映画『海岸通りのネコミミ探偵』の完成披露試写会が、11月3日、東京・浜離宮朝日ホールにて行われ、主演の牧島輝、共演の和田正人と進藤丈広監督が舞台挨拶に登壇した。
ドラマ「探偵物語」を彷彿とさせる本作は、江ノ島・湘南を舞台に、人生何もかもうまくいかない青年がひょんなことからペット探偵見習いとなり、心に傷を持つ少年との交流を通して新たな人生を見つけ出していく物語。完全オリジナル脚本で送る、“日本初”のペット探偵映画が誕生した。
主演の猫塚照を牧島輝、バディ探偵の猿渡浩介を和田正人が演じ、星野真里や尾関伸次、徳井優など実力派俳優が顔を揃えた。他にも、子役の菊池爽や猫のベーコン、ぽんずによる軽妙な演技にも注目が集まっている。監督は、『ヌヌ子の聖★戦』『青の生徒会 参る！』『クローゼット』、BS-NHK「ライオンのおやつ」など数々の映画、ドラマを生み出している進藤丈広が務めた。
今回初共演となった牧島と和田。牧島は和田の印象を「ずっと現場の空気を明るくしてくれる先輩。でも、ただ明るいだけじゃなくて、猿渡さんのようにちょっとミステリアスな魅力があるんです」と明かす。
牧島の言葉に「そんなつもりはない･･･」と照れながらも、和田は「自分の中で、“こういう感じでやりたい”というイメージが漠然とあって、監督にもわがままを言って、色々提案させてもらいました。なので、僕は凄く気持ちよく演じることができたので、もしかしたらハイになっていたのかもしれませんね」と笑った。
牧島については「いい意味で･･･、やる気を見せない(笑)。ファンの方は言っている意味が分かると思いますが」とファンたちに同意を求めつつ、「ちょっと（力が）抜けている感じが映画にマッチしている。やる気がみなぎっているとなんか浮いて見えちゃうんです。演劇でははっきりとエネルギーを出しながらやったほうがいいかもしれないけど、ちょっと力を抜いているくらいがちょうど良かったりするんです。そこが凄く良かった」と牧島の自然体な姿勢を絶賛。
牧島は「やる気がないんじゃないですもんね。やる気を見せてないって言っているだけですよね(笑)」と確認すると、「まぁ、抜けてるところもありますけどね(笑)。魅力的なナイスガイです」と和田。劇中の猿渡と猫塚のようなコンビネーションを見せ、会場を盛り上げた。
そんな二人を監督は「二人が原作を読んで思ったことを、そのまま任せて演じてもらいました。今の二人のそのままの感じです」とキャスティングにも納得の様子。監督の持つ役のイメージを超えてきたという牧島と和田。「原作があっても、演じる人によってイメージはガラッと変わる。いい意味で猿渡の和田さんが遊んで、それに翻弄された猫塚が成長していく感じが、普段のお二人とシンクロしていきました」と満足そうに笑顔を見せた。
アドリブシーンもたくさん織り込まれており、監督も「いつまでも見ていたくなる」となかなかカットをかけなかったほど楽しいシーンになっているようだ。さらに、和田の作品への思い入れは相当なもの。「衣装合わせにあの（役の）髪型で行って、メガネは自分でAmazonで買いました。『探偵物語』の松田優作さんに憧れていたので(笑)」と吐露。監督も「普通はスタッフが衣装を揃えるもの。それを役者さんが自ら買って持ってくる人はいない」と驚きながらも、「作品もいい方向に向かっていったので、本当に助かりました」と和田に感謝していた。
牧島は、今回の現場を経験し「こんなに自由にやっていいんだと勉強になりました」と話す。「ジョギングシーンがいきなり競歩に変わっていたり･･･。しかも、和田さんは陸上競技をやっていらしたので、競歩が上手いです」とエピソードも披露。実は和田が足を痛めていたおかげで出てきたアイディアだったのだが、和田は「（怪我をしているので）走れないなと思ったし、他の作品でも走らされることが多くって、もう飽きちゃった。競歩にしたら面白んじゃないかなと思って。ちょっとマニアックぶりが出せるかもと。猿渡の世界観にいざなっている感じなんです」と説明。牧島も「一番近くで楽しませてもらいました」とニッコリ。
また、本作は“ペット探偵”がテーマとなっているが、この職業が実際にあることはあまり知られていない。「会話もできないペットがいなくなったら、諦めるか自分で探すしかないのかと思うと、あるべき職業」と和田。全国でも数人しかいないという職業で、監修に入った第一人者のペット探偵の方は、全国を飛び回っているそうだ。
現場でのレクチャーもあったようだが、探偵の方が作った捕まえるかごを扱うシーンは「あれは、そのペット探偵の方がやっているのをそのまま僕らは真似しただけ。再現、憑依してました」と楽しそうに述懐する。
二人のネコ耳、子役との対峙、猫俳優（ベーコンとぽんず）とのエピソードも盛りだくさんのトークとなり、会場からは笑いが絶えない。
最後に、牧島は「この映画を映画館で楽しんで、優しい気持ちになって帰ってもらえたら嬉しいです」と声をかけ、和田は「心温まる、優しくなれる作品です。この映画を観て“ペッと探偵”というものをもっと身近に感じて広まっていくことによって、世の中のペットが、家族や色々な人たちが救われて、おおきな絆が結ばれていったら嬉しい。そんな素敵な映画です」と自信たっぷりにアピール。「そして、この映画がヒットしたら、もしかしたらパート2で牧島くんがモジャモジャ頭になっているかもしれません(笑)」と大ヒットと、早くも続編を期待していた。
映画『海岸通りのネコミミ探偵』
【ストーリー】
湘南の浜辺でいなくなったペット猫・ミミちゃんを探している猫塚照（牧島 輝）。
湘南を拠点にペット探偵を営む・猿渡浩介（和田正人）。
ある日、猫塚はミミちゃん探しを依頼するために猿渡の事務所を訪れ、ひょんなことから一緒にミミちゃんを探すことに。
ミミちゃんは猿渡が探し当て、鈴俣夫婦（伊藤浩志・澁澤真美）を幸せにしている。
優しい気持ちで鈴俣夫婦とミミちゃんをそっと見守る猫塚。
「ミミちゃんはいろんな人を救う猫なんだ」と。
ところが、猫塚は無一文でペット捜査の報酬が払えず、労働で返すことに。そんな時、三浦裕太（菊池 爽）という少年が
「ペット探偵猿渡」にやってくる。子供だからと追い返す猿渡。それに反発する猫塚。
実は、裕太は両親（尾関伸次・星野真里）が離婚調停中。猫塚も両親が離婚していて他人のように思えなかった。
裕太に協力して、新米ペット探偵・猫塚が裕太の猫・ゴン太探しに。その姿を陰ながら暖かく見守っている猿渡。
そして、ゴン太が見つかったとき、三浦夫婦と猫塚・猿渡に奇跡が起こる…
牧島 輝 和田正人
菊池 爽 尾関伸次 徳井 優 ベーコン(猫) ぽんず(猫)/星野真里
監督：進藤丈広
脚本：金杉弘子/原案・プロデュース：三木和史
製作：ミツウロコ/ｔｖｋ（テレビ神奈川）/ポニーキャニオン/ビデオプランニング
制作・配給：ビデオプランニング 宣伝：とこしえ
【2022／日本／８８分／カラー／ヴィスタサイズ】
©2022「海岸通りのネコミミ探偵」製作委員会
＜公式HP＞ nekomimi-tantei.com
１２月２日（金）より全国順次公開！
