映画『君が君で君だ』公開初日舞台挨拶が、7月7日、東京・新宿バルト9にて行われ、主演の池松壮亮をはじめ、共演のキム・コッピ、満島真之介と、松居大悟監督が登壇した。
本作は、自分を捨て去り、好きな女の子の好きな人になりきって、10年間彼女を見守る3人の男たちの愛の結末を描くラブストーリー。池松はロックシンガー・尾崎豊になりきり、満島はブラッド・ピット、大倉孝二は坂本龍馬になりきる。彼らのヒロイン・ソン役を韓国映画『息もできない』で強烈な印象を残し、今やアジア各国で活躍するキム・コッピが演じた。
映画の公開を記念し、舞台挨拶のために来日したキム・コッピ。流暢な日本語で「撮影したのは真夏だったんですが、冬のシーンを撮っていて、裸足でアスファルトを歩かなければならなかったのですが、すごく熱くて・・・」と撮影を苦労を明かし、「目玉焼きができそうなくらいでした(笑)」と、おどけてみせた。
松居監督からの熱烈なオファーで今回の出演が実現。韓国でのトークイベントで出会いがきっかけだったという。キム・コッピは「監督の『ワンダフルワールドエンド』を観て、とても面白かったし、ぜひご一緒したいなと思いました」とニッコリ。それでも「台本を読んだとき、難しい役で、あ~ってなったんですけど・・・」と戸惑いもあったようだが、「監督の映画が大好きだから出演できて嬉しかったです!」と喜びをあらわにした。彼女の言葉に感激した松居は「今の言葉を録音して持って帰りたい!」と興奮を隠せない。
池松は、撮影中のエピソードについて聞かれ「劇中でソンの髪の毛を食べるシーンがあるんですが・・・」と前置きし、「コッピさんとは同士のような、共犯者のような存在だったので、『コッピさんのならいいだろう』と思って臨んだら、全然知らない人の髪の毛を食べさせられたんです」と暴露。会場がざわつくと、「しかも、夏のアパートで、2時間くらいいろんな人が床をペタペタ踏んでて。足の裏の匂いがするんですよ。なんかね・・・屈辱でしたね」と続け、観客も驚きの声をあげていた。
同じく満島も「本当に臭かった(笑)。ホコリも付いてたし、何!?って感じなのでお楽しみに!(笑) 固くならずに、笑ってもらえれば」と笑い飛ばしながら「これも松居さんの脳の中でできているんだなと」としみじみ。松居監督に向かって「監督はあのシーンを見ていてどうだったんですか?」と問うと、監督は「いや、すごい普遍的だなと思いながら撮ってましたよ。神話を撮っているような感じで」とあっけらかんと話した。
さらに、キム・コッピが登壇者たちに「現場で本当に良くしてくれて、とても情がわきました。本当にありがとうございます。これからも応援しています。いつかまたご一緒したいです」と感謝の気持ちを述べる。その言葉に池松は「泣こうとしたんですが、ダメでした。自分は俳優としてまだまだだなと・・・」と冗談を言いながらも「日本に来ていろんな難しいこともあったと思います。日本を楽しめているのか心配でしたが、打ち上げのときに誰よりも号泣していて、帰りたくないって言ってくれていた。世界的に素晴らしい女優さんと一緒に映画を作ることができて光栄でした」感無量の面持ち。
満島は、「僕より日本語が上手い。1年前よりさらに上手になってる」と褒め、「サランヘヨ! 会えて嬉しいです」とキム・コッピに優しい笑顔を向けた。
最後に池松が「愛するということは、人からもらうものではなくて与えるもの。自分自身の決断だと思っています。(この作品に)凄く滑稽な愛情を詰め込んでいます。皆さんにとっての誰かが幸せであることを願っています。サランヘヨ!」とメッセージを伝え、イベントを締めくくった。
【ストーリー】
― この愛は純情か、それとも異常か。 -
大好きな子が好きな「尾崎豊」「ブラピ」「坂本龍馬」になりきり、自分の名前を捨て、10 年間ただひたすら好きな子を見守って きた3 人の男たちを描いた恋愛譚。触れ合うことも告白することもなく、ただ見守り続けてきた3 人が、執拗な借金の取り立てから好きな子を守るべく立ち上がるも返り討ちに!物語は大いなる騒動へと発展していく。
■監督・原作・脚本:松居大悟
■出演 :池松壮亮 キム・コッピ 満島真之介 大倉孝二 高杉真宙 向井理/YOU
■制作:レスパスフィルム
■配給:ティ・ジョイ
■コピーライト:ⓒ2018「君が君で君だ」製作委員会
■公式サイト:https://kimikimikimi.jp
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