、人々の声。だがこの音はケイコには聞こえていないのだと気づく度に、目にしている画面の風景が違った色に変化する。
この作品には映画音楽がない。観客が耳を澄ませなければならない。
●監督:三宅唱
プロフィール
1984年生まれ、北海道出身。一橋大学社会学部卒業、映画美学校・フィクションコース初等科修了。主な監督作品に、『THE COCKPIT』(14)、『きみの鳥はうたえる』(18) 、『ワイルドツアー』(19)などがある。『Playback』(12)では、ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、第22回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞。『呪怨:呪いの家(全6話)』(20)がNetflixのJホラー第1弾として世界190カ国以上で同時配信され、話題となった。その他、星野源のMV「折り合い」なども手掛けている。
コメント
とても大切な映画ができました。ご自身の半生記「負けないで!」を書かれた小笠原恵子さんに深く敬意と感謝の意を表します。ありがとうございます。また、岸井ゆきのさんとともにこの映画に取り組めたことを心から誇りに思います。彼女の信じがたいほどの勇敢さがなければこの映画は生まれていません。タイトル通り、彼女はこの映画そのものです。そして、三浦友和さんはじめ全ての役者と全てのスタッフの、言葉では言い表せないほど澄んだまなざしもまた、この映画そのものです。全員の素晴らしい仕事にただただ魅了されました。書きたいことは山ほどあるのですが、なるべくまっさらな気持ちで皆さんに「発見」してほしいので、いったんこのあたりで我慢します。言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています。ケイコと多くの観客の皆様とが出会えますように。
【クレジット】
岸井ゆきの
三浦誠己 松浦慎一郎 佐藤緋美
中原ナナ 足立智充 清水優 丈太郎 安光隆太郎
渡辺真起子 中村優子
中島ひろ子 仙道敦子 / 三浦友和
監督:三宅唱
原案:小笠原恵子「負けないで!」(創出版)
脚本:三宅唱 酒井雅秋
制作プロダクション:ザフール
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
2022年/カラー/ヨーロピアンビスタ/5.1ch/99分
公式サイト:https://happinet-phantom.com/keiko-movie/
公式twitter:@movie_keiko
2022年 全国ロードショー