1989年に少女まんが雑誌『りぼん』で連載され、1995年にはアニメーション映画が公開され、今なお色褪せない青春漫画の金字塔として歴史に刻まれている、不朽の名作『耳をすませば』。月島雫と天沢聖司の中学生の甘酸っぱい青春時代に、完全オリジナルの10年後の物語も加わって実写映画化。本作では大人になった雫を清野菜名、聖司を松坂桃李がW主演で演じ、平川雄一朗監督の手で新たな『耳をすませば』が誕生する。
このたび、Astageでは、中学生の天沢聖司を演じた中川翼さんにインタビューを遂行! 平川組は本作で3度目の参加となる彼が、名作アニメの主人公に挑戦。夢を追い続ける聖司と自身を重ね合わせ、本作への想いを語ってくれた。
― 最初に『耳をすませば』の天沢聖司を演じることが決まった時の率直なお気持ちをお聞かせいただけますか?
素直に嬉しかったです。『耳をすませば』という誰もが知る作品ですから、どの役でもいいから関わりたいと思いました。天沢聖司役と聞いたときには驚きましたが、とても貴重な経験になるだろうし自分の成長にもつながると思ったので本当に嬉しかったです。
― ”天沢聖司“という全世代の憧れの役を演じるプレッシャーは感じられましたか?
とんでもなくプレッシャーでした。皆さんの憧れの王子様ですし、監督からも『中学生時代の雫と聖司は君たちにかかっているからね』と言われていたんです。撮影に入る前に重ねたリハーサルは毎回大変だったけれどとても濃い時間でした。。
― 今まで多くの俳優さんの幼少期を演じることが多かったと思いますが、今回は中川さんのほうが原作に近い役どころです。演じる上で感覚の違いはありましたか?
平川監督とは何回かご一緒しているのですが、映画『僕だけがいない街』で藤原竜也さんの幼少期を演じたときは「君は“藤原竜也”だから。藤原竜也になれ! 君は29歳だ!」と言われました。でも、今回は松坂桃李になれではなく、「天沢聖司になれ!」と言われました。「聖司だったらこうすると思うよ」という助言も監督からたくさんいただいて。松坂桃李さんに寄せるというよりも、天沢聖司になるということが大事だなと思ったので、皆さんが思っている天沢聖司をどう表現するかを研究しました。
― 中学生の天沢聖司になりきって演じられたとのことですが、映画を拝見するととても松坂桃李さんと雰囲気が似ているように感じます。特にチェロを演奏している姿がよく似ていますね。
よく言われます(笑)。嬉しいです。きっと僕が思う天沢聖司と松坂桃李さんが思う天沢聖司が重なっていたからだろうなと。でも実際は、大きなチェロは構えるだけでも難しかったです。松坂さんは本当に上手だったんですけど、僕は腕の使い方もなかなか習得できなくて結構時間がかかりました。
― 演じる上で難しかったこと、苦労した点はありますか?
雫を自転車の後ろに乗せて展望台まで登っていくシーンは大変でした。周りのスタッフさんから「(雫を演じる安原琉那さんを)危ないから絶対に落とすなよ!女の子なんだから絶対に落とすなよ!」とプレッシャーをかけられて(笑)。一生懸命漕いで頑張ったのですが、結局途中までしか登れなかったんです。そこで監督から「松坂桃李は一番上まで登っていたけどね」と言われて、比べられて悔しかったです(笑)。
― 自転車を漕いでいる時の頑張っている顔は素なんですね。
はい、素です(笑)。
― これまでジブリ作品を観て育ってきたという方も多いと思いますが、中川さんが一番最初に観たジブリ作品は何ですか?
最初に観たのは『となりのトトロ』か『崖の上のポニョ』のどちらかだったと思います。『猫の恩返し』も印象に残っていて、それが後に『耳をすませば』と繋がって雫が書いた作品だということを知ったときは衝撃的でした。
― 原作は時代が違いますし、アニメも27年前の作品です。中川さんの世代でも惹かれるところがあるのでしょうか?
僕は結構レトロなふれあいというか、文通とか手紙を渡して恋をしていく様が凄く好きで本当にキュンキュンしちゃいます。とても魅力的に思います。
― 同じ天沢聖司を演じた松坂桃李さんとお話をすることはありましたか?
4人の演奏シーンでしか一緒になることがなかったので、役について特にお話しをすることはなかったのですが、僕が本当に緊張していたので松坂さんが「清野さんがめっちゃゲーム上手いから後でやろうよ」と誘ってくださって。時間が合わず一緒にやることはできなかったのですが、他愛もない話で和ませてくださいました。
― 平川監督とは今回で3作目ということですが、監督は以前から「頑張れ!頑張れ!」と発破をかけてアプローチしていくタイプでしたか?
僕のデビュー作品となる映画『僕だけがいない街』では、夏休みに毎日稽古がありました。平川監督にはそこで厳しく鍛えていただきました。その後もドラマ「わたしを離さないで」でもご一緒させていただいたのですが、平川監督の演出回ではないときにも読み合わせをしてくださる機会がありました。とてもありがたい貴重な経験ですし、そのことがあったからこそ今ここにいることできるんだと今は考えられるのですが、その頃の僕は怖い印象しかなくて、当時はギャン泣きでした。泣くシーンでもないのにボロボロ泣きながら読み合わせをするくらい、監督が前に立っているだけで怖かったです(笑)。今は、怖いというよりも、自分では気づけないことを指導していただけるのはありがたいことだなと嬉しく思っています。
あと、雨が降って撮影できなかった日には「ちょっと出かけよう」と言って、一緒にいた母と、共演の鈴木梨央ちゃんとお母さんの5人でドライブに連れて行ってくださって。何かお父さんみたいな感じでした(笑)。本当に自分のことを想ってくださっているんだなと感じることがよくありました。
― 映像も美しく、とても素敵なシーンがたくさんありますが、中川さんが特に好きなシーンかはありますか?
クランクアップが雨の中で雫に傘をさしてあげるシーンだったのですが、初めて撮影で“雨降らし”を経験したんです。そのシーンはとても印象に残っています。雫役の安原さんと一緒に全身ずぶ濡れでクランクアップの写真を撮りました(笑)。あとは、原作とアニメを忠実に再現している「地球屋」。レトロな空気感を体感できて嬉しかったです。
― 天沢聖司を演じてみて、ご自身と似ているなと思ったところはありますか?
陰で努力して、頑張っている姿を表に出さないところや、好きな人の前ですごく強がっちゃうところなど、共感する部分が多かったです。僕もちょっと強がって思っていることと反対のことを言っちゃって、マズい結果になるというということはあるかも (笑)。そんな歯がゆい聖司の姿もぜひ観てほしいです。
― また、今作では杏さんが歌う「翼をください」が主題歌になっています。中川さんも“翼”というお名前。俳優として大きな翼を広げているところだと思いますが、今の夢を教えていただけますか?
ホラー映画に挑戦してみたいです。映画『IT/イット』とか、めちゃくちゃ怖いんですけど、ホラー作品に出演することが今の目標です。
― ホラー作品を観るのは大丈夫?
全然ダメです(笑)。友達が「これ、全然怖くなかったよ」という映画でも見れないんです・・・。お化け屋敷も苦手で、誰かの背中に隠れながらだったらなんとか行けるかなというくらいビビリで・・・。その怖さを克服できたら、また一つ羽ばたけるかもしれません(笑)。
― これから公開に向けて、今の心境はいかがですか?
とても人気がある作品なので色んな意見があると思いますが、僕は純粋に中学生の甘酸っぱい恋をしている姿を楽しんでほしいなと思っています。皆さんの期待を裏切らない天沢聖司になれていたら嬉しいです。
― それでは最後に、これから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。
この映画は、音楽に魅了される作品でもあります。チェロの楽曲、チェロを弾いている姿、そして最後に杏さんが歌う主題歌「翼をください」が流れた時は凄く感動しました。音楽は言語を超えて世界中どこでも伝わるし、いろんな人が楽しめるもの。恋をしている姿と音楽をぜひ映画館で楽しんでいただけたら嬉しいです。
【中川 翼・Tsubasa Nakagawa】
2005年生まれ、神奈川県出身
主な出演作に、『アイネクライネナハトムジーク』(19/監督:今泉力哉)、浅田家!』(20/監督:中野量太)、ドラマ「青のSP-学校内警察·嶋田隆平一」(KTV/21)、『Arcアーク』(21/監督:石川慶) 、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)など。21年には映画『光を追いかけて』(監督:成田洋一)で初主演を務めた。
映画『耳をすませば』
<ストーリー>
読書が⼤好きで元気いっぱいな中学⽣の⼥の⼦・⽉島雫。彼⼥は図書貸出カードでよく⾒かける、ある名前が頭から離れなかった。天沢聖司―――全部私よりも先に読んでる―――どんなひとなんだろう。あるきっかけで“最悪の出会い”を果たした⼆⼈だが、聖司に⼤きな夢があることを知り、次第に惹かれていく雫。聖司に背中を押され、雫も⾃分の夢を胸に抱くようになったが、ある⽇聖司から夢を叶えるためイタリアに渡ると打ち明けられ、離れ離れになってもそれぞれの夢を追いかけ、また必ず会おうと誓い合う。
それから10年の時が流れた、1998年。雫は、児童書の編集者として出版社で働きながら夢を追い続けていたが、思うようにいかずもがいていた。もう駄⽬なのかも知れない―――そんな気持ちが⼤きくなる度に、遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、⾃分を奮い⽴たせていた。⼀⽅の聖司も順⾵満帆ではなかった。⼾惑い、もどかしい⽇々を送っていたが、聖司にとっての⽀えも同じく雫であった。
ある⽇、雫は仕事で⼤きなミスをしてしまい、仕事か夢のどちらを取るか選択を迫られる。答えを⾒つけに向かった先は―――。
出演:清野菜名 松坂桃李
⼭⽥裕貴 内⽥理央 / 安原琉那 中川翼 荒⽊⾶⽻ 住友沙来
⾳尾琢真 松本まりか 中⽥圭祐 ⼩林隆 森⼝瑤⼦ / ⽥中圭
近藤正⾂
原作:柊あおい「⽿をすませば」(集英社⽂庫<コミック版>刊)
監督・脚本:平川雄⼀朗
⾳楽:髙⾒優
主題歌:「翼をください」杏(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松⽵
撮影期間:2020年3⽉〜4⽉(第1期)、2020年7⽉〜8⽉(第2期)、2021年10⽉(第3期)、2022年5⽉(第4期)
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/mimisuma-movie/
公式SNS Twitter:https://twitter.com/mimisuma_movie
公式instagram:https://www.instagram.com/mimisuma_movie/
©柊あおい/集英社 ©2022『⽿をすませば』製作委員会
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衣装クレジット:
アイテム名¥プライス/ブランド名(問い合わせ先)
・シャツ ¥30,800/ウィザード(ティーニー ランチ)
・パンツ ¥31,900/ユハ
・靴 ¥30,800/ペダラ(アシックスジャパン株式会社 お客様相談室)
※全てプライスは税込み価格になります。
他スタイリスト私物
◎問い合わせ先
・ティーニー△ランチ
東京都渋谷区神宮前2-24-4 里見ビル2F
(03-6812-9341)
・ユハ
(03-6659-9915)※住所非公開
・アシックスジャパン株式会社□お客様相談室
東京都江東区新砂3-1-18
(0120-068-806)
スタイリスト:小林美月
ヘアメイク:Emiy(エミー)
撮影:ナカムラヨシノーブ