大ヒットドラマ「猫侍」シリーズのスタッフたちが再集結して製作されたドラマ「猫忍」が、いよいよ5月20日より映画公開される。生き別れた父親が変化の術で猫(金時)に化けたと思い込んでいる、霧生忍者の久世陽炎太が旅をしながら成長していく様を描く本作。主人公の陽炎太役を演じるのは、若手演技俳優・大野拓朗。今作で映画初主演を飾る大野さんが、映画『猫忍』の撮影秘話や意気込み、そして愛してやまない主役猫・金時への熱~い思いを語ってくれた。
― 大好評の内にドラマ版の放送が終了し、今度は映画化となりますが、映画化されたお気持ちはいかがですか?
1か月半の期間にドラマと映画を合わせて撮影しましたので、“映画化”という実感はあまりなかったのですが、『猫忍』は、僕が大ファンだった『猫侍』の新バージョン作品。その主役をやらせていただけて、いよいよ5月20日から劇場の大スクリーンで全国公開されるということは、ものすごく幸せなことですし、とてもワクワクしています。そして、劇場の大画面で金時が見れるんです!
― 金時が(大画面で)見れる・・・そこですか?
金時は僕の子共のようなものなので(笑)。自分の子が大画面で登場するなんて凄いですよね。
※映画の中では金時が父上なんですが・・・すっかり父親気分のようです(笑)。
― 撮影はドラマ、そのあとに続けて映画という形だったのでしょうか?
ドラマ11話を前後しながら撮り続け、ほぼドラマ版を撮り終わったところで映画版に入ったといった感じでした。そのあともドラマの残っている部分を撮影したりして。
しかも、1か月半という短い期間で撮り終えなくてはいけないハードスケジュール。ストーリーラインはめちゃくちゃになってしまってしまうので、毎回、撮影前に台本を読み返して前後関係を確認をするのがけっこう大変でした。
― そのつど、シーンに合わせた気持ちを持っていくのも大変ですね。
「どうして、ここで笑顔になるんだっけ?」「僕が笑顔になるのは、このシーンが初めてだったかな?」など、色々なことを考えながら役を作ってきました。
― スポーツマンの大野さんですから、アクションはお手のものだと思いますが、忍者スタイルで山道を走るのは大変だったのでは?
大変でした(笑)。朝7時ころからずっと走ったりして、夜9時くらいにはもうヘロヘロになっちゃって。“忍者走り”という走り方は、前傾姿勢で腕を振らないで体が上下しないように走るので、いつもとは違うところが筋肉痛になるんです。ただ、山道は障害物が多いのですが、意外と走りやすかったですね。土や草がクッションになっていて、体操の床競技の床にバネが入っているような感覚で、ふわっふわっと走ることができました。膝への負担が少なかったと思います。
― そんな寒い時に、金時がいて暖かかったのでは?
暖かったです!最高のカイロでした。可愛いいし、暖かいし・・・ずっと抱っこしていました(笑)。
― でも、金時は8kgもあって重たいですよね。走るときも袋に抱えて走っていたんですか?
実際に顔や手が映っているときは抱えていました。
― 愛すべき金時ですが、初対面のときはどんな感じでしたか?
最初から甘えん坊でした。本作の撮影前に、僕の写真集のゲストで来てもらって初めてあったのですが、抱っこすると金時から僕の方に手をかけてきて。抱っこが好きな子で良かったなと思いました。
そこから、もっと身を任せてくれるようになって、慣れてきたからこそちょっとワガママになってきて、でも最後はやっぱり甘えてくれる。膝の上で寝てくれるので、カメラが回っていないときもずっと膝の上に乗せて、毛布掛けて温めてあげながら一緒に寝る・・・みたいな、最高に幸せな時間でした。
― 大野さんは以前から猫を飼っていたり、接することが多かったのですか?
実家ではずっと犬を飼っていました。周りには猫を飼っている友達も少なくて、あまり猫と接することがなかったんですが、動物全般好きだったので、今回『猫忍』で猫と共演すると聞いたときは本当に嬉しかったです。金時の甘えん坊という性格もあるかもしれませんが、「猫も可愛いなぁ~」と思っちゃいました。これまで犬派だったんですが、今はどっちもです。最近、動物を飼いたいなと思っていて、猫を飼っている方々に「猫の方が融通が利きやすいよ」と聞いていたとき、ちょうどこの撮影になったんです。撮影が終わってから本気で猫のことを調べています(笑)。一つの命なので責任を持って慎重に考えています。
― 実際に飼われたら、もうメロメロになりそうですね。
僕、もともとあまり外出しないほうなんで、これ以上外に出なくなっちゃったら、何にもできなくなっちゃうかも(笑)。でも、(猫が生活するために)部屋を片付けておかないといけないから、こまめに掃除をするようになるかも! それはいいですね。
― ところで、本作では名俳優と呼ばれる方々との共演も見どころの一つです。ご一緒されていかがでしたか?
いやもう、船越さんをはじめ、こんなにステキな大先輩方が出演してくださる作品で、その主演として立っていられるということがどれだけ幸せなことかと、毎回現場で噛みしめながらお芝居させていただきました。たくさん勉強させていただきました。
― 何かアドバイスは受けましたか?
船越さんとはドラマ版では一度もお会いしていなくて、撮影も入れ違いが多く、映画版でやっとお会いしたんです。藤本さんと3人でのシーンでは、船越さんが「じゃ、セリフ合わせしようか」と率先して言ってくださったりして、さりげなく合わせてくださったのがとても嬉しかったですね。
― ギャグも満載の本作ですが、演技に苦労はありましたか?
渡辺監督のギャグが面白くて“間”が少し違うと、すぐに指導してくださるんです。監督に笑いの“間”を作っていただいた感じです。周りのみんなからも「今、ちょっと狙いすぎたね」とか言われたり、台本に書かれていること以上のことを注文されました。
― 渋川さんも本当に面白い。
渋川さん! もう、一緒のシーンでは笑いをこらえるのが本当に大変でした。本当に面白いんですよ。麿さんも・・・(笑)。
― 人情ストーリーであるけれど、笑いもいっぱいあって飽きずにずっと見てしまう作品。忍者・陽炎太の成長の物語でもあるので、若い方にも共感するところがたくさんあると思いますが。
老若男女、すべての方々が笑って、金時の可愛さに癒されて、ストーリーのあたたかさを肌で感じつつ、ほっこりしていただければいいなと思います。
― 本作は“癒し”の映画ですね。では、いつもお忙しい大野さん自身の癒しは何ですか?
癒しは、その時それぞれです。例えば、連続ドラマ「三匹のおっさん」シリーズでは、共演者やスタッフが本当の家族のような繋がりがあって、ただ話をしているだけで癒されます。ミュージカル(「ロミオとジュリエット」に出演)の挑戦で稽古中に悩んでいると、北大路さんがアドバイスをくださったり、中田喜子さんが生姜湯を作ってきてくださったりして、支えてくれました。そして、それぞれの現場で癒されつつ、家に帰って金時の写真を見て癒されています(笑)。マジでずーっと毎日見ています!
― 大野さんの癒しは、やっぱり金時なんですね。
そうですね。本当に愛してます!! 自分がお腹痛めて生んだくらい(笑)。
― 最後にこれから映画をご覧になるみなさまに、一言メッセージをお願いします。
この作品で、日々の疲れを癒していただきたいです。気楽に観に来てくださいね!
ありがとうございます。
【大野拓朗(おおのたくろう)プロフィール】
1988年11月14日生まれ、東京都出身、184cm、A型
2010年、ホリプロ創業50周年記念事業として開催された『キャンパスター☆H50』でグランプリを受賞。同年、映画『インシテミル ~7日間のデス・ゲーム~』で俳優デビュー。近年では連続ドラマ「三匹のおっさん」シリーズ、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」など話題作のドラマに出演。映画では『サバイバルファミリー』、『高台家の人々』、『セーラー服と機関銃』等に出演。舞台でも活躍し、人気ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではロミオ役で好評を博した。
映画『猫忍』
<あらすじ>
時は、泰平―。霧生忍者の久世陽炎太(大野拓朗)は、忍び込んだ屋敷で、生き別れた父そっくりのデブ猫(金時)に遭遇。なぜかその猫が、秘伝【変化の術】で化けた父・久世剣山(船越英一郎)だと思い込んでしまった陽炎太。青年は、父を元の姿に戻さんと抜忍となり【秘伝の巻物】を探す旅に出る。だが、抜忍となった陽炎太を追う霧生忍者の魔の手はすぐそこに迫っていた…。
大野拓朗 佐藤江梨子 藤本泉 渋川清彦 鈴木福 ふせえり 永澤俊矢 / 柄本明 麿赤兒 / 船越英一郎
監督:渡辺武
(C)2017「猫忍」製作委員会
企画・配給:AMGエンタテインメント
製作:「猫忍」製作委員会
公式サイト:http://neko-nin.info/
5月20日(土)より角川シネマ新宿ほか 全国ロードショー
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