第68回サン・セバスティアン国際映画祭 オフィシャルコンペティション部門 最優秀撮影賞 受賞
第56回シカゴ国際映画祭 ニュー・ディレクターズ・コンペティション部門 正式出品
第21回東京フィルメックス コンペティション部門 正式出品
仲野太賀を生まれた時から知る柳葉敏郎との共演に
「秋田にとってのナマハゲは、僕にとっての柳葉さん」
仲野太賀、吉岡里帆、寛 一 郎、柳葉敏郎 登壇!
公開記念舞台挨拶
是枝裕和もその才能に惚れ込んだ、新進気鋭の監督 佐藤快磨(さとう・たくま)の劇場デビュー作で、第68回サン・セバスティアン国際映画祭で最優秀撮影賞を受賞した、仲野太賀主演の映画『泣く子はいねぇが』(配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ)が11月20日(金)に公開初日を迎え、11月21日に公開記念舞台挨拶を実施した。
本作は、佐藤監督が、秋田県・男鹿半島の伝統行事「男鹿のナマハゲ」から、“父親としての責任”、“人としての道徳”というテーマを見出し、親になることからも、大人になることからも逃げてしまった主人公が、過去の過ちと向き合い、不器用ながらも青年から大人へ成長する姿を描いた完全オリジナル作品。監督の出身地・秋田県で全国的にも有名な伝統行事の「男鹿のナマハゲ」を題材にしたことにちなみ、登壇キャストが地元愛あふれる”ふるさと自慢対決“を行った。
構想から5年以上を経て、遂に公開された本作。公開初日の翌日となる今日、主演の仲野太賀、そして共演の吉岡里帆、寛 一 郎、そして秋田から駆けつけた柳葉敏郎と、佐藤快磨監督が登壇し、公開記念舞台挨拶を行った。
主人公たすく役・仲野太賀の「公開を迎えて誇らしい気持ちでいっぱいです。どんな風にみなさん受け取ってもらえるのかワクワクしている」という挨拶からスタート。これに、たすくの妻・ことねを演じた吉岡里帆、たすくを支える地元の親友、志波を演じた寛 一 郎、「なまはげ存続の会」会長・夏井役でたすくにとって父のような存在を演じた柳葉敏郎、監督・脚本・編集をつとめた佐藤快磨監督が続き、それぞれ感謝の言葉を述べた後に質疑応答に入った。
自身の父親と長年の友人である柳葉を幼い頃から良く知っている仲野は「毎年、正月は柳葉詣でというか、新年の挨拶で会っては泣かされていました(笑)。秋田にとってのナマハゲは、僕にとっての柳葉さん。対面するだけで震えるような身近な存在」と笑いを交えながらも、「夏井がたすくの父親代わりという役であったことも、感慨深いものがあった」と俳優として、そして人生の大先輩である柳葉との共演について心の内を明かした。それを聞いた柳葉は、感涙の仕草で会場から笑みを誘いつつも、「彼の主演作で共にできたこと。両親も喜んでいるとは思うけれど、自分も胸がいっぱいだったし、役でもその気持ちを表現できる間柄の設定だったので、現場で温かい空間の中で過ごすことができた」と喜びをかみしめつつ、主演作が公開された仲野に「太賀、おめでとう!」と力強く呼びかけた。吉岡は、初の母親役を演じるにあたり「実際には母親の経験がないので本当のところは分からないことばかりでしたが、SNS の育児日記などをたくさん読みました。また、娘の凪役が子役ではなく現地の一般の子だったため、どうやったら喜んでもらえるのかすごく考え、いろんな事を試しました。そういう点では母親になる事に戸惑う役を演じる上で、その子の存在が大きかった」と役作りを語った。
一方、本作でいつまでも子供っぽい男同士の友情も描かかれていることに関連して、自分の「大人と子ども」の割合を尋ねられた寛 一 郎は、「けっこう難しい。子供らしい利己的な部分と、協調性を半々で持っていたいので、理想は5:5です」と答えた。これに対して「大人」歴の長い柳葉は、「男性は女性には敵わない部分がいっぱいあるし、それに支えられて好き勝手に生きているから、男はやっぱり子供。けれど、色々なことを経験していくと子供っぽさがそれぞれ形を変えていくんじゃないか」と男としての生き方を語った。
また、監督は「単に男鹿の良いところばかりを描くような、ご当地映画にはしたくなかった。でもそのことを男鹿の人たちが受け入れた上で、協力をくれたから完成した」と感謝を示した。
その後、監督が劇場デビュー作は故郷の秋田を舞台にしたかったとして生まれた本作にちなみ、登壇者それぞれの「ふるさと自慢」トークに移った。東京出身の仲野は、たくさんの人との出会いや別れを体験することができ る「出会い」、寛 一 郎は家族にすぐに会えるという意味で「帰る田舎がない」と回答。日本を代表する観光地の一つである京都出身の吉岡は「観光地が“激近”」と、観光地が身近にあることの喜び、そして街の人が地元が観光地であることに誇りに思っていることも素晴らしいと語ると、他のキャストも口々に「羨ましい」とぽろり。また吉岡は、コロナ禍でぐっと観光客が減ったことで街の風景が変わったことに対する心配も口にした。
そして柳葉のふるさと自慢はなんと、「柳葉敏郎」。「秋田にはこんな自分を育ててくれた、心の広い人たちがいます!」と地元愛を強烈にアピールすると、同じく秋田出身の佐藤監督が「小さい頃に柳葉さんがテレビに映ると、『あれは秋田の人だよ』と毎回家族が言っていた。秋田の子供はそうやって育ってます」と秋田で柳葉がいかに応援されていたかを語り、さらに本作の出演に関しても、「秋田の若者が頑張っているなら協力する」と言ってくれたと地元の先輩に感謝した。
最後に、仲野が「胸をはって送り出したい作品」と語り、監督も「最初に太賀くんに『ナマハゲ』の映画をやりたいと言った時にはこの光景を想像できていなくて、本当に感慨深い」と 5 年前に初めて男鹿を訪れてから今日までの日々を振り返りつつ観客にむけて「一生忘れられない風景、表情があることを願っています。ぜひ見届けてください。」と呼びかけて舞台挨拶は終了した。
映画『泣く子はいねぇが』
<ストーリー>
秋田県・男鹿半島で暮らす、たすく(仲野太賀)は、娘が生まれ喜びの中にいた。一方、妻・ことね(吉岡里帆)は、子供じみていて 父になる覚悟が見えないたすくに苛立っていた。大晦日の夜、たすくはことねに「酒を飲まずに早く帰る」と約束を交わし、地元の伝統行事「ナマハゲ」に例年通り参加する。しかし結果、酒を断ることができずに泥酔したたすくは、「ナマハゲ」の面をつけたまま全裸で男鹿の街へ走り出す。そしてその姿がテレビで全国放送されてしまうのだった。ことねには愛想をつかされ、地元にも到底いられず、逃げるように上京したものの、そこにも居場所は見つからず、くすぶった生活を送っていた。そんな矢先、親友の志波(寛 一 郎)からことねの近況を聞く。ことねと娘への強い想いを再認識したたすくは、ようやく自らの愚行と向き合い、地元に戻る決意をする。だが、現実はそう容易いものではなかった…。果たしてたすくは、自分の“生きる道”、“居場所”を見つけることができるのか?
出演:仲野太賀 吉岡里帆 寛 一 郎 山中 崇 余 貴美子 柳葉敏郎
監督・脚本・編集:佐藤快磨
主題歌:折坂悠太 「春」 (Less + Project.)
企画:是枝裕和
エクゼクティブ・プロデューサー:河村光庸
プロデューサー:大日向隼、伴瀬萌、古市秀人
企画協力:分福 制作プロダクション:AOI Pro.
配給:バンダイナムコアーツ/スターサンズ
製作:『泣く子はいねぇが』製作委員会
コピーライト:©2020「泣く子はいねぇが」製作委員会
公 式ホームページ:https://nakukohainega.com/
Twitter:https://twitter.com/nakukohainega
Instagram:https://www.instagram.com/nakukohainega/
Facebook:https://www.facebook.com/nakukohainega2020
11/20(金)より、新宿ピカデリー他全国ロードショー
◆映画『泣く子はいねぇが』 本予告映像