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映画『ナラタージュ』監督 行定勲 × 原作者 島本理生が対談!

監督行定勲(『世界の中心で、愛をさけぶ』)
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主演:松本潤× ヒロイン:有村架純

2006年版「この恋愛小説がすごい」第1位!
禁断の純愛物語、待望の映画化!!

タイトル2

監督 行定勲 × 原作者 島本理生が対談!
ファンの前で裏話を連発!
「原作者として100点満点」の声も

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2006年版「この恋愛小説がすごい」の第1位に輝いた作家・島本理生による禁断の純愛物語を、嵐の松本潤主演で映画化した『ナラタージュ』(10月7日全国公開)。本作の公開を記念し、本作の監督を務めた行定勲と原作者の島本理生が、Apple 銀座で開催されたToday at Apple プログラムのクリエーター同士による対談セッション「Perspectives」に登壇。本作の制作秘話はじめ、お互いの作品から感じたことなど、ファンの前でトークを展開した。

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行定監督が司会進行も兼ねる形で対談がはじまると、まずは本作映画化までの話題に。原作小説『ナラタージュ』出版直後から映画化の話はあがっており、小説を読んだ行定監督も「やらないわけにはいかない」と前のめりだったが、諸々の条件から実現には至らず。未成年向けの恋愛映画がトレンドになりつつあった時勢も影響し、なかなか製作が始まらなかったという。対する原作者の島本先生は、映画化は念願であったものの、実現するならベストな形を望んでおり、無理せず良い時期が来るよう願っていたことを明かした。
そして10年の構想を経てついに完成した本作。出来上がった映画を見た島本先生は、直近まで見ていたいろんな映画を忘れるほど放心状態になったと初見の衝撃についてコメント。「ひとつひとつの場面が強烈に残っています。人間の感情がしっかり捉えられていて、それはヨーロッパ映画の特権だと思っていたから、日本の恋愛映画でもできるんだという感動がありました。こういう映画が出来上がって嬉しい」
原作と違う映画オリジナルのラストについても、島本先生は「違和感はなかった」と言い、「小説は文章が淡々としているが、映像で見るとインパクトが強まり、全体のバランスや演出も良かった」と映画ならではの結末についても絶賛した。

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メガホンをとった行定監督は、「さっきまでハッピーだったのにある一言で暗雲が立ち込めたり、良かれと思ったことがマイナスになったり、そういう恋愛の“あや”が島本作品の面白いところ」と原作の魅力に言及。映画では、恋愛における「言葉にしたいけど言葉にできない感情」を、役者の表情の移り変わりでじっくり見せることにこだわったと言う。その結果、当初編集したバージョンは上映時間が3時間半になったことを告白。最終的に2時間20分におさまったが、丁寧に恋愛を描くには時間が必要であるとしてそのこだわりを語った。

続いてキャストやキャラクターについて、まずは松本潤さんが演じた葉山貴司先生の話題に。原作者である島本先生が、映画化に際し唯一気にしていたキャラクターが葉山先生で、リクエストは「マッチョじゃない人」だったと言う。それをヒントにしつつ、行定監督も「日本に葉山先生がいないから、トニー・レオンに頼もうと思った」と語るほど、葉山先生役のキャスティングは難航したことを振り返った。そして小川真司プロデューサーから松本さんを薦められると、根は正義感で固まっていてどこか完璧主義者な印象のある松本さんを「あり」だと感じ、「日本にいない葉山先生」をふたりで作っていくことを決意。松本さんに対して、「自分を封印して輪郭をぼかす」「いつも120%の目力を40%にする」といった提案を行い、メガネをかけチャームポイントの眉毛も前髪で隠すなど、外見から変えることでキャラクターの内面を作っていったことを明かした。島本先生も、そんな松本さん演じる葉山先生像を称賛。「定まりきらない表情の演技がすごくて、見終ったあとも頭に残っている。良い意味で普段の松本さんとギャップがあった」とその魅力を語った。

ヒロインの工藤泉を演じた有村さんについては、行定監督は「僕の泉像に一番ぴったりだった。彼女が今の時代にいてくれてよかった」と絶賛。特に、つかみどころのない葉山先生を前にした泉の、内に怒りを秘めた表情が素晴らしいとして、行定監督はあえて「すごく不細工な顔」と表現。それに対し、有村さんも「気持ちが伝わって嬉しい」と喜んでいたことして、真摯に役に向き合っていた姿を語った。島本先生も、「有村さんの芯の強さや、一途に先生を想い続けるヒロイン像が、映画全編から感じられて素晴らしかった」と改めて称賛の声を贈った。

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そんな有村さん演じる泉に恋をし、やがて嫉妬に狂っていく小野怜二役を演じた坂口健太郎さんについて、行定監督は「初めて仕事をしたけど、器用さを持っていて軽やかな人」と表現。劇中で最も感情の起伏が激しく、ひとりの人間が唐突に変わっていく姿を演じきったが、島本先生は「正直原作者としてほぼ100点満点!すごい再現率の高さ」と興奮気味にコメント。細かい感情の表現を絶賛し、「坂口さんは本当に小野君だと思った」と熱弁をふるった。

最後は、会場に訪れたファンからのQ&Aを実施。本作の執筆当時「この俳優にキャラクターを演じてほしい」というイメージがあったか聞かれた島本先生は、「読者の方のイメージに近くないと思うけど、昔からすごく好きな俳優さんがいて…」と恥ずかしそうに口ごもると、「渡部篤郎さん」と告白。会場からも、女性ファンを中心に感嘆の声が漏れた。そこで行定監督が、実は渡部さんも候補としてよぎったことを明かすも、「でも僕と同い年だから」と語ると会場は大爆笑。終始和やかな雰囲気で対談が終了した。

映画『ナラタージュ』は10月7日(土)全国ロードショー。

■「Perspectives」とは
影響力のあるクリエイターたちが自身のクリエイティブな制作過程を語ったり、才能を披露する Today at Apple の人気プログラムです。

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<ストーリー>
壊れるくらい、あなたが好きでした。
大学2年生の春。泉のもとに高校の演劇部の顧問教師・葉山から、後輩の為に卒業公演に参加してくれないかと、誘いの電話がくる。葉山は、高校時代、学校に馴染めずにいた泉を救ってくれた教師だった。卒業式の日の誰にも言えない葉山との思い出を胸にしまっていた泉だったが、再会により気持ちが募っていく。二人の想いが重なりかけたとき、泉は葉山から離婚の成立していない妻の存在を告げられる。葉山の告白を聞き、彼を忘れようとする泉だったが、ある事件が起こる――。

松本 潤 有村架純
坂口健太郎 大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地/市川実日子 瀬戸康史
監督:行定勲
原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊)
脚本:堀泉杏  音楽:めいなCo.
主題歌:「ナラタージュ」 adieu(ソニー・ミュージックレコーズ) / 作詞・作曲:野田洋次郎
配給:東宝=アスミック・エース
(C)2017「ナラタージュ」製作委員会
公式サイト:http://www.narratage.com/

10月7日(土)全国ロードショー