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『MINAMATAーミナマター』ジョニー・デップ&アンドリュー・レヴィタス監督記者会見

ジョニー・デップが日本を描く!
キャリアの全てをかけて伝える世界への警告と希望の光

タイトル

MINAMATAから感じて欲しい
今この時代に必要なのはとてもシンプルなこと
「他人を思い、助ける。」

『MINAMATA−ミナマタ−』
ジョニー・デップ&アンドリュー・レヴィタス監督記者会見(オンライン)

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熊本県水俣市のチッソ水俣工場による工業排水を原因とし、現在まで補償や救済をめぐる問題が続く日本における“四大公害病”のひとつ水俣病。その存在を世界に知らしめたのが、写真家ユージン・スミス氏とアイリーン・美緒子・スミス氏が1975年に発表した写真集「MINAMATA」だ。ジョニー・デップ自身が長年の憧れだったと語るユージン氏。
彼の遺作ともなったこの写真集を基に、ジョニー自身の製作/主演で待望の映画化が実現した。映画では、報道写真家として功績を評価されながらも心に傷を抱えたユージン氏が、当時の妻アイリーン氏とともに水俣を訪れ1971年から1974年の3年間現地で暮らし、人々の日常や抗議運動、補償を求め活動する様子を何百枚もの写真に収めていく濃密な日々がドラマチックに描かれる。本作の予告編が日本で解禁されるや否や、ユージン・スミスにそっくりなジョニーの姿が話題に。「本物そっくり!」「ジョニー・デップの本気を見た」 「完全に役になりきっている」 といった声が上がっている。共演はビル・ナイ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子、など実力派キャストが集結。音楽を手掛けたのは坂本龍一。

9月2日、ジョニー・デップとアンドリュー・レヴィタス監督を招き、オンライン記者会見を開催。水俣病の物語を「正しく」伝えたいと製作・主演を務めたジョニー・デップと、その願いを引き受け、本作を作り上げたアンドリュー・レヴィタス監督。映画への想いや世界に伝えたいメッセージについて語った。

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マスコミが登場を待ち侘びる中、リラックスした表情でスクリーン上に姿を現したジョニー・デップとアンドリュー・レヴィタス監督。初めにジョニー・デップより「お集まりいただきありがとうございます。そしてこの作品に関心を持ってくれてありがとう。世界中が厳しい局面を迎えている中、この与えられた環境でベストを尽くしたいと思います。」と挨拶。

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続いて監督から「日本が大好きで、日本を舞台とするこの映画を作れたことに感謝の思いを持っています。この映画が日本で公開されることによって、サポートが必要な人にその支援が広がっていけばと思います。」と、それぞれ感謝の気持ちを述べた。主演だけでなく、プロデューサーとして本作に携わっているジョニー。なぜこの映画に参加しようと思ったのか尋ねられると「この作品に参加することに迷いはありませんでした。なぜならこれは作られるべき、日の目を見るべき映画だと思ったからです。今の時代、映画が作られること自体が奇跡だと思います。スタッフのみんなが映画の完成に向けて全力で取り組んでくれました。」とし、「伝えたいのは、この作品がいかに大事なストーリーかということです。多くの人が苦しみ、今も世界中で同じことが繰り返されています。そして今私たちはウイルスと戦争をしている状況です。見えない敵と戦っている。そんな今の時代に観てもらうべき作品です。」と映画に対する強い気持ちを熱く語った。

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続いて、どのような思いでこの作品の監督を務めたか尋ねられると、監督は「ジョニーと会ってすぐ、同じメッセージを共有しました。それは、これが作られるべき映画だということです。ユージン・スミスというアーティストの目線を通して、真実を伝えるという作業はとてもワクワクする経験でした。」と打ち明けた。日本からも豪華キャストが集結している本作。彼らと共演した感想を尋ねられるとジョニーは「日本の俳優の皆さんは才能に溢れる方々でした。全てにおいて期待した以上のことを提供してくれました。例えば真田広之さんは集中力を失わない人。内的に自分を見つめるという俳優としての仕事をこなしていることに感動を覚えました。また美波さんは、自身が演じたアイリーンさんに敬意を示し、彼女の勇気を讃える演技をしてくださいました。」とその演技を称賛した。

映画のヒロインのモデルとなったアイリーンさん本人が本作を鑑賞し「本物のユージンとジョニーが重なるところがあった」と語るほど、ユージン・スミスそっくりのジョニーが話題となっている。ユージン・スミスを演じたことについて、ジョニーは「特別な作品を作っているという自覚がありました。ユージン・スミスの生きてきた証、成し遂げてきたこと、それらを演じることに責任を感じました。」とその心のうちを明かし、さらに監督が「ジョニーにはユージンと似ている部分がある。2人の目にはいつも希望の輝きがある。」とジョニーとユージンについて述べた。

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映画の製作時と完成した現在。世界が急激に変化する中で、本作に対する気持ちや考えに変化があったかどうか尋ねられるとジョニーは「映画の製作の前後で世界は変わったが自分の中にある情熱はさらに強まりました。」と語り、続けて「大切なのは困っている人が隣にいたら助ける、本当はとてもシンプルなことです。」と呼びかけた。

最後に日本での公開に向け、メッセージを求められると監督は「この映画がみなさんを触発し、その想いが広く届いていけばと思います。世界中で起きている問題の解決策は実は自分たちの中にあります。人々の利益を考えて行動していきましょう。」と述べ、さらにジョニーは「この作品を気に入っていただけたら、楽しんでいただけたら嬉しいです。少しでも何か心に触れる部分があればと思います。そして水俣の人たちが経験してきたことを思い起こして欲しいと思います。それはみなさんの近くにもあることです。誰かを助けることはできないか、何かできることはないか、1日数分でもいいから他人に思いを馳せて欲しいです。」とメッセージを残し、記者会見は終了した。

◆本予告

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【ストーリー】
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀におかされ歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側──そんな光景に驚きながらもシャッターは冷静に切り続けるユージンは、チッソの社長からのネガを大金で買うという申し出を拒否したために危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。

ウィリアム・ユージン・スミス(1918-1978)
1918年12月30日、アメリカ・カンザス州ウィチタ生まれ。世界的写真家集団「マグナム・フォト」の正会員。太平洋戦争において、サイパン、沖縄、硫黄島で戦場カメラマンとして活躍。戦後は一般の人々の生活を捉えていき、「ライフ」誌で発表した「楽園へのあゆみ」、「カントリー・ドクター」、「スペインの村」、「助産師モード」などのフォト・エッセイは世界的評価を得る。52歳の時に当時の妻アイリーンと水俣市に移住。3年間水俣市に暮らしながら水俣病の問題を取材し、1975年、アイリーンとの連名による写真集「MINMATA」がアメリカで出版され、世界中で大反響を呼んだ。翌年、ロバート・キャパ賞を受賞。1977年末、死去。享年59歳。写真集「MINAMATA」がスミスの遺作となった。

製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス
脚本:デヴィッド・ケスラー
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子and ビル・ナイ
音楽:坂本龍一
作品コピーライト:© 2020 MINAMATA FILM, LLC
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch
原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子
公式サイト:https://longride.jp/minamata/

9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開