『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 の完成報告イベントが、4月25日、東京・新国立美術館にて行われ、主演の高橋一生をはじめ、飯豊まりえ、長尾謙杜(なにわ男子)、安藤政信と、渡辺一貴監督が登壇した。
相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気漫画家・岸辺露伴が遭遇する奇怪な事件に立ち向かう姿を描いた、大人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」から生まれた傑作スピンオフ「岸辺露伴は動かない」。20年末実写ドラマ化され、そのクオリティに多くの原作ファンが大絶賛した。その制作チームがフランスと日本を股にかけ、劇場長編映画に挑み、フランスのルーヴル美術館を舞台に、荒木飛呂彦初となるフルカラーの読切で描かれた人気エピソードにして映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が完成した。
岸辺露伴を高橋一生、露伴の担当編集・泉京香を飯豊まりえがドラマ版から続投し、青年期の露伴が出会う謎めいた黒髪の女性、奈々瀬役に木村文乃、青年期の露伴に長尾謙杜(なにわ男子)、ルーヴル美術館の調査員であり東洋美術の専門家の辰巳隆之介役に安藤政信、ルーヴル美術館の職員として、日本から来た露伴と京香を館内へ案内するエマ・野口役に美波ら豪華キャスト陣が顔を揃えた。
この日のイベント、現在まさにルーヴル美術館展開催中の「国立新美術館」で行われ、映画の世界観にピッタリな会場となった。
昨日完成したばかりの本作を鑑賞した高橋は「これから自分たちの手を離れて、観ていただくお客様のところへ届くのかなと思うと奇妙な気持ちになります。この作品は非常に奇妙な作品で素敵に出来上がっていると思います」とコメント。
安藤は「僕はフランスのパートに出演しましたが、フランス語の慣れない音と芝居ということもありましたが、その怖さに飛び込んで良かったなと思いました」と充実感を滲ませ、「コロナ禍で海外に行くことがなかなかできなかったので、フランスに行って芝居ができるということだったので、ぜひやりたいと思ったんです」と出演のきっかけを話しつつ、「自分はとっつきづらいから、すでに出来上がっているグループの中に入れるか不安だったが、一生もまりえもそんな自分を受け入れてくれて、めちゃくちゃ嬉しかった。どうしてこの作品が長く続いているのか、愛される作品なのかが分かる。とても懐の深さを感じていました」と、キャストやスタッフクルーたちに感謝していた。
ドラマ「岸辺露伴は動かない」から映画化に至るには自然な流れだったと話す高橋。「ドラマの1作目からかずさん(渡辺監督)と、雑談している中で『そこは、ルーブルの時の撮影にとっておいてください』と冗談を言っていたんです。それがあれよ、あれよという間に2作目、3作目を撮っていって。その流れでなんとなく“ルーブルへ行く”に自然な感じに入っていった感じでした」と明かしていた。
飯豊は「映画化の話になったとき、自分も(フランスに)行けるのか心配で。監督に尋ねたら『フランス語を話せないと行けないかもしれないよ』と言われたんです。お留守番かなと思っていたんですが、無事に行けて良かったです(笑)」と嬉しそうに話した。
監督も「自然に映画化の流れになって、とても不思議な感じがしました。3年前に話していたことが、実際にモナリザ(の絵画)の前で3人で立っていることが不思議でした」と感慨深げ。
一方、露伴の青年期を演じた長尾は、今回の映画から初参加。「原作もそうですし、ドラマシリーズもいち視聴者として楽しませていただいていたので、(出演の)お話をいただいたときは、驚きが大きかったです」と、オファーを受けた時の気持ちを話し、「マネージャーさんから、『長尾くん、“ジョジョ”好きだよね?』と一言だけ言われて台本を渡されたので、凄くびっくりしました。作品に携わらせていただくという驚きがありましたが、実感が湧くにつれて、一生さんが完璧な露伴を演じられているので、少し不安や怖さも芽生えてきて・・・。監督とお話しながら撮影に臨みました。ジョジョの世界観が凄く好きで、その世界観の中に僕も・・・なんて考えがなったので、本当に光栄に思います」と興奮気味に、正直な気持ちを語った。
そして、フランスロケを振り返り、高橋は「撮影のスタッフさんのスタイルが世界共通なんです。音声部の方も美術部の方も(日本と)同じ格好をしているんです。スタッフワールドというものがちゃんと存在していて、それぞれの部署が効率的に動いてくださって。日本のスタッフさんとパリのスタッフさんの皆さんがコミュニケーションを取って、長く打ち合わせをされていたので、僕らはそこに飛び込んでいく感覚でした。素晴らしいプロフェッショナルな仕事を見せていただいて安心してリラックスした中でお芝居ができました。フランスのキャストの方もジョジョらしいアドリブのセリフを入れてくださったり・・・」とフランスと日本のスタッフ、キャスト陣を称えた。
飯豊は「モナリザの前でお芝居できたことが夢みたいです」と微笑み、「凱旋門をバスの中から見るシーンがあるですが、実際に車を止めるわけにはいかないので、何度もバスを走らせて私たちは(バスの)2階でお芝居をしていたんですが、(いい映像を撮るために)凱旋門を50周くらいしてました(笑)」とエピソードを披露する場面も。
また、長尾は日本の地方ロケで自身の撮休のときに高橋の芝居の見学をしたそうで、「一生さんのお芝居を真近で見ることができて、大変勉強になりました」と言い、「でも、『おはようございます』と挨拶しても自分だと気づかれなくて・・・。3回目くらいに(挨拶したら)
て気づいてくださって。スタッフさんと勘違いされていたみたいで(笑)。その時に『あ、長尾さんですか?よろしくお願いします』って言ってくださって。凄く嬉しかったんです。その日に出会えたのは一生の思い出です」と笑顔で回顧。高橋は恥ずかしそうに「その時は普段の露伴ではないときで、まったく周りが見えてない中年だったんです。大変申し訳ないことをしました。まさか、長尾さんが見学に来てくださっているとは思わなかった(笑)」と苦笑いした。
最後に高橋が「起承転結だったり、物語の軸が一本入っているような作品とは一味も二味も違ったような、オムニバスで繋がっているような不思議で奇妙な作品です。ある意味新しいかもしれないが、どこか日本的なところを感じるような映画になっていると思います。これは血脈の物語であって、自分自身に返ってくるような話です。カテゴリー分けのできないような作品。僕が理想としているものが随所に詰まっている素敵な作品になっていると思います」と自信を持って作品をアピールし、イベントを終了した。
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
【ストーリー】
特殊能力を持つ、漫画家・岸辺露伴は、青年時代に淡い思いを抱いた女性からこの世で「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、新作執筆の過程で、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴は取材とかつての微かな慕情のためにフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫「Z-13倉庫」だった。そこで露伴は「黒い絵」が引き起こす恐ろしい出来事に対峙することとなる…
出演:高橋一生 飯豊まりえ / 長尾謙杜 安藤政信 美波 / 木村文乃
原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(集英社 ウルトラジャンプ愛蔵版コミックス 刊)
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
音楽:菊地成孔/新音楽制作工房
人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫
製作:『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』 製作委員会
制作プロダクション:アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S.
配給:アスミック・エース
■コピーライト:© 2023「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」製作委員会 © LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
■公式サイト:kishiberohan-movie.asmik-ace.co.jp
5月26日(金) ロードショー!!