映画『まる』の公開記念舞台挨拶が、10月19日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、主演の堂本剛をはじめ、共演の綾野剛、小林聡美、吉岡里帆、森崎ウィン、戸塚純貴と、荻上直子監督が登壇した。
本作は、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男が、1匹の蟻に導かれるように描いた●（まる）を発端に、日常がOに浸食され始める奇想天外な物語。
独立する気配も気力も失っている主人公・沢田を演じるのは、『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、27年ぶりに映画単独主演にして新境地を魅せる堂本剛。沢田を取り巻くキャラクターには、綾野剛、吉岡里帆、森崎ウィン、柄本明、小林聡美ら、豪華キャストが集結。監督・脚本は、『彼らが本気で編むときは、』『波紋』の荻上直子が務める。
今作では、主演・堂本剛が「ENDRECHERI./堂本剛」として映画音楽も担当し、「ENDRECHERI.」と「堂本剛」のWネームで、初の映画音楽にチャレンジしている。堂本は「今作はフィルムで撮っているということもあり、仕上がった映画を観て、もうその間が音楽になっているので、音楽をつけなくてもいいんじゃないですか？と監督とお話したんですが、『ここと、ここには音楽がほしい』と言われまして。初めて映画を務めましたが、難易度が高かったのですが、本当に貴重な体験をさせていただきました」と、真摯に語った。
また、劇中の好きなシーンや印象に残っているシーンを聞かれると、堂本は「『売れないアーティストなんかに価値なんかない』というセリフがあるんですが、アーティストとして色んなことを考えさせられましたね」とポツリ。
売れない漫画家・横山を演じた綾野は「横山の『チェンジ・ザ・ワールド』という言葉が（横山）ぽいなと･･･」と笑う。
沢田のバイト先の同僚でミャンマー出身のコンビニ店員を演じた森崎は「ミャンマー人役を演じましたが、今日僕を初めて見た方は、『この人、こんなに日本語喋るのか』って思うかもしれませんが」と言い、会場の笑いを誘いつつ、「『人間、丸くないと』ということばが好き。僕自身も10歳でミャンマーから日本に来て、“生き延びるためには丸くないと”と。角を立てないで優しいというイメージもありますが、生き延びるためにと心がけていたので」と自身の人生と合わせてコメントした。
一方で、ギャラリーのオーナー・若草を演じた小林は「沢田と横山が餃子を食べているシーン」を挙げ、「つい引き込まれて、どこまで行くんだと思いましたね」と荻上の手腕に脱帽。
すると、沢田と同じアトリエで働く・矢島を演じた吉岡も「私も分かりみが強くて！ この映画、大好き！と思いました」と同調し、「もう沢田は堂本さんしかできない」と言い切る。そして「田中は、“もっと頑張れ！”という感じでしたね」と感想を述べると、思わず隣に立つ、戸塚が「すみません」と誤ってしまう一幕も。
そんな、沢田と同じアトリエで働く新人アシスタント・田中を演じた戸塚は、「突然、壁から出てくる足です」と答え、「あんなに近くで他人の足の裏を見たことがないです」とこぼすと、その足の当人の綾野も思わず苦笑い。
監督が「自分を出さない沢田が、アトリエでかろうじて2ミリくら出て『私が沢田です』というシーンですね」と話すと、堂本が「あのシーンのことを知り合いから“志村さんの間”と言われましたね」と明かし、そんなつもりはないんですが、「あたすが･･･」と故・志村けんさんのモノマネをしながらセリフを披露すると、会場は大爆笑となった。
また、〇に夢中になる沢田にちなんで、「いま夢中になっているものは？」と問われたキャストたち。堂本は「あんみつです」と言い、綾野も「黒蜜ってなんであんなに美味しいんのかな」と声をかけると、「（黒蜜が）ステージドリンクでもいいんじゃないかと思っていますよ(笑)」とノリノリに。
綾野は「駅伝」と回答し、「剛さんにもちょっとだけ興味を持ってもらったので引きずりこもうかと思って(笑)」といたずらな笑顔を見せる。
小林は「編み物」、吉岡は「タイで初めて経験した、スカイダイビング」、森崎は「飛行機。それもエアバス380！」と意気揚々に語り、戸塚は「普通のシンプルなラーメン」と、それぞれがハマっているものを吐露し、和気あいあい。
最後に、堂本が「色んなメッセージが投げかけられている映画です。見どころは観客の皆さんに“丸投げ”します。先ほどウィンくんも仰っていましたが、〇（まる）というのは柔らかい、優しい、平和的な印象が強いのですが、この映画の中にある“まる”は非常に“強い”と思います。そんな凛としているプラスアルファーがある。この映画を二度三度、繰り返し観ていくと、心のピントが合っていく不思議な映画だと思います」とメッセージを送り、舞台挨拶を終了した。
映画『まる』
【ストーリー】
人生が転がり始めた男に襲い掛かる、奇想天外な出来事！
心までぐるぐる回り出す、至福の映画体験。
美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなしている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕の怪我が原因で職を失う。部屋に帰ると床には蟻が１匹。その蟻に導かれるように描いた○（まる）が知らぬ間にSNSで拡散され、正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名になる。突然、誰もが知る存在となった「さわだ」だったが、段々と○にとらわれ始めていく…。
出演：堂本剛
綾野剛 ／ 吉岡里帆 森崎ウィン 戸塚純貴 おいでやす小田 濱田マリ
柄本明 ／ 早乙女太一 片桐はいり 吉田鋼太郎 ／ 小林聡美
監督・脚本：荻上直子『かもめ食堂』『彼女が本気で編むときは、』
音楽：.ENDRECHERI.／堂本剛
制作プロダクション：アスミック・エース、ジョーカーフィルムズ
製作・配給：アスミック・エース
●コピーライト：© 2024 Asmik Ace, Inc.
●公式サイト：https://maru.asmik-ace.co.jp
●公式X：https://twitter.com/movie_maru2024
●公式Instagram：https://www.instagram.com/movie_maru
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