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田中俊介インタビュー! 映画『恋するけだもの』 変身シーンはCGなし!「この映画のエネルギーを浴びまくってくれ!!」

『恋するけだもの』田中俊介様-(6)

白石晃士監督の5年ぶりのオリジナル長編『恋するけだもの』が11月21日(土)より名古屋シネマスコーレ他全国順次公開!!
2018年5月に公開された短編映画、バイオレンス・ラブコメディ『恋のクレイジーロード』が話題となり、各地で上映が続きロングランを記録。今回はその作品をリブートし、長編『恋するけだもの』として、恋も狂気もバイオレンスも超・パワーアップし、新たに誕生した。

主人公・宙也役には前作に続き田中俊介が熱演。内向的な人格と暴力的な人格を見事に演じ分け、キレの良いアクションを見せる。そして宇野祥平とも前作に続きタッグを組み絶妙な空気感を醸し出す。宇野祥平の怪演に負けたくない気持ちで臨んだという彼は、まさに演じることを楽しんでいる様子。

作品への思い、映画に対する熱い思いとは? 今、各方面からオファーが続き大注目の田中俊介さんに話を聞くことができた。

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― 本作は、『恋のクレイジーロード』をさらにパワーアップして長編映画として上映されますが、制作が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

『恋するけだもの』は『恋のクレイジーロード』という作品をリブートという形で制作されました。キャラクターの名前は「中田宙也」なので同じですが同一人物ではなく、世界観は似ているけど前作とは違う内容で作られています。『恋のクレイジーロード』をご覧になった方が、パワーアップした作品として楽しんでいただけると思いますが、続編ではないので『恋のクレイジーロード』を観ていない方も問題なく『恋するけだもの』を楽しんでいただけます。

『恋のクレイジーロード』上映とトークショーで白石監督と全国のミニシアターを回ったのですが、その時にトークの流れで「『恋クレ』の続編とかやる?」「やりたいんですね!」と言っていたら、本当に実現して。まさかこんなに早く実現するとは思いませんでした。それも長編で獣化! 『恋のクレイジーロード』では多重人格の人物を演じましたが、次は獣?って(笑)。台本を読むとめちゃくちゃアクションシーンがあるし・・・。色々なジャンルが織り交ざっていて、白石監督がやりたいことを純粋に映画というもので表現していると感じました。『恋クレ』から引き続き主演をやらせていただけるということで凄く嬉しかったし、とても楽しく撮影できました。

― 白石監督の頭の中を覗いてみたくなるような作品ですね。

そうなんですよ。本当に(笑)。

『恋するけだもの』田中俊介様-(20)

― 冒頭シーンは少しショッキングな映像になっていますが、そこから“けだもの”に変身するまで、宙也の振り幅がとても大きいですね。演じられていかがでしたか?

振り幅が大きければ大きいほど演じていて楽しいです。しかも1つの作品で2つの役をやっているような感じなので、純粋に楽しい。ただ、今回は変身するのですが、その変身過程がキツかった。動かしたことがない体の動きをするんです。撮影はCGを一切使っていないので、目を白目にするのも全部自分でやっています。めちゃくちゃ大変でした。

― え? あの変身シーンはCGではないんですか? それは凄い!

顔の筋肉をいじっているのかな、特殊メイクなのかな?と思われるかもしれませんが、全部僕が体一つで実際にやってます。

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― 俳優としてのご活躍が著しい田中さんですが、演技への向き合い方や思いをお聞かせいただけますか?

僕は映画が大好きなので、ジャンルを問わず見まくってます。作品に参加するには中途半端な気持ちで臨みたくないんです。やるならとことんやりたいタイプなので、しっかり愛情を込めたい。いち映画ファンとしても、そのように取り組む演者のほうが好きです。もちろん役者の皆さんが作品に愛情をこめていると思いますが、技術が高い人は小手先でできてしまうかもしれません。でも、僕が小手先でやろうとしたらたぶんそのままスクリーンに出てしまう。「あ、こいつ、なんとなくこなしてるな」と分かると思うんです。技術がない分、気持ちはちゃんと込めたうえで、今の自分でどう表現できるのかを考え、自分の中の引き出しを開けて挑戦していく。それを『恋するけだもの』でもやりましたし、ほかの作品でもブレることなく守ってやっていこうと思っています。昔から特別に何か変わったことはなく、作品を愛する気持ちを曲げずにやっています。

― 田中さんの作品に対するブレない愛情は、観ている私たちにも伝わってきます。その中でも宙也の役は特に難しかったのでは?

変身するお芝居はこれまでやったことがなかったのですが、監督から狼男をモチーフに制作されたホラー映画『ハウリング』のイメージとお聞きしていたので、今回の変身シーンはイメージできました。でも、実生活で変身することなんてないですからね(笑)。何が正解なのかわからないので、やっぱり変身するシーンが一番難しかったです。その変身が4~5回あるのですが、冒頭シーンの変身で僕の100%を出しちゃったんです。すると、次の変身シーンはそこから超えていかなくてはいけなくなって。もう最後の変身シーンは体がぶっ壊れるんじゃないかと思うほどでした(笑)。変な力が入って翌日は首がめちゃくちゃ痛かったです。

『恋するけだもの』田中俊介様-(27)

― 最初はビックリする変身シーンですが、不思議なことに見ていくうちに「早く変身しないかな」と期待してしまうところもあって・・・(笑)。映画の見方として新しい発見もあるのかもしれませんね。

“ラブストーリー”と銘打っていますが、“けだもの”と“バケモノ”のラブストーリーってどういうこと?ですよね(笑)。僕はこういうジャンルの映画に触れたことのない人たちを巻き込んでみたいんです。それによって映画の見方の幅が広がるのではないかと。この作品を観て、「クソつまんねぇよ」「なんだよ、この映画」も凄くいい感想だと思うんです。それだけ心が動いたということだから。「面白い」と思うのか、「変な映画」と思うのか、はたまた「めちゃくちゃ純愛もの」「キュンキュンした」など、いろんな気持ちになれる映画なので、どんどん皆さんを巻き込んでいきたい。そのためには田中俊介という名前をもっと広げて『恋するけだもの』に引っ張っていきたいと思ってます。僕が出演したドラマを観た人が間違ってこっちに来てくれたら嬉しいですね(笑)。衝撃を楽しんでいただきたいですね。

― そして、宇野祥平さんの存在感も凄いです。共演されていかがでしたか?

宇野さんは大好きな役者さんです。これまでも出演作品を拝見していますし、念願かなって『恋のクレイジーロード』で共演させていただき、今回も共演できて本当に光栄でした。宇野さんは作品の中に見ごとに溶け込む役者さんだと思いますが、今回は特殊な役なので溶け込むというより、その存在感とエネルギーを放つというところで、圧倒されっぱなしです。宇野さんに負けないように立ち向かっていかないと飲み込まれてしまう。「負けたくない! 闘うんだ!」という気持ちで臨みました。本気で目がハートになるし、本当に面白い方です。

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― パワーある作品ですが、田中さんの中で特に印象に残っているシーンはありますか?

アクションシーンはぜひ注目していただきたいです。特にアクションシーン中にかかる曲が印象的で、「お!それ来る?」と僕も驚きました。その曲がかかるのはちゃんと意味があると完成作品を観て理解できました。この映画はこういう映画なんだなと核心に触れた気がしました。

― 『恋するけだもの』というタイトルのように、人は恋をすると“けだもの”のように本心がむき出しになってくるものだと思いますが、人間の本能・愛することの本髄とは何だと考えますか?

永遠のテーマですね。「愛」はいつまでたってもわからないです。この映画について考えてみると、例えば誰かを愛したとしたら、その気持ちは出したほうがいいと思います。たとえその愛が届かなかったとしても、その気持ちを自分の中にしまっているのは勿体ない。この物語では江野祥平は宙也に対して恋してしまい「好きだ」という気持ちを吐き出しまくっていますが、勇気を出して伝えるのは大切。それは恋する気持ちに限りませんが、その出し方は間違えてはいけないなと。昨今ではSNSでも話題になっていますが、何でも吐き出せばいいものではないしモラルは大切ですよね。映画の中では殺すことを片す(かたす)と言っていますが、愛情の裏表を描いていると思います。

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― 続編があったらまた出演されたいですか?

もちろんやりたいです! 楽しいですもん。シリーズ化してほしいですね。宙也と江野をずっと見ていたいです。

― それでは、最後にこれから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

映画館という逃げ場のない空間で、約90分間、エネルギーを浴びまくってくれ!! そのエネルギーでこれまで味わったことのない映画体験ができると思います。ぜひ、この映画をきっかけに映画の世界にようこそ!いらっしゃい!!

【田中俊介(たなか しゅんすけ)】
1990年、愛知県生まれ。映画、ドラマ、舞台など活躍の場を広げる。主な映画出演作に『ダブルミンツ』(内田英治監督)、『恋のクレイジーロード』(白石晃士監督)、『デッドエンドの思い出』(チェ·ヒョンヨン監督)、『タイトル、拒絶』(山田佳奈監督)などに出演。
2020年に公開された『ミッドナイトスワン』(内田英治監督)でもその演技力で大きな注目を集めた。

インタビュー撮影:ナカムラヨシノーブ

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映画『恋するけだもの』
<STORY>
過去を隠して田舎町の工務店で働きはじめた宙也。
内気な彼は決して過去を語らず、クセのある仕事の同僚たちから日常的に暴力を振るわれながら「辞めるなよ」と脅されていた。
そして町では最近、こんな都市伝説が語られていた。
“男が道を歩いていると、関西弁の女装男から「つき合って」と声をかけられ、断ると殺される” ---と。
ある日、宙也に同僚の栞が「一緒にここから逃げよう」と持ちかける。
彼女によれば工務店の人間は人殺しで、宙也もそのうち遊び半分で殺されるという。
お互いに好意を寄せていた二人は町外れのスナックで会う約束をする。
だが、逃亡に気づいた工務店の同僚、社長と風太はすぐそこまで迫っていた。
果たして二人の逃亡は成功するのか……?緊張が高まるなか “女装男” が現れ、宙也に一目惚れしたことから事態は急変、
それぞれの恋が暴走し、ぶつかり合い、血しぶき舞うラブストーリーが幕を開ける!!!!!

<出演>
田中俊介 宇野祥平
上のしおり 木村知貴 細川佳央 大迫茂生 久保山智夏 金子鈴幸
<スタッフ>
監督・脚本:白石晃士
プロデューサー:丸田順悟
協力プロデューサー:相羽浩行
ラインプロデューサー:城内政芳
音楽:森優太
撮影:橋本篤志
照明:鈴木馨悟
録音:日下部雅也
編集:宮崎歩 白石晃士
制作協力:ザフール
制作プロダクション:ダブルフィールド
製作:ダブルフィールド
配給:白石晃士と坪井篤史の映画狂人ロード
クレジット:©︎2020 白石晃士/ダブルフィールド
Twitter:@koikure55

12月4日よりアップリンク渋谷/吉祥寺、12月5日より大阪シネ・ヌーヴォにて公開

田中俊介さん
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