映画『決戦は日曜日』の公開記念舞台挨拶が、1月8日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の窪田正孝をはじめ、共演の宮沢りえ、赤楚衛二と、坂下雄一郎監督が登壇した。
事なかれ主義の議員秘書と、政界に無知な熱意空回り候補者の選挙活動の行方をコミカル&シニカルに描く社会派コメディ。議員秘書・谷村勉役を窪田正孝、突然父の地盤を引き継ぎ、出馬することになった世間知らずなご令嬢・川島有美を宮沢りえが演じ、秘書軍団に赤楚衛二、内田慈、小市慢太郎、音尾琢真ら個性豊かなキャストが集結した。
新年の挨拶をした窪田は、本作の公開を喜びつつ、自身の役がらについて「お世話係というか、マネージャーのような気持ちで、もし自分がマネージャーの立場だったらどう動くだろうかと思いながら演じました」とし、「(マネージャーらが)意見を言いやすい環境をこちらでも作らなければと思いました。僕らプレイヤーは、やはりサポートしてくれる人がいてくれてからこそ。そんな関係性の一番最善の形をイメージしました」とマネージャーへの感謝の気持ちを再認識して役へ臨んだ様子。
今作でコメディ初挑戦となった宮沢は「私は笑うと体の病気が飛んでいくという迷信を信じています。(この作品を観て)皆さんも今年一年健康に過ごせるのではないかと思います」と本作への自信を覗かせ、「コメディということは考えず、純粋に有美として発言して行動したりする真っ直ぐさとピュアさを大事にしよう思って臨みました」と振り返る。
赤楚は「(自身が演じる)岩渕は全部受け入れてしまうタイプの人間なので、疑問を持たずに進んで行こうと思いました」と語り、撮影時には「小市慢太郎さんと『太陽の光はいいんだ!』という話で盛り上がりました。『太陽光からはビタミンが取れるので体にいいんだよ』と言っていました」とエピソードを披露すると、窪田も「太陽の光はエネルギーもあるしね」と同調し、ほっこりとしたムードに。
坂下監督は「絵コンテなど事前にできる準備をして、現場で悩まないようにしました。選挙事務所のシーンでは登場人物も多いので、誰を撮って誰を撮らないのかなど、事前に考えをまとめて臨むようにしました」と撮影時間を有効にするため、万全の態勢で臨んだことを吐露。
笑いがたくさん起こる作品となっているが、それぞれのお気に入りのシーンを聞かれると、窪田は「有美さんの罵声を携帯で撮っているシーンですね。『普通コーヒーだろ!』という声も一発OKでした」と答え、「事務所もハチャメチャになって、一発本番でしたが気持ち良かったです」と続けると、宮沢は演説を邪魔しに来た炎上系YouTuberに激怒する場面を挙げて「気持ち良かったなぁ~」とニッコリ。赤楚も「後援会の方々とのシーンで、部屋の中から怒号だけが聞こえてきて・・・面白かった」と笑い、二人の熱演を絶賛する。
さらに、新春ということで2022年の初笑いエピソードを発表した登壇者たち。窪田は「今年初のサウナに行ったんですが、関西のおじさんたちの声があまりにも大きくて。コントのようで顔にタオルを巻いて隠して笑っていました」とモノマネを交えて語る。
宮沢は「大晦日にタクシーが捕まらず、街灯のないような閑散とした住宅街で寒さにガタガタ震えながらお正月を迎えました。なんだかおかしくなって笑ってしまいました」と。
赤楚は「お正月に実家に帰ったんですが、3回しか会ったことのないワンちゃんが僕を見るたびに吠えるんです。でもお菓子をあげたらすぐなついて(笑)。笑えました」と微笑ましい笑いを報告。そんななか坂下監督は「札束を持ちながらジェットコースターに乗る初夢を見まして。しかも風で札が飛ばされていったんです…。象徴的な初夢だと思いました」と語ると、隣に立つ宮沢が淡々と語る監督がツボにはまってしまい笑いがとまらない一幕も。
最後に窪田が「笑いの中にも確信を突くようなことが織り交ざっていて、他人事とは思えないことが詰まっています。選挙とは自分たちの身近にあるもので、映画を通してそれをまざまざと描いています」と作品をアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
映画『決戦は日曜日』
【ストーリー】
とある地方都市。谷村勉はこの地に強い地盤を持ち当選を続ける衆議院議員・川島昌平の私設秘書。秘書として経験も積み中堅となり、仕事に特別熱い思いはないが、暮らしていくには満足な仕事と思っていた。ところがある日、川島が病に倒れてしまう。そんなタイミングで衆議院が解散。後継候補として白羽の矢が立ったのは、川島の娘・有美。谷村は有美の補佐役として業務にあたることになったが、自由奔放、世間知らず、だけど謎の熱意だけはある有美に振り回される日々。でもまあ、父・川島の地盤は盤石。よほどのことがない限り当選は確実…だったのだが、政界に蔓延る古くからの慣習に納得できない有美はある行動を起こす――それは選挙に落ちること!前代未聞の選挙戦の行方は?
脚本・監督:坂下雄一郎
出演:窪田正孝 宮沢りえ 赤楚衛二 内田慈 小市慢太郎 音尾琢真
製作:「決戦は日曜日」製作委員会
制作:パイプライン
配給:クロックワークス
Ⓒ2021「決戦は日曜日」製作委員会
公式HP:https://kessen-movie.com
全国公開中!