菅田将暉、ヤン・イクチュンから「好きです」の告白に「後で事務所を通して･･･」 『あゝ、荒野』前編 初日舞台挨拶

映画『あゝ、荒野』前編の初日舞台挨拶が、10月7日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、W主演の菅田将暉、ヤン・イクチュン、共演の木下あかり、山田裕貴、木村多江、ユースケ・サンタマリア、高橋和也と、岸善幸監督が登壇した。

本作は、劇作家の寺山修司が発表した唯一の長編小説「あゝ、荒野」を原作に、現代を舞台に移し、新たな解釈で再構築し映画化。少年院あがりの新宿新次（菅田）と、吃音と赤面対人恐怖症に悩むバリカンこと建二（ヤン）が、共にプロボクサーを目指し友情と絆を育くんでいき、運命の闘いに挑む姿を描く。前編・後編でトータル305分の長編大作だ。

会場が暗くなるとボクシングの試合開始のごとくゴングがなった。“新宿新次“と“バリカン健二”のリングネームで呼び込まれた菅田とヤンは、それぞれ試合のガウンを羽織り、客席後方から登場。大歓声を受けながら壇上にあがると、二人とも「すっげー恥ずかしい！」と大照れ。それでも菅田は「本編では照れずにやってますから」と笑った。

イベントでは、登壇者たちがボクシンググローブ型のYES／NOと書かれた札を持ち、MCからの質問に答えるという企画も。「本作が、こんなに長尺になるとは思っていなかった？」という問いに、NOをあげたヤンは「最初は1本の映画だと思っていた。撮影の途中に前後篇になることを知りました」とコメント。「企画の段階から知っていた」と答えた菅田が、「え？ なんで誰も教えてあげなかったの？　3カ月も撮影してたんだから誰か教えてあげてよ！」とツッコミをいれる一幕も。

続けて菅田は「岸さんは編集が大好きな人なので、これでもだいぶカットしていているんです。全部で70時間以上撮っているんですよ。愛があったから成立した作品」と撮影の裏話を明かすと、ユースケが「それを5時間くらいに。あとの65時間は、どこにいったんだよ！って感じですよ」と苦笑い。それでも岸監督は「本当はあと2時間くらい足したかった・・・」とポツリ。作品への熱い思いを吐露していた。
新次の昔の仲間・裕二役を演じた山田は「自分の中で、役を本当に生きたなと思える作品」と自信をのぞかせ、「駆け抜けた感じがして、数字にすると長く感じるけど、あっという間でした」と撮影を振り返っていた。

また、自分が女の子だとしたら好きなタイプなのは「新次（YES）」か「バリカン（NO）」かと聞かれ、菅田はNO、ヤンはYESと答えて、好きなタイプにお互いを選んだ。
その理由を菅田は「人に騙されたり追い詰められたりという状況の中、新次は人を傷つけることで解決して、バリカンは自分が我慢をすることで解決する人」と前置きし、「そこで、そばにいるのはどっちがいいかと考えたらバリカンかな、と思った」と説明した。一方のヤンは「シャワーシーン」（建二と新次が一緒にシャワーを浴びるシーン）と言ってニヤリ。その理由を聞いて思わず「その話ばっかり！本気じゃねーか！」とユースケ。それでもヤン菅田を見つめて「スキデス！」と告白すると、菅田は「後日ちゃんと事務所を通して、みなさんにご報告できれば･･･」と返し、会場を沸かせた。

さらに、「このメンバーで映画『あゝ、荒野』の続編がやりたいか？」と聞かれると、ユースケだけがNO。「最後まで観ると分かるけど、この映画の続編は無粋」とキッパリ。「ただ、このメンバーは大好きなので、このメンバーで違う作品を撮るなら大賛成ですね」と話すと皆、笑顔に。
菅田が「その後の、ただただ幸せな俺らの姿が描かれるとか、ユースケさんと高橋さんがバリカンと新次をやるとか。ボクシングをしなくても、ゲートボールとかでもいいじゃないですか(笑)」とジョークを交えて意見すると、ユースケが「違う話だよそれ！」と突っこんでいた。

最後にヤン・イクチュンは「観終わったあと、胸がいっぱいになると思います」と作品をアピール。菅田は「この映画に関わった人たち、作品には出ていない人たちの思いも熱かった。それが演出にも影響して、輪みたいものが今の時代にも広がるんだなと感じて、凄く嬉しいです」と感慨深げに語りつつ、「ミニオンだと思って観て、気軽に楽しんでください」とメッセージを伝え、舞台挨拶を締めくくった。

映画『あゝ、荒野』
＜あらすじ＞
かつて、母に捨てられた新次（菅田将暉）は兄のように慕う劉輝と共に詐欺に明け暮れていた。そんなある日、彼らは仲間の裕二らにより襲撃されてしまう。そして2021 年新宿。行き場のないエネルギーを抱えた新次は劉輝を半身不随にした裕二への復讐を誓っていた。一方、同じ新宿で吃音(どもり)・赤面対人恐怖症に悩む”バリカン”こと建二（ヤン・イクチュン）はいつも通り床屋のティッシュ配りをしていると、ひょんなことから新次と共に″片目“こと堀口からボクシングジムへと誘われる。言われるがままボクシングジムを訪れた2 人は、それぞれの想いを胸にトレーニングを始める。新次はボクシングで裕二への復讐を果たすため。バリカンは内気な自分を捨てるため。試合を重ね、徐々に名を挙げて行く新次に対し特別な感情を抱くようになっていく建二。そのさなか、新次は宿敵・裕二との戦いに挑む。一方、バリカンもまた大きな決断を下し、新次との関係が変わろうとしていた…。

出演：菅田将暉、ヤン・イクチュン 木下あかり モロ師岡 高橋和也 今野杏南 山田裕貴 河井青葉 前原 滉 萩原利久 小林且弥 川口 覚 山本浩司 鈴木卓爾 山中崇 でんでん 木村多江 ユースケ・サンタマリア
原作：「あゝ、荒野」寺山修司(角川文庫)
監督：岸 善幸
脚本:：港岳彦 岸善幸
主題歌：BRAHMAN（NOFRAMES recordings/TOY’S FACTORY/TACTICS RECORDS）
制作・配給：スターサンズ
制作プロダクション：テレビマンユニオン
©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
HP：http://kouya-film.jp
twitter: @kouya_film
R15＋

前篇：10.7（土）/後篇：10.21（土）
新宿ピカデリー他 2部作連続公開