Open Close

東出昌大、「知の頂上決戦の熱量を持って帰ってほしい!」映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』トークイベント

DSC_8942

映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』の公開直前トークイベントが、3月17日、東京・スペースFS汐留にて行われ、本作のナレーターを務めた俳優の東出昌大と、豊島圭介監督が登壇した。

本作は、1969年5月13日東京大学駒場キャンパス900番教室で行われた作家三島由紀夫と、東大全共闘との伝説の討論会の様子を軸に、三島由紀夫の生き様を映したドキュメンタリー映画。

DSC_8918

DSC_8930

三島由紀夫作品のファンだという東出は、三島由紀夫の印象を「奇妙な作家。過激さと繊細さを合わせた作家だと思います。10代の頃から作品を読んでいましたが、豪華絢爛であり、知悉さを感じ、徐々に理解していきました」とコメント。

DSC_8895

DSC_8917

伝説となった「三島由紀夫VS東大全共闘」の記録を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者・ジャーナリストなどの識者他、三島由紀夫についての「生きた」証言を集めて作品に収めた豊島監督は、取材の様子を振り返り、「こんな人が同級生にいたら怖いな~と思った」と語り、特に対決した芥正彦氏を訪問したときは、「『こんな作品も読んでいないのか! 三島に失礼だろ!』と怒られたんです」と告白。「芥さんも凄い。ビクビクしてインタビューしている僕の声も出ています(笑)」と話す。

DSC_8933

東出は「僕は、討論会の司会を務めた木村(修)さんが凄いと思いました。討論会の中で、思わず『三島先生』と口を滑らせてしまうんです。ラストの50年後の木村さんのインタビューの言葉には鳥肌が立ちました」と興奮を隠せない。

さらに、「さらに、僕が10代、20代の前半の時にはない、熱量に感動しました」と明かす東出は、本作が映画化されることについて「書籍として読んでいましたが、討論会はとても次元の高いので、少し難しいと思いました。でも、映像化することで、解説も細かく入っていて、分かりやすいのでより理解することができました。三島文学のファンの方も、三島を知らない方にも楽しんでいただける作品になっていると思います」とアピール。

DSC_8935

三島由紀夫没後約半世紀後の今年、映画が公開される意義を、監督は「SNSなどで直接話をしない時代になった今、改めて(当時のように)相手と対峙して言葉を交わし、呼吸を感じ合う必要があると思います。今こそ観て欲しい」と力を込める。東出も「知の頂上決戦の激闘、900号教室の熱量をぜひ持って帰ってほしい。若い世代の方にもぜひ観てほしいです」と話し、イベントを締めくくった。

DSC_8990

DSC_9024

DSC_9030

イベントの後は、東出が特別に昨今話題となっているプライベートの会見を開き、「今、一番謝らなくていけないのは妻です。これ以上、妻を傷つけなくないので会見を開かせてもらいました」と深々と頭を下げ、「驕り、慢心から過ちを起こしてしまった」と明かす。記者から「ファンの人たちは東出さんの今後の活躍を期待していると思うが」と声を掛けられると、辛そうな面持ちで「僕に役がある限り続けたい」と話し、「今後は人を裏切らず、誠意をつくしてご恩を返していきたい」と続けた。
先日、妻で女優の杏と1時間ほど話をすることができたそうだが、今後も話し合いは続いていくとのこと。

<STORY>
1968年に大学の不正運営などに反対した学生が団結して始まった全国的な学生運動、特に最も武闘派と言われた東大全共闘に、言葉とペンを武器にする文学者・三島由紀夫は単身で乗り込んだ―。伝説となった「三島由紀夫VS東大全共闘」の記録を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者・ジャーナリストなどの識者他、三島由紀夫についての「生きた」証言を集め、約50年の時を経た今、ついにその全貌が明らかになる。

三島由紀夫
芥正彦(東大全共闘)木村修(東大全共闘)橋爪大三郎(東大全共闘)篠原裕(楯の会1期生)宮澤章友(楯の会1期生)原昭弘(楯の会1期生)
椎根和(平凡パンチ編集者)清水寛(新潮社カメラマン)小川邦雄(TBS記者) *肩書は当時
平野啓一郎 内田樹 小熊英二 瀬戸内寂聴
ナレーター:東出昌大

監督:豊島圭介
企画プロデュース:平野隆
プロデューサー:竹内明 刀根鉄太
音楽:遠藤浩二
製作:映画「三島由紀夫vs東大全共闘」製作委員会 制作:ツインズジャパン
配給:ギャガ
Ⓒ2020映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/mishimatodai/

3月20日(金)全国公開