10月28日、第29回東京国際映画祭「JAPAN NOW」部門にて『Love Letter』が上映され、主演の中山美穂と岩井俊二監督がトークショーに登壇した。
本作は、岩井俊二監督の長編映画デビュー作。1995年に公開され、日本のみならず韓国や中国などアジア諸国でも大人気となり、今なお愛され続けている作品。小樽と神戸を舞台に、二つの恋を描くラブストーリー。事故で亡くした婚約者へ向けて送った1通のラブレターに、来るはずもない返事が届く。婚約者と同姓同名で、さらに同級生だったという女性のもとに届いた手紙をきっかけに文通を続けるようになる。
公の場に二人が揃って登場するのは約4年ぶり。『Love Letter』の撮影からは約21年経つということで、ファンにとっても感慨深いイベントとなった。
この日、観客とともに本作を鑑賞した中山は「20年ぶりに上映されて、みなさんと一緒に同じ時間を過ごせて、同じ気持ちを共有することができて、今のこの時間がとても幸せです」としみじみ。
博子と樹の二役を演じたことについて、「撮影前はとても不安だったので、監督に『髪型を変えたほうがいい?』と聞いてみたら、『そのままでいいよ』と言われ、ますます不安になったことを思い出します」と苦笑い。「でも、現場に入ったらすごくうまく演出してくださって、緊張感を持ちながら楽しんで演じることができました」と振り返った。
「普通、二役だったら髪型を変えるなどするのでしょうが、もっと内面のところで別人格を作ってほしいと思ったので。まだ若い監督でしたけど、要求が厳しかったですね・・・」と若かりし自身を分析。二人の演じ分けは、「全く私の中のイメージです」と中山。岩井監督は、「先に藤井樹を撮っていって、次に渡辺博子のシーンを撮影する順番でした。藤井樹のシーン撮影現場で、”渡辺博子についてどうしようか”と立ち話をしましたね」と吐露。撮影の天気も偶然だったと言い、撮るべき日に撮るべきシチュエーションになったようだ。
イベントの最後には、客席から流行語にもなったセリフ「お元気ですか?」と中山に投げかけると、中山は「わたしは元気で~す」と、同じポーズとセリフで答え、会場のファンを喜ばせていた。