本年度アカデミー賞にて作品賞、脚色賞、助演男優賞を見事に受賞し、3冠に輝いた『ムーンライト』。人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情を描き、観るもの全ての心を大きく揺さぶり、世界中から賞賛の嵐が沸き上がっています。この度、本作でアカデミー賞助演男優賞に輝いたマハ―シャラ・アリのインタビュー映像が到着しました。
劇中では主人公・シャロンの父親代わりのような存在となる麻薬ディーラーのフアンを演じたマハ―シャラ。母親に育児放棄をされているシャロンにとって、生きるために必要な様々なことを教えてくれるフアンの存在は、大人になってからのシャロンにも大きく影響を与えていく存在として描かれています。そんなフアンの役どころを、マハ―シャラは「フアンは主人公の人生の先生」だと語り、「物語は3部構成で、1部でのシャロンはアイデンティティに悩み自分を問い続けているけど答えが見つからない。でも彼は生きる術や愛を、ヤクの売人という予期せぬ人物から学ぶんだ。3部に渡ってフアンの影響は大きい」と、本作におけるフアンという存在の重要さを語りました。
共演者について「みんなすばらしかった」と話し、シャロンの幼少期を演じたアレックス・ヒバートについて「人の意見に耳を傾けるだけでなく、自分の勘にも従う。演技はうまくいかないと自ら止めて申し出る。よりよい演技を自分に課していて、その姿勢は見事だった」と彼の才能と取り組み方に大絶賛。フアンの彼女・テレサを演じたジャネール・モネイについては、できるだけリアルに演じようとしていた姿に「真面目に役に取り組む姿勢に感心した」、シャロンの母親役のナオミ・ハリスについては「とてつもない女優で、彼女と共演するだけでスリリングなんだ」とそれぞれの役者に共演できた喜びと敬意を表しました。
また、本作を見事にオスカー作品賞に導いたバリー・ジェンキンス監督について「バリーと仕事をしているといろんな意味で“兄弟”という感じがある」と話し、「バリーの一番スゴいところは、沈黙の使い方が見事。それから俳優に(セリフの)言い方や動き方を判断する余地を与えてくれ、僕らに役作りをする時間をくれる」と、監督と出演者がお互いに信頼し合っていたことが伺えます。本作『ムーンライト』については「人との関わりを描いた作品。また手を差し伸べる人の話でもある。シャロンに対するフアンがそうであるように、またケヴィンやテレサもそう。社会の中で人との関わりを描いている」とコメントを述べました。
【STORY】
名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々のなか、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になってもそんな日々は続いていたある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れる…しかし、ある裏切りに遭い2人は別々の道へと進む。そして、大人になり再会した2人。静かに語り合うなか、どんなに時が流れても忘れられずにいた想いが募る・・・。
監督・脚本:バリー・ジェンキンス エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバンテ・ローズ、アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス、アンドレ・ホーランド
© 2016 A24 Distribution, LLC
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム
【2016/アメリカ/111分/シネマスコープ/5.1ch/R15+】原題:MOONLIGHT
3月31日(金)、TOHOシネマズシャンテ他にて全国公開