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映画『ラ』主演、桜田通インタビュー! この作品で僕の役者としてのベースができました!

 

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それぞれの「夢」を探していく、音楽青春エンターテインメント映画『ラ』が、いよいよ4月5日より全国順次公開する。本作は、解散したバンドの再結成を目指し、失われた友情を取り戻すため奮闘する音楽青春映画にして、思いもよらぬ展開が待ち受ける“波乱のエンターテインメント”となっている。

劇中バンド「LACTIC ACID」の元ボーカル・慎平を、映画・ドラマ・舞台にて活躍の場を広げ、ミュージシャンとしてもメジャーデビューを果たすなど多彩な才能で注目を集めている人気若手実力派俳優の桜田通が演じる。若き役者達の魂の芝居がスクリーンいっぱいに展開される今作で、物語の中心に立つ彼に話を聞くことができた。
彼の代表作になると言っても過言ではない本作へ強い思い、そして役者としての秘めたる情熱をそっと見せてくれた。

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― まず、この作品の出演オファーを受けたときのお気持ちをお聞かせください。

自分に単館系のような渋い作品にオファーをしてくださった事が嬉しかったです。こういう作品は芝居がしっかりできないと任せてもらえないと思っていましたし、それに伴って責任感も生じます。そこに挑戦できる機会をいただけたことは光栄で、凄くワクワクしました。「ぜひ、やりたいです!」と即答しました。

― 舞台「ロック☆オペラ サイケデリック・ペイン」、映画『EVEN~君に贈る歌~』でもバンドメンバーを演じ、実際に音楽に精通されていらっしゃる桜田さんですが、今作でも冒頭でライブシーンがあります。ライブシーンの撮影はいかがでしたか?

元々音楽が好きで、今も自分で曲を作ってライブを行っているので、ライブのシーンでも気負うことなく撮影に臨むことができました。曲もクボナオキさんが作曲してくださったものに僕が詞をつけました。緊張することなく、慎平として純粋にライブを楽しむことができ、そこをカメラマンさんが上手く撮ってくれたんです。

― とても楽しそうにしていますね。

あのシーンは、慎平が一番幸せだった時なので、本当にイキイキしていると思います。

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― 本作は、ライブシーンから始まり、最後はクラシック音楽が流れます。ある意味、音楽が軸になっているように感じられますが・・・。

そうなんです。あらゆる場面にその時にあった音楽が選ばれている。決して音楽映画ではないのに、音楽の意味合いだったり常に音楽が側面にあるところがこの映画の味ではないかと。音楽がなかったとしても強い作品なんですが、そこに音楽で味付けをすると、ここまでいろんな表現や感情の見え方、登場人物の魅力が変わってくるのかと考えると、改めてモノをクリエイトしていく人たちの音楽の重要性を感じました。凄いバランス感覚だと思います。

― 桜田さんにとって、“音楽”とは?

常にあって当たり前で、一生音楽は嫌いになれないですね。音楽は全世界共通だと思うし、どんなときでも誰よりも一番近くにあるもの。人は会いたいときにすぐに会えるとはいかないけれど、音楽は好きなときに一人で聞くことができる。そして自分で生み出すこともできる。僕にとっては凄く大切なものです。

― 劇中でもギターを抱えたまま寝ちゃっていますね。

もちろん、台本に書かれているシーンではあるんですが、監督から「そのシーンは自由にやっていいよ」と言われて、歌い方も含め特に注文されませんでした。寝転びながら適当に曲を弾くみたいなことは、実際に僕自身も経験していることなので、とても自然に映っているのかと。意外と音楽やっている人の”あるある”だったりするんですよ(笑)。

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― 音楽のお話をしていると楽しいことばかりですが、慎平という役は環境にあわせて感情の移り変わりを表す、とても難しい役だったのでは?

作品に入る前に1か月間くらい共演者たちとリハーサルをしました。そこで、本作台本の1年前のエチュードをやったんです。映画ではバンドが解散するところから始まるのですが、リハーサルではバンドを結成したところから、なぜ解散に至ったのかまでを即興で芝居し、セリフを書きおこしてみたり・・・、何もない白い部屋でひたすら皆で芝居を重ねていったんです。そしてやっと本台本に到達し、そこからが撮影が始まった。撮影前に、台本上の疑問点や不安な部分を取り除き、感情の流れも把握することができたので、本番で演じるときは全く大変だと感じませんでした。むしろ伸び伸びと演じることができました。

― では、リハーサルは大変でした?

確かに苦労しましたが、でもいつも作品に入るときに自分一人で準備する作業を共演者の皆と一緒にできたということは、一人で家でやることよりもっと有意義。いろんな解釈を知ることができ、相手の気持ちもよくわかるので、役者にとっては本当にありがたい環境でした。新しい発見により、いろんな挑戦もできました。

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― 共演者にも若手実力派俳優と呼ばれる皆さんが揃いました。特に福田麻由子さんとご一緒されていかがでしたか?

福田さんは演技が半端ないです! 役への追求が凄くて深く落ちていく感じでした。感情が深い・・・。僕が「怖えよ・・・」と言うシーンがあるんですが、本当に怖いんです(笑)。福田さん演じるゆかりの存在のおかげで、僕が想定していた以上に慎平の感情を引き出してもらえたと思っています。本当に感謝しています。

― また、笠松将さんとの乱闘シーンも迫力あります。

笠松くん演じる黒やんがひたすら慎平を不幸にしてくれていることで、より慎平の未来が活きていく。黒やん役の笠松くんの演技のおかげで、慎平の不幸な部分の余白が広がっていったので、ゆかりと同じく感謝しています。

― あと、朝焼けのシーンもとてもステキです。

あのシーンは、ちょっと大変でしたね・・・(笑)。僕は本来きっちりと用意したいタイプなんです。現場に入る前に全てを構築するから、本番でリアルなものができると思っている。でも、朝焼けのシーンは本当に寒くて時間も限られていて。リハーサルでは泥るんだ地べたで泥を黒やんとかけあったりしたんですが、現場があまりに寒すぎて本番ではスタッフさんが撒いてくれた水が凍ってしまって。(泥を)すくおうと思ったらガラスのようになっていて指が切れそうになっちゃったんですよ(笑)。

― 朝焼けもとても美しいですが、同じ場所での昼間のシーンもあり、その対比が印象的です。

今回、シーンごとに対比しているところがあるので、そこも見どころです。撮影の場所、言葉選びや状況を含めて監督のこだわりを感じられると思います。シリアスなシーンばかりではなく、クスっと笑えるシーンもあります。あと、親子の関係性も映し出されているので、色々な形の愛を感じとっていただけたら嬉しいです。慎平の母親役の西田尚美さんも素晴らしい演技をされていて、この映画の魅力の底上げをしてくださっています。本当に心の優しいお母さんなんです。

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― 慎平の心情を表現するときに意識したことはありますか?

慎平は物語の中心にいながらも、全て感情や起こったことに対して受けとめる側としてその場にいただけ。周りが何かをすればするほど慎平の気持ちが変わっていくんです。僕はただ素直に慎平の気持ちとして返していました。

― まさに慎平を「生きた」という感じですね。

そうですね。お芝居というものではなく、慎平としてその場にいたことをそのままカメラに収めてもらいました。

― 本作に出演して桜田さんご自身が何か得たものはありますか?

しっかり向き合えば、こんなにいい作品ができるんだ!と改めて実感しました。どうしても時間がなくタイトなスケジュールで撮影せざるを得ない作品もあるのですが、そんな中でも少しでも作品を良くしていくためのヒントをもらえた気がします。役へのアプローチの仕方や、共演者の皆さんとどのように協力しあい監督とどんな話をしていくかが、皆が目指す作品になるということを知ることができたので、これから自分が役者というフィールドでやっていく上でベースになった作品になりました。作品を作っていく段階でもとても心地いい状態で有意義な時間でした。僕を知ってもらいたいと思ったら「まず『ラ』を観てください」と言える作品です。

― これから俳優としてどう生きていきたいですか?

世の中が明るくなって究極戦争がなくなっていくことを願っているので、観た人に1%でも何か影響を与えられる役者になりたいです。大きなメッセージを伝えるためにはもっともっと自分を知ってもらう事も大切だと思うので、大きな作品に出ることも必要。でも、大きな作品に流されることなく強い人間にならなくてはいけない。そのために1つ1つ階段を登っていくのですが、その時にこの『ラ』という作品は僕にとって大きな武器になっていくと思います。

― 本当に見どころが詰まった作品になっていますね。それでは最後にこれから本作をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

『ラ』は、本当に“始まりの音”という言葉が合う作品です。これから何かを始めようとしている人、スタートを切ったけれど失敗してしまった人、自分のスタートは何十年も前だという人も、いつでも「始めたい」と思った新鮮な気持ちが、改めて自分の人生のスタートラインを引くことができるんだということを伝えたいです。柔軟な気持ちでこの作品をご覧になって、どんな小さなことでもいいから前向きな気持ちで自分の新しい一歩を踏み出していってもらえたら嬉しいです。

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【桜田通(さくらだどおり)プロフィール】
1991年12月7日生まれ。東京都出身。
大人気ミュージカル『テニスの王子様』の主演に大抜擢され、注目を集める。
2008年『劇場版 さらば仮面ライダー電王ファイナル・カウントダウン』に主演を果たし、『人狼ゲーム』(2014/熊坂出監督)、『orange-オレンジ-』(2015/橋本光二郎監督)、『君の膵臓をたべたい』(2017/月川翔監督)など話題作に出演。
2018年には、『EVEN~君に贈る歌~』(園田俊郎監督)で主演バンドのメインボーカル役を務める。その劇中バンドにて、デビューシングル『アイノウタ』、ミニアルバム『EVEN~君に贈る歌~完全盤』を発売し、メジャーデビューを果たす。近作に、映画『BACK STREET GIRLS -ゴクドルズ-』(2019/原桂之丞監督)ドラマ『パーフェクトクライム』(2019)などがある。4月16日スタートの火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』に出演。

ポスター

映画『ラ』
<STORY>
「ねえ、もっかいバンドやろうよ」
1年前、ある出来事を機に解散してしまった音楽バンド「LACTIC ACID」。
ボーカルだった主人公・慎平(桜田通)はバンド再結成を夢見て、恋人・ゆかり(福田麻由子)から“あるもの”と引き換えに、お金をバックアップしてもらっている。
音信不通だった元バンドメンバーで元親友の黒やん(笠松将)を誘い再結成の夢が動き出し、失われた友情も取り戻していく。だがすっかり変わってしまった黒やんに、慎平は振り回され始める。同じ頃、ゆかりとの関係にも変化が訪れ・・・。
若き3人の男女がぶつかり合い苦悩し、人生の転調を繰り返しながら辿り着く現実とは?

桜田 通
福田麻由子 笠松 将
清水尚弥 キンタカオ 連下浩隆 ヒカルヤマモト 十枝梨菜 一色絢巳 古沢一郎 小野和子
佐津川愛美 ダンカン / 西田尚美
監督・脚本・編集|高橋朋広
音楽|クボナオキ
エンディング|SILENT SIREN「REBORN」(EMI Records/ UNIVERSAL MUSIC)
配給|アークエンタテインメント
© 2018 映画『ラ』製作委員会
2018年/日本語/カラー/120分
公式サイト:http://movie-la.com

2019年4月5日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

桜田通さん
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