ディズニーの最新劇場版アニメ『モアナと伝説の海』の公開に先がけ(3月10日公開)巨匠ロン・クレメンツ監督とジョン・マスカー監督が来日。2月9日、東京ミッドタウンにて、来日イベントが行われた。両監督とともに、日本語吹替版キャストで主人公のモアナ役を務める屋比久知奈(やびくともな)と、モアナの良き理解者・タラおばあちゃん役の夏木マリさんも登壇した。
イベントでは、屋比久が主題歌「どこまでも~How Far I’ll Go~」を生披露。会場はその歌声で感動に包まれ、夏木は感激のあまり涙を流した。
本年度アカデミー賞で「長編アニメーション賞」、「主題歌賞」の部門にノミネートされ、受賞最有力という声も高い本作は、海への憧れを持ちながらも、島にとどまり愛する人を守りたいと悩み葛藤しながら、自分の進むべき道を見つけていくヒロイン・モアナの冒険を描く物語。
ディズニーを代表する名コンビ監督だが、“海に愛される”という特別な力を持つモアナについて、クレメンツ監督が「非常に心に残るヒロインです。自分の強さを見出すことができる、この作品のヒーロー」と述べると、「本作は、日本のスタジオジブリ作品から影響を受けています」と明かすマスカー監督。「『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』・・・影響を受けた作品はたくさんあります。宮崎駿さんは観客を引き込む作家。自然との密接な関係、強い女性の描き方など、今作が一番影響を受けているかも」と明かした。
本作の制作にあたり、様々な準備が行なわれたなか、マスカー監督は「長い期間タヒチやフィジーなど南の島国をリサーチして、島々の色々な文化を学びました。海は生きておりそれぞれ違った性格があるんです。そんな海の素晴らしさを描くのはアニメーションという技法がいいんです」と説明。クレメンツ監督も「島で魅力的な方々と出会うことができました。海は我々を分けるものではなく繋ぐものなんだということがよくわかりました」と作品に対する愛情を伝えた。
厳しいオーディションを勝ち抜いてヒロインの座を獲得した屋比久は、「オーディションに受かった時は、家族で泣いて喜びました」と振り返り、巨匠二人と、集まった多くの報道陣の前で初めて歌唱。最初は緊張の色が隠せない様子だったが、歌いだせばその歌声で一気に映画の世界へいざなった。
歌い終えた屋比久が「私の精一杯の思いを乗せて歌えたかなと思います」と安堵の表情を見せると、「日本語はわかりませんが、感情が全て伝わってきました」とマスカー監督。クレメンツ監督は「美しくエモーショナルな歌声。この曲はオスカーにノミネートされましたが、それに値する歌声でした」と大絶賛。感激のあまり涙を流した夏木は「素晴らしい歌声でした。すごく難しい歌だったので苦労したのを思い出しました。新しいスター誕生です」としみじみと語っていた。
『モアナと伝説の海』
監督:ジョン・マスカー&ロン・クレメンツ(『リトル・マーメイド』、『アラジン』)
製作:オスナット・シューラー
製作総指揮:ジョン・ラセター
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
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原題:Moana
3月10日(金)より全国ロードショー