西部劇タッチのバイオレンスアクション&青春群像ラブストーリー!
白石監督、「田中俊介は、けだもの俳優!」と絶賛!
『ノロイ』や『貞子VS伽椰子』、『コワすぎ!』などの手掛ける鬼才・白石晃士監督の、5年ぶりのオリジナル長編『恋するけだもの』が11月21日(土)に名古屋にて先行公開し、12月4日(金)、ついに東京での初日を迎えた!
2018年5月に公開されたバイオレンス・ラブコメディ『恋のクレイジーロード』。18分という短編の自主製作にも関わらず、そのパワフルな面白さが話題となり、各地で上映が続いてロングランを記録!それが今回長編『恋するけだもの』としてリブートされ、恋も狂気もバイオレンスも超・パワーアップ、ポップな装いとなって帰ってきた!主人公・宙也役には前作に続き田中俊介が内向的な人格と暴力的な人格を見事に演じ分け、クライマックスにはその身体能力を活かしたキレの良いアクションを見せる!そしてこちらも前作に続き、唯一無二の個性を発揮する宇野祥平が女装男・江野祥平役を怪演!白石監督×宇野祥平のタッグとして続く“江野祥平(出演時に必ず付けられる役名)” の久々の長編作品でもある。
東京での公開を記念し、12月4日、アップリンク吉祥寺にて初日舞台挨拶を実施し、主演の田中俊介、宇野祥平、白石晃士監督が登壇。本作への想いや撮影秘話を語った!さらにトークの途中には、上のしおり、金子鈴幸が追加ゲストとして登壇し、出演シーンの裏側などを話し、盛り上がった舞台挨拶となった。
本作は白石監督の短編バイオレンス・ラブコメディ『恋のクレイジーロード』(18)のリブート作品。完成した感想について白石監督は「監督としてもリブートした作品です。作品も僕自身もリブートして快進撃を続けていく気がしています」と手応え十分な様子。『恋のクレイジーロード』で多重人格の男を演じた田中は「今回はケモノ化するひ弱な青年を演じています。白石監督とのタッグでない限りは、今後こういった役をやることはないと思います。とても刺激的でした。とにかく撮影が楽しかったです」と満面の笑みを浮かべた。
「(楽しかったけれど)しんどくもあったでしょ?」という白石監督に「しんどいですよ。そりゃあねぇ。4回くらい変身していますから!」と撮影を振り返った田中。白石監督は「実は、普段使っていない筋肉を使ったりしていて、大変なんです」と田中をねぎらう。「一発目の変身で100パーセントの力を出してしまったので……、あと3回(変身シーンが)残っているぞ!と思った記憶があります」と語る田中。白石監督は「仕上がった映像を観た人が、田中くんはコンタクト入れてるの?って訊いてくるほど、いい白目でした」と絶賛。これに対し「生の白目です。特殊メイクではありません」と胸を張る田中。「いい感じに照明も入って、なかなかえぐい白目が出来上がりました。今、なかなかちゃんと白目をむいてくれる役者さんがいないので、田中くんは貴重な存在です」と強調する白石監督。「ケモノ俳優?いや、けだもの俳優です」と話す田中に白石監督が「またやっていただこうと思っています」と次回作のオファーをする場面もあった。
このやりとりを見た宇野は「白目の仕事が増えると思います」とニッコリ。久しぶりの白石監督の長編オリジナル作品となる本作について「まさか長編になるとも思わなかったし、女装するとも思っていませんでした」と胸のうちを明かし、「普段、女性がいかに寒い思いをしているのかを実感しました」と女装の感想を述べた。田中が「寒いし、なんだかスースーする感じがした」と振り返ると、宇野は「(ストッキングの)伝線とかも気になりました。寒かったので2重にしていたけれど、あの動きなので破れるんです。だから、やっぱり寒い!」と女装の苦労を語る。田中は「コンビニでも買えるので、皆さん、ちょっと試してみてください」と促し、会場の笑いを誘った。
ここで、冒頭シーンにて宇野演じる江野祥平に締め殺される金子真行役を演じた金子鈴幸が追加ゲストとして登場。宇野と金子の共演シーンについて田中は「長回しでしたよね。あのシーンで、宇野さんが演じる女装男のキャラクターがしっかり見えたと思います。大好きなシーンです」とコメント。宇野は「あのシーンも寒かった(笑)。朝イチの撮影でもあり、この映画での最初のシーンでもあったので、緊張もしていました。初日は緊張するものですから。何より、金子くんが本気で僕を嫌がっているのが伝わってきました。嫌がっていたよね?」と訊ねると「役ですよ。演技で嫌がるようにはしていました。あくまで役を嫌がっていたんです」と必死に説明する場面も。これに対し、宇野が「普段、監督や脚本をやっているけれど、今回は役者ということで、いかがでしたか?」と演技の感想を求めると、「長回しをやります!とか、ちょっと合わせてみようとか言われたときに、“あ、役者だ、今、役者をやっている”というちょっと変な気持ちになっていました」と振り返る。宇野は「白石監督の作品は長回しが多いからね。いきなり長回しだったもんね」と付け加えていた。
本作での宇野の演技について白石監督は「映画『ヒッチャー」のルトガー・ハウアーに似ている気がしました。そんなイメージで宇野さんが演じてくれているのかと思っていました。僕自身もあの作品が大好きなので、そういう影響がストレートに作品に出ちゃったのかなと感じました」と解説。名作『ヒッチャー』を観た記憶がないという田中に、デジタルリマスター版の上映があることや、DVDも発売されていることを必死に訴える白石監督の姿に、会場から笑い声も。完成作品をまだ観ていないという金子には「お父さん(金子修介監督)と観てください」とうながす白石監督。宇野が「(お客さんは)みなさんもお忙しい中、観にきてくれたのに、まだ観ていないなんて!」とツッコミを入れる場面もあった。
続いて、本作のヒロイン・尾神栞役の上のしおりも追加ゲストとして登場。本日の舞台挨拶が開催されたアップリンク吉祥寺で観た上のの演技が印象的だったと振り返る白石監督は、「死んだ感じの目が素晴らしいと思いました」と感想を伝えると、「もう5、6回褒めてもらっています(笑)。どうやら私は死んだ感じの目をしているんだと実感してきました」と笑顔を見せる。
続けて「現場では緊張していたので、皆さんと人間関係を構築するよりも、セリフを覚えたり、アクションをどう演じるかばかりに気がいってしまいました」と緊張の様子を明かす。出来上がった作品を観て気づいたことがあるという田中は「僕は栞に終始怯えていたので、現場で上のさんをしっかり見ることができていませんでした。中指をたてて、ベロを出してという姿を想像してなくて。あんなことをやっていたんだなって、完成した映像で確認しました」と語り、「あのシーンであんな演技を差し込めるのって本当にすごい!」と上のの演技を褒めていた。白石監督は「上のさんがやっている配信の番組で、あの表情を観たんです。なので現場で、あれやって、みたいな感じでオーダーしました」と解説。暇になったら顔芸する癖があるという上のは「いつものあれやって、みたいなオーダーでした」と恥ずかしそうにうつむく。「え?持ちネタ的な感じなの?」と田中と宇野が驚きの表情を浮かべると、白石監督は「上のさんの良いところは、ハイテンションの”ギャハハハハ”みたいなシーンが、サマになること。薄っぺらくならないのがいいんです。そういうのが似合うのが素晴らしいと思いました」と絶賛していた。
最後の挨拶で白石監督は「作品を観たら、良かろうが悪かろうが感想を呟いてください(笑)。よろしくお願いいたします!」と呼びかけ、イベントは幕を閉じた。
映画『恋するけだもの』
<STORY>
過去を隠して田舎町の工務店で働きはじめた宙也。
内気な彼は決して過去を語らず、クセのある仕事の同僚たちから日常的に暴力を振るわれながら「辞めるなよ」と脅されていた。
そして町では最近、こんな都市伝説が語られていた。
“男が道を歩いていると、関西弁の女装男から「つき合って」と声をかけられ、断ると殺される” ---と。
ある日、宙也に同僚の栞が「一緒にここから逃げよう」と持ちかける。
彼女によれば工務店の人間は人殺しで、宙也もそのうち遊び半分で殺されるという。
お互いに好意を寄せていた二人は町外れのスナックで会う約束をする。
だが、逃亡に気づいた工務店の同僚、社長と風太はすぐそこまで迫っていた。
果たして二人の逃亡は成功するのか……?緊張が高まるなか “女装男” が現れ、宙也に一目惚れしたことから事態は急変、
それぞれの恋が暴走し、ぶつかり合い、血しぶき舞うラブストーリーが幕を開ける!!!!!
<出演>
田中俊介 宇野祥平
上のしおり 木村知貴 細川佳央 大迫茂生 久保山智夏 金子鈴幸
<スタッフ>
監督・脚本:白石晃士
プロデューサー:丸田順悟
協力プロデューサー:相羽浩行
ラインプロデューサー:城内政芳
音楽:森優太
撮影:橋本篤志
照明:鈴木馨悟
録音:日下部雅也
編集:宮崎歩 白石晃士
制作協力:ザフール
制作プロダクション:ダブルフィールド
製作:ダブルフィールド
配給:白石晃士と坪井篤史の映画狂人ロード
クレジット:©︎2020 白石晃士/ダブルフィールド
Twitter:@koikure55
2020年12月4日(金)より公開中!