映画『君が世界のはじまり』の完成記念トークイベントが、6月29日、東京・アーツ千代田3331にて行われ、主演の松本穂香をはじめ、共演の中田青渚、片山友希、金子大地、甲斐翔真、小室ぺい、ふくだももこ監督が登壇した。
ふくだももこ監督が描く2本の短編小説「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」を再構築し、一本の映画にした本作は、大阪の郊外を舞台に、高校2年生のえんと琴子、そして彼女たちを取り巻く同級生たちのその瞬間にしか存在しない刹那的な時間を切り取った青春群像劇。主演の縁(ゆかり/えん)役を松本、えんの親友・琴子を中田、琴子が一目惚れするサッカー部のナリヒラ君を小室、父親と上手く関われない純役を片山、東京から転校してきた伊尾役を金子、サッカー部のキャプテン・岡田役を甲斐が演じる。
共演シーンの多い松本と中田は撮影前からいつも一緒にいたそうで、「お茶をしに行ったり、リハーサルの時も常に一緒にいました。中田さんはずっと琴子でいてくれたんです」と松本。甲斐が「撮影中も声出してたよね」と中田のテンションの高さを伝えると、中田も「緊張が途切れないようにずっと琴子でいようと思いました」と吐露。
小室と同じサッカー部員という役がらの甲斐が「(小室と)新大久保に一緒にご飯食べに行きました」と明かすと、小室も少し恥ずかしそうにしながらも「美味しかったです。お肉を食べました」と嬉しそう。
一方、金子は片山とのシーンに触れ、「非常階段でのシーンが初日だったんです。最初から刺激的なシーンでした」と振り返り、片山も「そのあと、みんなで一緒に撮影するシーンがあったんだけど、ずっと(金子と)二人で撮影していたので、他の人がいると変な感じがしました」と語る。金子も「他の人たちが明るいからね。作品の中でも色味が違う感じだったので・・・」と言及した。
作品の中の誰かに感情移入ができるであろう本作。「共感できる人は?」と聞かれた松本は「(片山演じる)純ちゃんかな? 愛情があるからこそ、私も親に対してツンツンしちゃうことがあった。私にもそういうところがあるんです」と意外な素顔を告白する場面も。
また、真夜中にショッピングモールでブルーハーツの曲で弾ける5人を映し出すシーンも印象的なシーンの一つ。MCから「誰が一番弾けてましたか?」と問われると、甲斐はすかさず「金子くんですね」と暴露。金子も「本当に楽しかったです」とまんざらでもない様子。ミュージシャンとして活動する小室は「普段とは違い、あそこまで(高いテンションで)暴れないので楽しかったです。みんな凄かった。純さんが凄かった」と微笑んだ。
さらに、「青春時代一方通行だったと思う思い出は?」質問に、金子は「思い出せないですね。今が楽しければいいというチャラチャラしてクソみたいな感じでした」と苦笑い。軽音部だったという小室は「誰も見に来てくれなかったので寂しかったです」と今では考えられない思い出も。松本も「私も演劇部だったんですが、“冷凍マグロ”の役を真面目にやってました。私も視聴覚室でひっそりとやっていて誰も見にきてくれなかったですよ」と笑った。中田は「私はまだ一方通行を経験していないので、これからです」とし、サッカーに明け暮れていたという甲斐は「勉強も恋愛も興味がなかったので、サッカーだけ。そういう意味では一方通行でしたね」と語った。
最後に松本は「全員が主役のステキな映画です。他にはない作品ではないでしょうか。ぜひ楽しんでいただければ」と作品をアピールし、イベントを締めくくった。
<あらすじ>
大阪の端っこのとある町。深夜の住宅地で、中年の男が殺害される。犯人は高校生だった。
この町の高校2年生のえん(松本穂香)は、彼氏をころころ変える親友の琴子(中田青渚)と退屈な日々を送っていたが、琴子がサッカー部のナリヒラ君(小室ぺい)に一目惚れしたことで、二人は徐々にすれ違うようになっていく。同じ高校に通う純(片山友希)は、母が家を出ていったことを無視し続ける父親に何も言えぬまま、放課後ショッピングモールで時間をつぶす。ブルーハーツを聴きながらふと通りかかった屋上で、東京から転校してきた伊尾(金子大地)と会い、求めるものもわからぬまま体を重ねるようになる。偶然ナリヒラ君の秘密を知るえん。急接近した二人を見て見ぬふりをする琴子。琴子に思いを寄せる、サッカー部キャプテンの岡田(甲斐翔真)。思いの捌け口を見つけられない純。田舎に閉じ込められた自分と義母を重ねる伊尾。変わらない町―。
そんなある朝、父親殺しの犯人が逮捕され……。
郊外の気怠い空気とそれぞれの感情が混じり合い、物語は疾走していく。
【予告映像】
松本穂香
中田青渚 片山友希 金子大地 甲斐翔真 小室ぺい
板橋駿谷 山中 崇 正木佐和 森下能幸
江口のりこ 古舘寛治
原作・監督:ふくだももこ 『えん』『ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら』
脚本:向井康介
企画制作:オフィス・シロウズ
配給:バンダイナムコアーツ
製作:『君が世界のはじまり』製作委員会 バンダイナムコアーツ アミューズ オフィス・シロウズ
©2020『君が世界のはじまり』製作委員会
※古舘寛治の「舘」の正式表記は、舎に官になります。
公式サイト:https://kimiseka-movie.jp/
7月31日(金) テアトル新宿ほか全国ロードショー
※新型コロナウィルス感染拡大の状況等により、公開延期となる可能性もございます。