映画『恋する寄生虫』の公開記念舞台挨拶トークイベントが、11月13日、東京・新宿バルト9にて行われ、W主演を務める林遣都、小松菜奈、共演の井浦新、石橋凌と柿本ケンサク監督が登壇した。
本作は、新進気鋭作家・三秋縋の同名ベストセラー小説「恋する寄生虫」を原案に、柿本ケンサクの手で映画化。孤独な 2 人が「虫」によって「恋」の病に落ちていく、臆病者たちの切なく も美しい“恋×虫”ラブストーリー。心の痛みを抱える主人公2人高坂賢吾と佐薙ひじりを演じるのは、本作が初共演 となる林遣都と小松菜奈。また 2 人の運命の出会いに深く関係する重要な役に井浦新と石橋凌が務める。
異色のラブストーリーである本作にちなみ、キャスト陣の意外な一面について問われると、井浦は「遣都くんと二人きりで車に乗るシーンがあって。僕はどうしても彼の笑顔を見たいと思いながらお芝居をしていたんですが、お芝居以外には全くお喋りすることがなかったんです。遣都くん、コミュ障に入っていらっしゃるなと・・・」とエピソードを明かし、「林遣都の壁は厚いです! 僕のほうが年上だから壁を崩さなきゃと思っていたけど、 まったく崩すことができなかった。負けでした」と言って、会場の笑いを誘った。
井浦の言葉に「いや~」とタジタジの林だったが、「新さんは、自分がお仕事を始めた時から見ていた役者さん。以前にご一緒させていただいたときも、ヤバい役作りの役者さんというイメージがあって、いまだに緊張感があります」と述べつつ、「最近、登山に興味があるので、ぜひ今度教えてください!」と井浦の趣味の登山を引き合いに出し、笑顔を向けると「ぜひ!」と嬉しそうに返す井浦だった。
小松は「私は作品のプロモーション活動をご一緒していくなかで、遣都さんの意外な一面を見つけちゃいました!」といたずらな笑顔を見せる。「遣都さん、本を読みそうで読まないんですね。私もあまり読まないほうなので、ちょっと安心しちゃいました。その中でも、遣都さんのお気に入りの1冊がすごく分厚くて。でも、『なんか途中で眠くなっちゃうんだよね』と言ってました」と暴露。林も「たくさん本を買うんですけど、手をつけてないものがけっこうありますね・・・」と苦笑いし「それってけっこうマイナスイメージ・・・」とポツリ。会場を沸かせていた。
石橋も「昔、林くんと親子役を演じたことがあったけど、その時もやっぱり壁は厚かったです(笑)。今日はにこやかですけど」と話に乗っかる。小松については「僕が思いきり力を込めて家を出て行こうとする彼女を止めてもみ合うシーンがあったのですが、リハーサルから手を抜くことをしなかった。意外にも、小松菜奈は屈強で頑丈です」と語ると、小松も「私は頑丈です。大丈夫です」と笑った。
そんな小松を林は「女優さんとしての異色な存在感がある。でも、お話してみると、とってもいい意味で普通の感覚を持った接しやすい方」とコメント。続けて、「異色という意味でも、いつも衣装には驚かされますね。今日も『スター・ウォーズ』に出てきそうなどこかの星の王女みたいで。僕のスタイリストさんが『僕が菜奈ちゃんと並んでかすまないように、負けないように』と言ってました(笑)」と言って、小松を笑わせる。
林が「壁を作ると言われてしまうことの言い訳になるほど、難しい役だった」とこぼす本作。物語に合わせ、それぞれが「これは“虫”の仕業?」と思ってしまうような運命的な出会いを発表。林は「演じるうえで色んなことを整理しながら臨んでいたのですが、メイク時間も台本とにらめっこしていたんです。そこでメイクさんがさりげなくクラシック曲をかけてくださって。凄く集中することができて、メイクが終わったのも気が付かないくらいでした。それがフジコ・ヘミングさんの楽曲で、それからは集中したいときは彼女の音楽を聴いています。コンサートチケットもなかなか取れなくて。でも、今朝偶然にも1席空きを見つけて取ってきました」と新しい出会いに感謝する。
井浦は登山でのエピソードを吐露。「誕生日はどんなことがあっても山に登ることを決めているんですが、今年登山したときは天候もあまりよくなくて周りは(霧で)真っ白だったのに、頂上についたら突然視界が晴れて、とてもいい景色を見ることができ、誕生日のギフトをいただくことができました。偶然というより、必然と言う感じがしました」と目を輝かせていた。
最後に林が「この映画の登場人物たちのように大切なものに目を向けて、身近にあるありがたさ、ささやかな幸せを噛み締めてもらえたら。一緒に生きていきましょう」とメッセージを伝え、舞台挨拶を締めくくった。
『恋する寄生虫』
【STORY】
極度の潔癖症で人と関わることができずに生きてきた青年・高坂賢吾。ある日、見知らぬ男から視線恐怖症で不登校の高校生・佐薙ひじりと友だちになって面倒をみてほしい、という奇妙な依頼を受ける。露悪的な態度をとる佐薙に辟易していた高坂だったが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。世界の終わりを願っていたはずの孤独な2人はやがて惹かれ合い、恋に落ちていくが――。
林遣都 小松菜奈
井浦新 石橋凌
監督:柿本ケンサク
脚本:山室有紀子
原案:三秋縋「恋する寄生虫」(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊)
製作:「恋する寄生虫」製作委員会
制作プロダクション:松竹撮影所
配給:KADOKAWA
©2021「恋する寄生虫」製作委員会
公式サイト:https://koi-kiseichu.jp/
11月12日(金)全国ロードショー