今、ハリウッドが注目する鬼才 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督来日!
2017年第89回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、録音賞、音響編集賞の8部門にノミネートという快挙を達成し、見事音響編集賞を受賞した『メッセージ』。各地の映画賞では47受賞、153のノミネートを果たした。この新たな傑作は4700万ドルの低予算ながら、全世界で1億9800万ドル以上の大ヒットを記録。巨大な宇宙船の襲来と地球外の知的生命体とのコンタクトというSFの王道的な設定と、ヒロインの人生の物語という全く異なる2つのストーリーを繊細に絡ませた感動のエンタテインメントとして世界中から絶賛されている。
4月13日、本作のメガホンをとったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が来日し、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて監督登壇のトークショー・イベントが開催された。会場が“映画界を目指す約200人の学生たち”で埋め尽くされるなか、鑑賞直後の興奮冷めやらぬ若者たちの声援と割れんばかりの拍手に迎えられてヴィルヌーヴ監督は登場。本作で“誰も観たことがない”SF的世界観を創り上げたヴィルヌーヴ監督は、『ブレードランナー 2049』(10月27日 日本公開)に続き、『デューン/砂の惑星』の続編の監督にも大抜擢されるなど、ハリウッド映画界で今最も熱視線が送られる人物でもある。集まった学生から見れば“雲の上の存在”とも言えるヴィルヌーヴ監督は、彼らの羨望のまなざしに応えるように「こういう場でトークするのは久しぶりなのでとても楽しみであり、とても光栄です」とあいさつ。さらに続けて「映画の素晴らしいところは、さまざまな文化で受け止められて“作品が旅をすること”です。だから皆さんが本作をどう受け取ってくれたのか?その感想がポジティブでもネガティブでも楽しみです」と、大学時代に映画を学んでいた若き日の自分を思い返しながらエピソードを披露した。
また主人公の母としての決断が大きな感動を呼ぶ本作にちなみ、一昨年に長女を出産した“新米ママ”関根麻里さんもゲストとして登場。本作を鑑賞した感想について「“そういう事だったのか”という驚きと、心と頭に衝撃を受けました。SF作品と聞いていたのですが、どんどんヒューマンドラマに引き込まれていきました」と、監督本人を前にその魅力を熱弁。さらに、「いま1歳の娘がいるんです。主人公ルイーズの“母親としての決断”が信じられないほど衝撃で、感動で胸を打たれました」と、母となったばかりの自分と主人公を重ね合わせつつ “誰も観たことがない感動のラスト”をアピールした。
さらにイベントでは、ヴィルヌーヴ監督と学生たちとのQ&Aも実施された。感動で興奮気味の監督や役者志望の学生たちは、憧れヴィルヌーヴ監督へ自分の存在も徹底アピール。そんな学生たちから「SF映画でどうしたらこんなにも感動を呼べるのか?」と質問が投げかけられると、ヴィルヌーヴ監督は「30年、SFを作るのが夢だった。好きだからこそ、それだけの作品を見つけられるように、“フレッシュなアプローチ”のある作品と出会えるようにと心掛けていました」と持論を伝授。さらに学生から、映画ファン期待の次回作『ブレードランナー 2049』についても質問がおよぶと、ヴィルヌーヴ監督は「今はまだ話せないんだ」と困った表情を見せながらも「実は編集段階まで作品は進んでいる。僕のキャリアの中で最も“野心的な作品”となっているよ」と衝撃的発言。「『メッセージ』と同様に、できる限り実際にセットを作って、俳優に実物に触れてもらいながら撮影したんだ」日本のみならず世界中のファンの期待を煽る、とっておきの秘密も明らかにしてくれた。
ヴィルヌーヴ監督は「僕にとって本作は“美しい物語”。生きることへの祝福と、新鋭な感動を感じて欲しい」と日本のファンに向け“メッセージ”を贈り、まだまだ質問し足りない学生たちの熱気と感動に会場が包まれるなかイベントは終了した。
『メッセージ』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『プリズナーズ』『複製された男』『ボーダーライン』)
脚本:エリック・ハイセラー(『ライト/オフ』)
原作:テッド・チャン(「あなたの人生の物語」ハヤカワ文庫刊)
キャスト:エイミー・アダムス(『アメリカン・ハッスル』『バットマンvs スーパーマンジャスティスの誕生』)ジェレミー・レナー(『ハート・ロッカー』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』)フォレスト・ウィテカー(『ラストキング・オブ・スコットランド』『大統領の執事の涙』)
公式サイト:http://www.message-movie.jp/
5月19日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか
全国ロードショー