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萩原利久、イチオシポイントは「僕のガチ全力走り!」 大久監督「死ぬ気で走ってもらわないと意味がないので」容赦なし! 映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』プレミア舞台挨拶

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映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』のプレミア舞台挨拶が、3月28日、東京・テアトル新宿にて行われ、主演の萩原利久をはじめ、共演の河合優実、伊東蒼、黒崎煌代と、大九明子監督が登壇した。

本作は、ジャルジャル・福徳秀介の恋愛小説「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を原作に、映画『勝手にふるえてろ』(17)、『私をくいとめて』(20)などで知られる大九明子監督がメガホンを取り、実写映画化。大久監督が、恋愛作品としては初の男性主人公の物語に挑戦し、思いがけない出会いから始まった、最高純度のラブストーリーを作り上げた。主人公の冴えない大学生・小西徹を萩原利久、小西が恋に落ちるヒロイン・桜田花を河合優実が演じ、小西のバイト仲間・さっちゃんを伊藤蒼、小西の唯一の友人・山根を黒崎煌代が扮する。

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本作のタイトルにも入り、キーワードとなる”空”をイメージした風船ステージに、観客の温かい拍手に迎えられキャストと監督。
いよいよ公開を来月に控えた本作。あらためて本作に込めた思いを聞かれた監督は「(原作が)どうしても命に向き合わざるをえないストーリーだったので、私もすごく若い頃の痛みや大事な人を失う痛み、成長していくための色んなことを自分の引き出しから引っ張り出しながら、自分も傷つきながら作ったようなところがある。下手くそでいいからそういう“痛み”をきちんと正しく届けたいという思いで作りました」と語る。

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また、劇中には個性的で魅力的なキャラクターが多く出てくるが、萩原は「とにかく“こぼさない”ということを意識しました」と言い、「小西は皆さんとの会話から色んなものを受けて、そこから行動に移していった。皆さんからもらうものが凄く大事な役でした。皆さんが色んな引き出しを出してくださるので、その一つ一つをいかにこぼさずにキャッチできるかということが大事でした」と役と向き合った様子。そして「関西大学さん(のキャンパス)をお貸しいただいて、リアルな学生さん周りにいっぱいいる中で撮影させていただいたので、景色だったり匂いだったり、色だったり・・・全てのところからキャッチして取りこぼさないように、いつも以上に受け皿を大きくする意識は現場中ずっとしていたと思います」と回顧し、「本当にキラキラしてるんです。キャンパスの皆さんが眩しくて。どこ行っても明るい声が聞こえて、一人ひとりが伸び伸びしていて。凄くいいいものをたくさん吸収させていただきました」と、撮影環境にも大きな影響を受け、関西大学の全面的な協力にも感謝する。

監督も「シナリオハンティングでシナリオ書く前にふらっと(舞台になる現場に)行ったときに、“これがあれ、あれがこれ”みたいなことがすごくわかったので、それを全部探すような形でシナリオを変えていきました」と明かす。

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河合は「桜田なりの孤独や抱えているものもありますが、最初は小西から見たヒロインでいいなと思ったので、形から入った感覚です。お団子頭とか、衣装とか、とにかく背筋をまっすぐ伸ばそうとしたりとか、小西から見た印象をすごく大事にしていました。それは、後半から表情も結構変わるので、そのためでもありました」と述懐。

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一方で、伊藤は「“さっちゃん”は明るく、人を巻き込むようなパワーがある子なので、いつも以上に笑顔でオープンでいようと思いました」とニッコリ。実は原作より出番が多いという映画版の“さっちゃん”。現場でも愛されキャラだったようで、「現場のスタッフのおじさんたちから大人気でした」と監督。萩原も「(さっちゃんに冷たく言うシーンのあとには)スタッフの皆さんが冷たかったんですよ・・・」としょんぼり。伊藤も「そうなんです。『小西、本当にひどいよね』って、スタッフさんたちに慰めてもらいました(笑)」と笑い、会場を沸かせた。

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黒崎は「(自分が演じた役は)個性的なキャラクターで・・・。一歩間違えると見るに堪えないヤツになっているかも」と恐れつつ、「一番緊張したのが初号試写のとき。コメディな部部もあるので、原作者の方も観られるということだったので、もう恐怖でしかなかった。でも、『良かったよ』と言ってもられてホッとしました。話し方もちょっとラップ調にしているので、クセになる感じもあるかも。流行ったらいいですね」と、自身の役に胸を張っていた。

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また、それぞれが本作でのイチオシのポイントをフリップに書いて発表することに。「走るシーン」と書いた萩原は、「(平行する撮影車が)尋常じゃないくらい速いんです。これまでも“走るシーン”を撮ることはありましたが、大体は『少し走る速度を落としてください』って言われることが多いんです。でも、この映画に登場してくる“走るシーン”は全然追いつかない。こんなに本気で“走るシーン”を撮ったのは初めてです」とあきれ顔。

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萩原の言葉に、監督は「死に物狂いで走らないと意味がないので。(撮影車にも)『振り切るつもりで走行してください』と言っておきました」と容赦なし。萩原は「ガチの全力走りに注目してください。走るのは好きなんですが、今後のことを考えることがないくらいの全力走りです」と力を込めていた。

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河合は「衣装・メイク」、伊藤は「(犬の)サクラ」と書き、黒崎は「(屋上の天然の)芝生」、監督は「音楽」とし、「伊藤さんにもクラシックギターで演奏してもらったり、劇伴は使わず生々しい音で構成しました」とこだわりを見せた。

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さらに、「出会いと別れ」を描く本作にちなみ、「初めて出会う人に対して心がけていること」を尋ねると、萩原は「話をよく聞くこと」、河合は「自分の興味がること、その魅力や愛せることを探す」と。伊藤は「ほどほどの声量で笑うこと」、黒崎は@無理をしなくていい。時に任せる」と回答していた。

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最後に萩原が「いろんな感想が出てくるかもしれませんが、その全ての感想が100%正解なのではと思っています。その感想を大切にとっておいて、また時間が経ったときにもう一度観ていただくと、また違う感想が出てきたりするものかなと。それがこの作品を長く長く楽しんでいただけることにつながると思います。もう少しで公開するので凄く楽しみです」と笑顔で語り、監督は「この若い俳優さんと、ここには来ていませんがおばあちゃん世代のいろんな人たちと一緒に力を合わせて、命と向き合った映画です。お一人お一人の気持ちにどのように届いたのか、ドキドキしております。ただ、下手でもいいから、この人たちの“存在”というものをもの凄く大事に届けられたらいいなと思わせてくれた作品は、過去にもこれ以上のものはないので、それぞれのことを平等に愛して持ち帰っていただければと思っております」と思いの丈を口にし、舞台挨拶を締めくくった。

『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』
<物語>
思いがけない出会いから始まった、最高純度のラブストーリー
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、運命を変える衝撃の出来事が二人を襲うー。

原作:福徳秀介『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館刊)
監督・脚本:大九明子
出演:萩原利久 河合優実 伊東蒼 黒崎煌代
製作:吉本興業 NTTドコモ・スタジオ&ライブ 日活 ザフール プロジェクトドーン
製作幹事:吉本興業 制作プロダクション:ザフール
配給:日活
©️2025「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」製作委員会

公式HP:https://kyosora-movie.jp/
公式X:@kyosora_movie

4月25日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー