『リング』『スマホを落としただけなのに』『事故物件 恐い間取り』などで知られるジャパニーズホラーの巨匠中田監督の最新作、映画『禁じられた遊び』が、ついに9月8日より公開となった。
清水カルマの大ヒットデビュー小説を実写映画化した本作は、母親を事故で亡くした息子の会いたいという願いを込めて唱えた呪文が、最凶怨霊モンスターを生み出し襲いかかる様を描く、体感型ホラーエンターテインメント。
映像ディレクター・倉沢比呂子役を橋本環奈、比呂子の元同僚で息子・春翔の父親・伊原直人役を重岡大毅(ジャニーズWEST)がW主演。直人の妻であり、怨霊モンスター・美雪を演じるファーストサマーウイカが恐怖の世界へ観客をいざなう中登場するのが、霊媒師・大門謙信役の長谷川忍(シソンヌ)とその弟子・黒崎邦明役の猪塚健太だ。
今回、Astageでは猪塚健太さんにインタビューを遂行! “おも怖”ホラーと注目が集まる本作の見どころや魅力、そして裏話までたっぷりと語ってもらった。
― 中田監督作品へのご出演をとても楽しみにされていたそうですが、実際に中田組に参加されていかがでしたか?
とても楽しかったです。ホラー作品は自分に合っているのかもしれないなと思ったぐらいです(笑)。監督からも色々演出していただいて、僕のお芝居を喜んでくださったので良かったです。
― ホラー作品はお好きですか?
どちらかというとあまり得意ではなくて。でも、この『禁じられた遊び』は本当に怖いんですが、僕が観た感想は、“怖い”よりエンタメとして“面白い”が勝っていました。
― 今回はかなりクセのある役柄だと思いますが、どのように捉えて演じられましたか?
長谷川さん演じる霊媒師・大門先生の弟子という役柄でしたが、役割がしっかりしていたので、そこを一生懸命演じればキャラクターとして成立するし、見せ場もあるので、そこに持ってくためにどうしたら一番いいかということを考えながら演じました。特に霊媒師と美雪が対峙する場面は、劇中でも盛り上がるところでもあるので、大切にしようと思いました。
― キャラクターの衣装や、金髪、ポーズなどはどのように決めていったのでしょうか?
感情を出さないキャラクターにしようとなったので、衣装はシンプルに黒色になりました。実は、髪型は当初は金髪ではなかったんです。全然違う髪で決まっていたんですが、いろいろな話し合いがあって、金髪へ変更になったんです。でも、いま思うと(金髪が)謎な雰囲気が増して良かったかなと感じています。
殺陣のポーズは撮影の流れで、日本刀を使ったときに一番カッコ良くて何かインパクトのあるポージングは?と、監督やプロデューサーさんと意見を出しながら撮影の直前に決まりました。
― とてもカッコ良かったです。
日本刀に日本酒を吹きかけるシーンだけは、ちゃんとト書きに書いてあったので、ものすごく練習して、一発で決めました。監督も大喜びでした(笑)。
― 師匠・大門役の長谷川さんの印象はいかがでしたか?
長谷川さんとは以前にドラマ「今日から俺は」で共演させていただいていたので、よく存じ上げていましたが、台本に大門先生のことをト書きで、“いかにもうさん臭そうな”と書いてあったんです。それを忠実に再現されていました(笑)。あの“うさん臭さ”はやっぱり長谷川さんだからこそ、ハイブランドTシャツ着たときに出せるのかなと。流石だなと思いました(笑)。
― 演技前に打ち合わせなどされたのですか?
長谷川さんとは久々にお会いしたんですが、その時に長谷川さんの第一声が、「九次切りのところは2人で揃えてやらないといけないけど、もう俺は俺のペースでやるから、(俺に)合わせてよ、頼むよ」だったんです(笑)。プレッシャーでしたが、「わかりました。どんなペースでもついていきます!弟子なので!」と返しました。でもそれが、練習なしの本番で一発OKだったんです。
― 息ピッタリだったんですね(笑)。そのシーンで、笑い上戸の橋本環奈さんは大丈夫だったのでしょうか?
確かに現場は笑い声が絶えなかったですね。やっぱり長谷川さんと一緒にいると、ずっと笑っていました。でも本番に入ると橋本さんはしっかりと切り替えて演技されていました。驚く演技が多かったので大変だったと思います。カットがかかると大笑いしてましたけど(笑)。
― 黒崎の台本に書いてない裏設定みたいなものをご自身で考えられたり、中田監督から話があったりしましたか?
特にそこまで監督からの指示はなかったですが、原作で書かれている黒崎と僕の見た目に乖離がったので、そこは映画版らしくしたいなと思っていました。大門だけでなく、黒崎も能力を持っているという設定は自分で付けました。弟子だけど能力はあるし、うさん臭い大門もちゃんと霊媒師としての能力はある人だから、師匠として尊敬して慕っているところは、大事にしました。
― 劇中で出てくる“エロイムエッサイム”という呪文は、観る人にとってもどこかで聞き覚えのある言葉だと思います。猪塚さんの幼い頃にもそのような呪文や禁じられていた遊びなどありましたか?
自分ではやってないですが、“こっくりさん”とかやっている友達はいました。小学生のころは『学校の怪談』が流行っていた時期だったので、『音楽室に飾ってあるベートーヴェンの写真を、学校が終わって誰もいなくなった時間にみんなで見にいこう!』みたいなことはありました。動き出したり、ピアノが勝手に鳴ったりするんじゃない?とか想像して、ドキドキしたことを思い出しますね。
― 劇中で特に印象に残ってるシーンは何かありますか?
予告編にも少し出ていますが、堀田(真由)さん演じる麻耶の変貌するシーンが凄いなと思いました。あとは、個人的に大好きなのが、新納(慎也)さん演じる川崎の気持ち悪さです(笑)。
― では、この作品でどんな新しい猪塚さんを見られるでしょうか?
僕は最近、けっこう頻繁に悪い役をやらせていただいているんですが、たくさん死んだりもしてきました。今回はちょっとカッコいい、ヒーローを思わせるような部分もあるので、新鮮な気持ちで観てもらえたら嬉しいです。驚くような結末を迎えたりもしますので、楽しんでいただきたいです。
― 今回ファーストサマーウイカさんが、とても強烈なキャラクターを演じられていますが、美雪のように思いの強い女性はどのように感じますか?
結局は、人間の強い思いや怨念が一番怖いと改めて思いました。それぞれ人によってどういう思いがあるのか、何が恨みになるかは分からないし、自分の知らないところで恨まれたりする可能性はあるのかもしれない。女性に限らず、人の想いを踏みにじってはいけないですね。
― 確かに怖いだけではなく、人の思いなどいろいろ考えさせられる部分もある作品だと思います。猪塚さんから見たこの作品の一番の魅力は何でしょうか?
この作品の中では、美雪が一番怖い対象ではありますが、完全に悪ではない。美雪なりの気持ちや愛があってあのようになってしまったので、死んだ人を蘇らせたい、また会いたいという気持ちは共感できる部分もあるのかなと。ホラー作品ではありますが、美雪の夫への愛、子供のお母さんに対する愛、色んな愛の詰まった物語でもあり、ただ怖いだけではないところがこの作品の一つの魅力だと思います。
― それでは最後に、これから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
ホラー作品というと、つい身構えてしまう方もいらっしゃると思いますが、この作品は怖いだけじゃなく、物語がしっかりしていて思わず笑ってしまう部分もある、凄く楽しめるエンターテインメント作品になっています。ホラーが苦手な方も、ぜひ一度観ていただいて新たなジャパニーズホラーを楽しんでみてください。そして、僕のカッコいい殺陣のシーンもぜひ注目していただければ嬉しいです。
【猪塚健太(Kenta Izuka)】
1986年10月8日生まれ、愛知県出身。主な出演作は、映画「娼年)(18)、『今日から俺は!!劇場版』(20)、『劇場版ポルノグラファー~プレイバック~』(21)、『極主夫道 ザ・シネマ』(22)、『バイオレンスアクション』(22)、『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~」(23)など。映画・ドラマ・舞台ほか幅広く活躍中!U-NEXTドラマ「MALICE」が9月14日より配信開始。
撮影:松林満美
映画『禁じられた遊び』
【ストーリー】
エロイムエッサイム… その言葉は、死者を蘇らせる最凶の禁忌<タブー> 純真な心が生んだ「禁断のあそび」が、いま始まる。
伊原直人(重岡大毅/ジャニーズWEST)が息子・春翔に冗談半分で教えた小さな嘘。
「ねえパパ、トカゲの尻尾を埋めたらトカゲが生えてくるの?」 「そうだよ。でも、ある呪文を唱えないとダメなんだ」
仲睦まじい二人を妻・美雪(ファーストサマーウイカ)が見守っていた。幸せな生活を送る伊原家に、ある日、不幸な事故の報せが届く…。
「――この事故で…伊原美雪さんが死亡しました。」
聞き覚えのある名前を耳にした映像ディレクター・倉沢比呂子(橋本環奈)はかつての同僚・伊原直人を思い出す。
時を同じくして周囲では次々と不気味な出来事が起き始め、その根源を探るため比呂子は伊原家へと向かう。
そこで目撃したのは、母親にもう一度会いたい一心で呪文を唱える春翔と、それに呼応するかのようにうごめく土の山だった…。
蘇った最凶モンスター“美雪”は、比呂子と直人に襲いかかる!
終わらない恐怖の先で果たして、二人は生き延びることができるのか!
原作:清水カルマ『禁じられた遊び』(ディスカヴァー文庫)
出演:橋本環奈 重岡大毅(ジャニーズWEST)
堀田真由 倉悠貴 正垣湊都 猪塚健太 新納慎也 ・ MEGUMI 清水ミチコ
長谷川忍(シソンヌ) ファーストサマーウイカ
監督:中田秀夫(「リング」「スマホを落としただけなのに」「事故物件 恐い間取り」)
企画・プロデュース:平野隆(「スマホを落としただけなのに」「糸」「ラーゲリより愛を込めて」)
プロデューサー:小杉宝 岡田有正 大脇拓郎 田口雄介
脚本:杉原憲明
クレジット:©2023映画『禁じられた遊び』製作委員会
映画公式HP:https://kinjirareta-asobi.jp/
映画公式X(旧Twitter):@kinjirareta_asb
映画公式Instagram:@kinjirareta_asb
映画公式TikTok:@kinjirareta_asb
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