映画『きらきら眼鏡』の初日舞台挨拶が、9月15日、東京・有楽町スバル座にて行われ、主演の金井浩人と池脇千鶴、共演の安藤政信と犬童一利監督が登壇した。
森沢明夫の同名小説を原作に、『つむぐもの』で知られる犬童一利監督の手で映画化された本作は、千葉県船橋市を舞台に、恋人の死を乗り越えられない明海が、余命宣告を受けた恋人を持つあかねとの交流により、死生観と恋愛観を通して成長していく姿を描くヒューマンストーリー。明海役を金井、あかね役を池脇、あかねの恋人・あかねの恋人・木場裕二役を安藤が演じている。
主演に抜擢された金井は、「びっくりしました。頭が真っ白になるとはこういうことかと。自分がオファーをいただいたあとに、お二人(池脇と安藤)が決まって。『マジっすか?』って、うれしかったと同時にプレッシャーを感じました」と当時を振り返る。
そんな金井を選んだ理由について、犬童監督は「ワークショップで会ったとき、雰囲気と目と声がよくて印象が強かったんです。明海役は彼しか考えられなくなったんです」と明かす。
池脇は自身の役について「脚本を読んでるときはいい人だなって思ってたんですが、やっていくうちにこれは嫌な感じにも映るかなって思ったんです。女性たちから小悪魔だよね』『計算ですよね?』とか、『ちょっとイラつく』という意見が出てきて。私も皆さんがあかねをどう思ったか知りたいですね(笑)」とコメント。
安藤は「(裕二が)働き盛りで家族も持っているので、自分とダブったんです。無機質な病院の壁を見て、自分も余命を宣告されたときにどうするんだろうとものすごく考えました」と吐露。そして、「池脇千鶴の芝居が大好き。僕は1日の30%くらいはふざけて生きてるんですけど・・・、ふざけてやったら池脇千鶴に怒られるなと思ってちょっと本気でやりました」と話した。
また、7日に船橋で行われた先行公開の舞台挨拶において、自身の役名をど忘れする大失態を演じた安藤だったが、「先週、忙しくてイライラして舞台に立ってしまって・・・。人間性が出て申し訳ありませんでした」と平謝り。すると、この日は名誉挽回とばかりに場を盛り上げるべく饒舌に。
「昨日の話なんですけど・・・」と話し始めた安藤。「バスに乗っていたら、おばあちゃんが途中から乗ってきて、『登戸に行きたい』って言ってるんだけど、訪ねられたおじいちゃんもちゃんと答えられなくて。バスが高津行きだったので、そこでで降りることになったんだけど、ここで、これは俺の出番だなって思って(笑)。『ここのバス停にこのままいてください。そしたら溝の口駅行きバスが来るのでそれに乗ってください。で、溝の口駅から南武線に乗ったら登戸に行けます』って教えてあげたんです」と話し、会場から拍手が送られる。「そしたらおばあちゃんが『君、いい子だね』って(笑)」とドヤ顔で満面の笑みを浮かべた。
続けて、「おとといの話なんですが、仕事から帰宅したら警察の人が2人来て、『4歳くらいの女の子を俺ん家で匿ってないかって通報が来た』って言われて」と、驚きの発言!「全然そんなことしてないし、ウチの子だし・・・(笑)。そういうイタズラはやめてくれってことを皆さん、発信してください!」と記者たちに懇願し、会場の笑いを誘う。
さらに、「あと、これは、アルマーニのスーツです」と自身の衣装を指差し、「今日のために作ってくれたんです。それも発信をお願いします。アルマーニの人が喜んでくれると思うんで。俺はもう今日は言いたいこと終わりました(笑)」と話し、安藤劇場を展開。
最後に犬童監督が「スタッフ・俳優部のみんなで一丸となって、身も心も大変な思いをして丁寧に作った作品です。劇場を出たあとに皆さんの日常が少しでもきらきらしていたら嬉しいです」と観客に声をかけ、舞台挨拶を締めくくった。
『きらきら眼鏡』
一冊の古本がきっかけで出会った、
それぞれの恋人の死に向き合う男女―。
「最後の1ページまで切ない」と絶賛された恋愛小説、待望の映画化!
「時間って命と同じだから、もたもたしてたら時間切れになっちゃうよ」。恋人の死を乗り越えられずにいた明海は、一冊の古本がきっかけで出会ったあかねから、そう教えられる。いつも前向きで笑顔のあかねは、見たものぜんぶを輝かせる“きらきら眼鏡”をかけているという。だが、彼女もまた余命宣告された恋人の裕二と向き合うつらい現実を抱えていた。過去から立ち直れず、もがきながら生きてきた明海にとって、毎日を輝かせようとするあかねに、次第に惹かれていく―。
「最後の1ページまで切ない・・」と絶賛された森沢明夫原作の恋愛小説「きらきら眼鏡」を『つむぐもの』で高い評価を得た犬童一利監督が映画化。期待の大型新人金井浩人と、多数の名作に名を刻んできた池脇千鶴がW主演を務める。さらに、安藤政信、古畑星夏、杉野遥亮、片山萌美ら旬な共演陣が脇を固める。
■作品クレジット
金井浩人 池脇千鶴 古畑星夏 杉野遥亮 片山萌美 志田彩良 安藤政信
鈴木卓爾 大津尋葵 成嶋瞳子 菅野莉央 大西礼芳 長内映里香 山本浩司 モロ師岡
原作:森沢明夫「きらきら眼鏡」(双葉文庫)
エンディング曲:「Reminiscence〜回想〜」柏木広樹feat.葉加瀬太郎&西村由紀江
監督:犬童一利 脚本:守口 悠介
プロデューサー:相羽浩行 アシスタントプロデューサー:杉浦美奈子 キャスティング:前信介
撮影:根岸憲一 照明:左納康弘 録音:根本飛鳥 美術:吉川都和 助監督:加藤毅
制作担当:尾形龍一 スタイリスト:阪上秀平 ヘアメイク:徳田芳昌 スチール:北島元朗
編集:佐々木弥生 音楽:神村 紗希 音響効果:勝亦さくら
協力:船橋市/船橋ロケーションガイド「ふなばし撮ぉりゃんせ」/勝浦市/勝浦ロケーションサービス/
千葉県/千葉県フィルムコミッション
制作:Chaos Entertainment/「きらきら眼鏡」制作実行委員会
配給:S・D・P
製作: 「きらきら眼鏡」製作委員会/NPO法人船橋宿場町再生協議会
©森沢明夫/双葉社 ©2018「きらきら眼鏡」製作委員会
公式サイト:https://kirakiramegane.com/movie/
有楽町スバル座ほか全国順次公開中