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桐谷健太インタビュー!映画『ミラクルシティコザ』「過去と今は確かに繋がっている、自分の知らない沖縄がそこにあった」

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(19)

日本復帰前の1970年と現代の沖縄を描いたタイムスリップ・ロックンロール・エンターテイメント『ミラクルシティコザ』が只今絶賛公開中だ!

1970年代のコザで米兵を熱狂させていた伝説のロックミュージシャン、主演のハルを演じたのは桐谷健太。大好きだという沖縄での撮影に心躍らせながらも「自分の知らない沖縄」に触れたという彼が感じたものとは? 本作への想いと共に語ってもらった。

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(13)

― まず、本作への出演の決め手を教えていただけますか?

事務所から連絡があった時に、ちょうど海にいたんです。海を見ながらその電話に出て「沖縄の映画のオファーが来たよ」と聞いたときに、「いいな、この感じ!」と、ピンときたんです。

― 実際に出演されてみていかがでしたか?

もう本当に、めちゃくちゃ楽しかったです。現場も楽しかったし、撮影してない時間も楽しかった。映画は皆さんに観てもらってなんぼという部分はもちろんあるんですが、自分が楽しいからOK!みたいな気分になりましたね(笑)。とにかく撮影しながらすごく楽しかったっていうのは大きかったです。どれだけの方が観てくださるかという前に、自分が充実して撮影できたかということが俺にとっては凄く大切なことなんです。

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(36)

― 沖縄の人たちに囲まれて、沖縄の土地に触れたということも大きかったのでしょうか?

それは凄く大きかったです。みんな本当にピュアですし、沖縄はもともと好きな場所だったので、仲間ができたという感じがします。また行きたいです。

― 沖縄にもいろいろ素敵な場所がありますが、今作では“コザ”という街にフューチャーしたことに何か感じるものはありましたか?

沖縄の映画と聞いたら、まず浜辺に海に青い空と、そこでの家族の物語・・・みたいなイメージがありますが(笑)、”コザ“という凄いところに来た発想も面白かったです。自分が知らない沖縄がそこにあったので新鮮でしたし、とても魅力的でした。

― 本作では音楽も見どころの一つかと。音楽好きの桐谷さんにはとても刺激的だったのではないでしょうか?

そうですね。自分も音楽をやらせていただく機会が多いのですが、「沖縄ロック」というものがあることを僕も知らなかったんです。米兵相手に命がけで音楽をやっていた人たちの話に興味が沸きました。普通のライブだったら、自分たちのファンの人たちが来てくれると思うのですが、同じ島なのに彼らは超アウエーにいるわけです。この作品はそこで戦っていた人の話。そこから感じる音楽であったり、ハルの人間性の衝撃が大きかったです。

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(45)

― 実際に桐谷さんご自身でも歌われていらっしゃいますが、いかがでしたか?

ラップのところ以外は全部同時に撮影しているんです。普通は、撮影前にスタジオでレコーディングをして、それを現場で流して歌うというやり方がけっこう多いのですが、監督も臨場感が欲しいと仰って。その場の緊迫感とオーディエンスの盛り上がりが凄くて楽しかったです。録音部さんたちの“生で録りたい”というこだわりが生きているシーンでもあるし、一発でしか出ない何かが出ていると思います。

― 日本でありながらここはアメリカなのか、日本人なのか、アメリカ人なのか・・・この映画にはあらためて気づくことが多いかもしれません。そんな環境の中で翔太が入り交じる役を演じる難しさはありましたか?

(津波)竜斗演じる翔太の方が先に撮影が始まっていたので、翔太がどんな感じで話すのかというフィジカルな部分は、竜斗の喋りを見てマスターしました。あとは翔太がタイムスリップしたときにどうなるのかは自分が感じた中で作っていきました。毎回現場に竜斗がいてくれたので、「竜斗だったらどんな感じにする?」「どんな感じの座り方がいいかな? 俺だったらこう思うんやけど」というようにディスカッションしながら役を作っていくことができたのも面白かったですね。竜斗は俺と歳も離れているし、俺のことを前から知っていてくれたそうで、そんな俺がめっちゃ自分に相談してくるので、その経験が新鮮すぎた!と言ってました (笑)。
ハルという人間は肝の据わった男でみんなから頼りにされているというところは、自分のイメージや、その時代の資料を読み、膨らませていましたが、特にこの役に芯を一本ズバッと通してくれたのは、実際に演奏していた紫のチビさんの話を聞けたことですね。

― 翔太とハルの中にご自身と共通するものは感じられましたか?

絶対どこかに共通点はあるし、でも全然違うところもあると思います。ただ、50年前にタイムスリップしたら、自分もパニックになるでしょうね(笑)。ハルの想いはやっぱりそこにいた人たちにしかわからないと思うんです。そこはチビさんの話や自分の中で作ったイメージを膨らませて、翔太は自分の前に翔太役の人間がいるので、そこにリンクしていった感じ。自分の中で共通点を探したというより、そっちに行ったという言い方のほうがいいかもしれません。共通点を見つけると、どちらかというとこちらに引き寄せるところがあると思いますが、今回はそうではなかったですね。

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(69)

― もともと翔太役の津波さんと桐谷さんのビジュアルは全然違うと思うのですが、映画を観ているとだんだん似ているように見えてきます。

他の方にも言われました(笑)。それは凄く成功したと思っています。

― この映画は、自分の人生で何かやり残したことがあったかな?と振り返るきっかけにもなるかもしれません。桐谷さんご自身がこの映画で感じられたことは?

この現場がとても素敵だったので、“この感じ大切だな”と思いました。大好きな沖縄だったので、余計に感じたかもしれませんが。これまでも色々な過去の出来事があるわけですが、その見え方は人それぞれ。でも、過去があったから、その人たちがいて今の自分たちがいるんだという実感を得ることができました。いまコザに行ったら、その時代の頃とはすっかり変わってしまっているんですが、やっぱりなんとなく空気感は染みついてるんです。だから、50年前をちょっと見てみたいなと思うんですよ。実際にそういう人たちがここで歩いてて、喧嘩やら怒号やらドラッグとかがあって、バンドマンがいて・・・、濃いですよね(笑)。いまのコザを見ても信じられないけれど、それでもやっぱり繋がっているんだなと凄く感じました。

― 今でも実際に活動されている方たちもいらっしゃるとか?

そうなんです。やっぱり繋がっているんですよね。

― それでは最後に、これから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

ロックンロールエンターテイメントって謳っているように、本当に心があって、楽しく観られて、沖縄の思いも感じられる作品になっています。よかったら力を抜いて観てていただけたら嬉しいです。

映画『ミラクルシティコザ』桐谷健太さん/Astage-(77)

【桐谷健太 Kenta Kiritani】
1980年2月4日生まれ 大阪府出身。 2002年テレビドラマ「九龍で会いましょう」でデビュー。2007年テレビドラマ「ROOKIES」の平塚平役で知名度を高める。主な出演作として、 映画「クローズ ZERO」「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」「火花」、ドラマ「4分間のマリーゴールド」「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」「俺の家の話」がある。2013年より歌手としても活動を開始。
auのCMソング「海の声」で第58回日本レコード大賞優秀作品賞受賞及び第67回 NHK 紅白歌合戦初出場を果たす。

ヘアメイク/石崎達也
スタイリスト/岡井雄介

撮影:ナカムラヨシノーブ

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■伝説のバンド‘紫’の全面協力!
1970年、日本復帰前の沖縄にて結成。1975年大阪万博記念公園に於ける野外ライブで圧倒的なライブ・パフォーマンスを見せつけ、「紫」の名前は一躍全国へ。翌年には1stアルバム「MURASAKI」、立て続けに2ndアルバム「IMPACT」を発表し日本のロック史に風穴を開けた。当時の人気は凄まじく、1977年の音楽誌「ミュージックライフ」では、国内グルーブ部門で1位を獲得するほどだった。
「ミラクルシティコザ」では、ジョージ紫を筆頭とするメンバーが、ストーリーに共感し、代表曲を提供し、劇中で登場するバンドのライブ音源を新たにレコーディングした。劇伴音楽はベーシストのChrisが担当。ボーカリストのJJは、印象的な役どころでの出演も果たした。脚本執筆にあたり、1970年当時の「紫」が体験した破天荒なエピソードが脚本に盛り込まれている。そして当時のライバルバンドであるコンディション・グリーンの楽曲も採用されている。

◆映画『ミラクルシティコザ』
<ストーリー>
ロックスターだったハルが、孫に託した、最後の夢。
沖縄市コザ、かつては隆盛を極めた街だが、現在ゴーストタウンの一歩手前!? そこで暮らす翔太は、特にやりたいこともなく、惰性な日々を過ごしていた。彼にはちょっと変わった祖父(ハル)がいた。ハルは、かつて、べトナム戦争に向かう米兵たちを熱狂させた 伝説のロックンローラーだった。ある日、自慢の祖父ハルを交通事故で亡くし、失意の翔太の前に現れたのは、なんと死んだはずの祖父。「やり残したことがある」とハルが翔太の体をのっとると、翔太の魂は、タイムスリップして1970年のハルの体へ入ってしまう。翔太はロックンローラーだったハルとして、ベトナム戦争特需に沸く70年代の沖縄で、驚きの真実を知り、未来へのサプライズを仕掛けようとするが・・・・・・。

桐谷健太
大城優紀 津波竜斗 小池美津弘
津波信一 神崎英敏 アカバナー青年会 渡久地雅斗 山内和将 玉代勢圭司 山城智二 城間やよい 喜舎場泉
岸本尚泰 平隆人 ニッキー ベンビー 南里美希 渡辺光 小川深彩 山田行 宮城夏鈴 新垣晋也 西平寿久
粒マスタード安次嶺 けいたりん 西平孝架 らむちゃん 饒波正庸

監督・脚本:平一紘
製作:長坂信人
エグゼクティブプロデューサー:神康幸
プロデューサー:大城賢吾 松永弘二
協賛:沖縄ファミリーマート セカンドストリート
協力:沖縄市 沖縄市KOZAフィルムオフィス 7th Heaven KOZA
特別協力:ジョージ紫 紫(MURASAKI)
制作プロダクション:PROJECT9
配給:ラビットハウス
©2021 Office Crescendo

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