映画『凪待ち』の完成披露試写会が、6月5日、東京・TOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の香取慎吾をはじめ、共演の恒松祐里、西田尚美、音尾琢真、リリー・フランキーと、白石和彌監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、恋人を殺された挙句、同僚たちからも疑われてしまう男の郁男と、その周囲の愚か者たちの切ない暴力と狂気を描くヒューマンサスペンス。監督は、『孤狼の血』『狂気』の白石和彌。次々と、絶望的な状況に襲われていく郁男役を香取が演じる。
香取と初めての共演を果たした西田は「大スターなのに、香取さんではないやさぐれ感でした。石巻の風に吹かれていた香取さんがとても好きでした」とコメント。その言葉に香取は「西田さんが温かく迎え入れてくれて大好きでした。甘えてばかりの郁男でしたが、そのあとの衝撃的な展開の後も西田さん(演じる亜弓)のことを思い続ける郁男でした」と振り返った。
亜弓の娘・美波役の恒松も「3人でご飯を食べに行くシーンが幸せでした。1分くらいのシーンでしたが、そのシーンがあったから最後まで頑張れた」と血は繋がらないが親子としての関係に充実感を滲ませた。
一方、白石組常連の音尾とリリー。音尾は「監督とは高校が一緒なんです。監督が1つ学年が上なんですが。僕はこう見えても香取くんより1歳だけ上。監督と香取くんは2歳しか違わないんですよ」と明かし、観客からは驚きの声があがる。リリーは、「白石監督とは3本目になりますが、これまで殺人鬼の役ばかり。今回は優しいおじさんをやらせていただきました」とニッコリ。さらに香取との共演について「男が男の色気を感じることはあまりないが、強烈な色気があった。(共演し)ドキドキしながら過ごしていました」と香取の魅力を吐露。
また、今回公式SNSより質問を募集。「今後、白石監督とご一緒することしたら何の役がいい?」と言う問いに、香取は「何の役でもいい。今回も『ヒューマンドラマを撮る』と聞いていたのに、毎日誰かにボコボコにされていましたから(笑)。だから次も平気です。どんな役でも参加できたら嬉しいです」と白石組の参加を希望した。
映画のタイトル“凪待ち”にちなみ、「今、何待ち?」と聞かれると、香取は「この映画の“公開待ち”です」としながらも、「僕は一生ダイエットしているんで、“完全体のカラダ”を待ってます」と宣言。リリーから「いや、さっき控室でジャケットの下にタンクトップを着ていたけど、なかなかなものだったよ」と明かし、会場から「(ジャケットを)脱いで~」と声がかかる。しかし、すかさず「イヤです!」とキッパリと断った香取だった。
さらに、本作のPRイベントとして「5大都市(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)全国縦断『凪待ち』完成披露開催決定!」も発表された。
最後に香取は「新しい道を歩み始めて1年以上経ちますが、自分1人の(主演)映画ということで、プレッシャーや緊張、気負い過ぎているところもありましたが、完成した作品を観て、自分の映画というより白石和彌監督というステキな監督と出会うことができ、白石監督の『凪待ち』という素晴らしい映画に参加することができたと思います。一人でも多くの人に観ていただきたいと思います」と思いの丈を話し、舞台挨拶を締めくくった。
舞台挨拶の後に行われた囲み取材では、香取とリリーが出席。ラジオ番組の放送作家として古くからリリーと交流があったという香取は「早い時期から好きだった俳優さん。今回、ご一緒できて心強かったです」と微笑んだ。また、この日発表された蒼井優と南海キャンディーズの山里の結婚の話に触れ「ファンタジーを感じます。夢がある」とリリー、香取は「幸せなニュースですね、本当なら」と疑いの眼。このニュースが本当だと知ると「本当におめでとうござます!お似合いだと思います」とお祝いのメッセージを送っていた。
☆映画『凪待ち』予告編(30秒)
【ストーリー】
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況を変えるために、郁男はギャンブルに手をだしてしまう。
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
配給:キノフィルムズ
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6月28日TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー