第30回東京国際映画祭の特別招待作品『MR.LONG/ミスター・ロン』上映記念トークイベントが、10月27日、東京・六本木ヒルズアリーナにて行われ、主演のチャン・チェンとSABU監督が登壇。また、「ロン」ちゃんならぬ三ちゃんこと、お笑いタレントの三中元克が屋台を引っ張って登場し、イベントを盛り上げた。
本作は、台湾の腕利きの殺し屋ロンが、日本での任務に失敗し、逃げた先に村で出会った人々との交流を通して、人間らしさを取り戻していく様を描く、心温まるバイオレンスストーリー。
学ランにも似たマオカラーのジャケットをまとって登場したチャン・チェン。すかさずSABU監督が「中2のような…、何なんだと思ったよ」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘った。
2005年のモントリオール国際映画祭で出会ったという二人。その後2015年にSABUが映画『天の茶助』で台湾へ行き再会。その時に本作への出演を打診したそう。チャン・チェンについて「出会ったときからカッコいい。気持ちもすごく男前で格好いい。スタッフもみんなが惚れていた」と明かし、「撮りがいのある、絵になる人です」と褒め称えた。
チャン・チェンも「ずっとSABU監督のファンなので、作品はほぼ全部観ている。僕のオールタイムベストの上位に入る作品もあります」と述べ、「監督とお会いして、もっと(監督の事を)知りたいと思って話しかけ、友人になりました」と、SABUとの相思相愛ぶりを吐露。
監督は「彼にはクールな殺し屋が似合うと思った」と述べ、「ナイフ使いというロンの役どころを、マイナスの道具が人を喜ばせるプラスの道具に変われば面白いかなと考えた」と説明。MCから「料理はするんですか?」と聞かれたチャン・チェンは日本語で「たまに」答え、三中から得意料理を尋ねられると「牛肉麺」と。しかしSABUから「この前は、豚汁って言ってなかった?」とツッコまれ、「シーッ!」と指を口に当てて苦笑い。お茶目な笑顔に会場のファンはメロメロだ。
また、チャン・チェンの国際映画祭デビューが、東京国際映画祭だったことに触れ、「15歳のときに『クー嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991年)で参加しました。東京は僕にとってとても印象深い街です」としみじみと語る。今作で約1年前に東京で撮影も行われており、「日本の映画のクルーはとてもプロフェッショナルで、態度も良く、いい空気を作ってくれました。映画というのは、そういうスタッフの努力によって完成するもの。この場を借りて、スタッフの皆さんに感謝を伝えたい」と語り、会場から大きな拍手がおくられ温かい空気に包まれた。
イベントのあとは、TOHOシネマズ六本木・スクリーン7に場所を移し、SABU監督とチャン・チェン登壇の舞台挨拶を行った。
映画『MR.LONG/ミスター・ロン』
【STORY】
ナイフの達人・殺し屋ロン。東京、六本木にいる台湾マフィアを殺す仕事を請け負うが失敗。北関東のとある田舎町へと逃れる。日本語がまったくわからない中、少年ジュンやその母で台湾人のリリーと出会い、世話好きの住民の人情に触れるうちに、牛肉麺(ニュウロウミェン)の屋台で腕を振ることにな る。屋台は思いがけず行列店となるが、やがてそこにヤクザの手が迫る……。
出演:チャン・チェン 青柳翔 イレブン・ヤオ バイ・ルンイン
監督/脚本:SABU『天の茶助』
製作:LiVEMAX FILM LDH pictures BLK2 Pictures 高雄市文化基金會 Rapid Eye Movies
配給:HIGH BROW CINEMA
Ⓒ 2017 LiVEMAX FILM / HIGH BROW CINEMA
公式サイト:https://mr-long.jp/
12月16日(土) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開