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草彅剛、「自分でも知らない自分があった」役と共演者、作品との出会い、愛してくれたファンに感謝! 服部樹咲の成長ぶりに目を細める場面も! 映画『ミッドナイトスワン』ロングラン最終上映御礼舞台挨

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映画『ミッドナイトスワン』のロングラン最終上映御礼舞台挨拶が。6月26日、東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、主演の草彅剛と共演の服部樹咲、監督の内田英治が登壇した。

2020年に公開され、第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞しした『ミッドナイトスワン』が、昨年9月25日には3周年を迎え、ついにこの日最終上映を迎えた。

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草彅は「185週も経っているのにこんなに満席の会場はなかなかないですよね」と、会場を見渡し満面の笑みを浮かべる。撮影を振り返り「冒頭のシーンから覚えていますよ。でも、185週を迎えての舞台挨拶なんて経験ないですからね。何を話したらいいのか、どんなテンションでやればいいのか・・・」と戸惑いを隠せない。

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服部は「お久しぶりです。4年経って、まだこんなに『ミッドナイトスワン』が愛されているということを満席の劇場を見て実感しています。本当にまさかこんなに長い間愛されるものになるなんて当時は夢にも思わなかったので、すごく嬉しく思います」と感無量の面持ちで挨拶した。

今は高校3年生で、来月18歳で成人となる服部に、草彅は「こんなに大人になられて、僕よりも背が高くなっちゃって。本当に嬉しいですよ」とその成長ぶりに目を細める。「樹咲ちゃんからもらった皮のパッチワークの熊のぬいぐるみは、いつも僕の見えるところに飾っているんです。今日は会えて嬉しいです」と再会を喜んだ。

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服部にとっては映画デビュー作品にもなる本作だが、監督は「彼女がオーディションのドアを入った1歩で(役が)決まりましたね」と回顧。

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脚本も手掛けた監督が「自分の書いたものなので、かえってやりやすかった」と話すと、草彅は「それが良かったのかも。ちょっとデリケートな部分もあるので。トランスジェンダーという役柄だったので、僕も本当にドキドキしながらの初挑戦でした。監督の熱い想いみたいなものが、言葉を超えたところで僕もつかめたので本当にいい経験させていただきました」と感謝の気持ちを口にすると、監督も「衣装合わせのときに、草彅さんがもう完全に凪沙になっていましたね」と述べる。

すると、草彅は「僕は普段あまり台本読まないんですけど、この作品はちゃんと読み込みました。最初にこの作品を読んだときに本当に涙が溢れてきて、何の涙かよくわからなかったけれど、自分が流した涙を観客の方に伝えたい作品だなと思ったんです」と振り返り、しみじみ。

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当時は子供で鳩が苦手だったという服部。「新宿の駅前にいる鳩が怖くてその場にすわれなかったんだよね」と監督が話を振ると、「あの頃は怖かったんですが、今はもう大丈夫です。野菜も好きになりました(笑)」とニッコリ。

そんな服部は今、韓国に興味を持っているそうで、いきなり草彅が韓国語で話かける場面も。「韓国語をどうやって勉強しているの?友達がいるの?」と話すと、服部が韓国語で「韓国のドラマを観たり、韓国にも友達がたくさんいるので・・・」とスラスラ会話を続け、草彅もびっくり。「発音がネガティブで! じゃない、ネイティブで!」と服部を絶賛し、「もう世界に羽ばたいていってほしいね。スワンのようにね!」とエールを送っていた。

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改めて、本作のロングランを「多くのファンの皆さんのおかげ。いろんな感想を聞かせていただけて嬉しかったですね」と語る草彅。監督は「香取(慎吾)さんがすぐに『剛くん、現場はどうでしたか?』って目をキラキラして言ってきたんです」と明かすと、草彅も「慎吾ちゃんが凄く感銘を受けてくれて、自分が演技するを辞めようと思うくらい良かった!と言ってくれたんです」と感動しきり。

撮影を振り返りながら、服部は「私は公園のシーンが一番印象的だったんですが・・・」と話し始め、「実は当時はスタッフさんや監督のディレクションをあまり覚えていないんです」と自身の役に入り込んでいたことを吐露。「大人になった今、また監督の現場に入りたいし、草彅さんともまた共演したいです」と今の思いを口にすると、草彅は「余計なものは見ないで自分の役と向き合っていたんだよ、とても素晴らしい」と褒め、「樹咲ちゃんが一果を演じてくれたから僕も本当に凪沙になれた。一果が支えてくれて芽生えてくるものがあった」と述懐し、服部をおもんばかり、服部も「あの時にしかできないお芝居だったなと」と返す。「お互い、その時にしか表せない表現ができて、それを皆さんにたくさん感動していただいて、とても幸せだったね。映画というのは自分の人生においてとても大きなもの。凪沙がいなかったら今の自分はないと思う。この『ミッドナイトスワン』に出会えたから今の自分がいる。グルーブ的にも最高の一部になっていると思うんです」と感慨深げな草彅だった。

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そして、服部は「『ミッドナイトスワン』は女優としてのデビュー作になりますが、(役として演じる)バレエでは集大成でした」と言いながら、感情を押さえきれず大粒の涙を流した。監督も「コロナ禍もあって、気持ちを保つことも大変だったと思います」と言葉を添え、服部を称えつつ「草彅さんも樹咲ちゃんも僕にとって大切な俳優です。いつかまたここぞという作品で一緒にお仕事したいですね」と再会を誓った。

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最後に、草彅が「こんなに長く愛され続けた作品は僕の中では他にないので・・・」としながらも、「もう5年前のことになりますが、自分でも凪沙と言う役をやったんだということが信じられないんです。でも凪沙という役を演じて、自分の中に自分も知らない何かがもしかしたらあるのかもしれないと。それは凄く素敵なこと。自分の可能性とか自分の未来とかを諦めないでもらいたいなと凪沙を通じて思いました。今、何か困っていたり、大変だと思われている方も、自分ですら知らない自分が必ず眠っていると思うので、乗り切れるチャンスは必ずあると思う。この作品を観て、前向きになっていただけたら。今日まで『ミッドナイトスワン』を愛していただいてありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします」と深々と頭を下げ、熱いメッセージを送った。

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映画『ミッドナイトスワン』
<ストーリー>
故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。
ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた親戚の少女・一果を預かることに。
常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。

出演:草彅剛
服部樹咲(新人) 田中俊介 吉村界人 真田怜臣 上野鈴華
佐藤江梨子 平山祐介 根岸季衣
水川あさみ・田口トモロヲ・真飛 聖
監督/脚本:内田英治(「全裸監督」「下衆の愛」)
配給:キノフィルムズ
©2020 Midnight Swan Film Partners
公式サイト:midnightswan-movie.com