映画『武曲 MUKOKU』の初日舞台挨拶が、6月3日、東京・新宿武蔵野館にて行われ、主演の綾野剛と、共演の村上虹郎、熊切和嘉監督が登壇した。
本作は、芥川賞作家・藤沢周の同名小説を映画化。綾野演じる矢田部研吾と、村上虹郎演じる天衣無縫の高校生・羽田融との宿命の対決とともに、“父と子”“師匠と弟子”の闘いを描く。
この日の舞台挨拶は座席数が120席あまりのコンパクトな会場となり、登壇者と観客の距離が非常に近く、綾野は「いいですねぇ、武蔵野館。好きですね」と、観客を見渡し満足げな様子。熊切監督は上映後の観客の表情を見て「みなさんの表情を見てホッとしたというか、感謝の気持ちしかありません」とニッコリ。
熊切監督の映画人生に大きな影響を与えたという、世界の巨匠、ジョン・ウー監督から映画の公開に向けてお祝いのメッセージが届き「この映画はいろんな面で人を勇気づけるすばらしい作品です。監督や脚本家、俳優たちが真心と情熱を込め、伝統と現代が結合されていて、現代を生きる若い世代に希望を与えていると思います」と手放しで絶賛していた。
これを受けて綾野は「あまりに凄すぎてピンとこないですね・・・。非常に言葉を尽くしてくださっている印象で、今後の役者人生の大きな糧になりそうです」と恐縮しながらも感動していた。村上も「実感がないですね」と同調していた。
過酷な撮影のなかでも、特に嵐のシーンは大変だったとのこと。それでも「フィジカル面で万全を期して準備し撮影に臨んだ」と話す綾野は逆境も自分のものとし「『殺してやるから早くかかってこい!』という気持ちで楽しかったですね」と、屈託ない笑顔を見せる。
また、映画の内容にちなみ「今、闘っていること」を問われると、綾野は「自分と向き合っていない作品はお客さまに届かない。あらためて、自分の立ち位置を考えつつ、この瞬間に(自分は)闘っているのかと実感し、それを良い形で解き放っていかないといけないと思っています」と役者としての真摯な姿勢をみせる。
一方の村上は綾野のコメントを聞き、「めっちゃ、真面目に話しましたね」と茶化すと、「僕は先日、自動車運転免許の教習所での出来事を」と話し始め、「応急処置のときって芝居するじゃないですか?その時、 数人に僕が役者だとバレたみたいで・・・、本気で芝居しちゃいました」と明かすと、会場は大爆笑。綾野も「最高だな!いいねぇ、いつか見てみたいね、その芝居」と大笑いだった。
『武曲 MUKOKU』
【物語】
海と緑の街、鎌倉。矢田部研吾(綾野剛)は、幼い頃から剣道の達人だった父(小林薫)に鍛えられ、その世界で一目置かれる存在となった。ところが、父にまつわるある事件から、研吾は生きる気力を失い、どん底の日々を送っている。そんな中、研吾のもう一人の師匠である光邑師範(柄本明)が彼を立ち直らせようと、ラップのリリック作りに夢中な少年、羽田融(村上虹郎)を送り込む。彼こそが、本人も知らない恐るべき剣の才能の持ち主だった──。
原作:藤沢周『武曲』(文春文庫刊)
出演:綾野剛 村上虹郎 前田敦子 風吹ジュン 小林薫 柄本明
監督:熊切和嘉
脚本:高田亮
音楽:池永正二
配給:キノフィルムズ
©2017「武曲 MUKOKU」製作委員会
公式サイト:http://mukoku.com
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