映画『逃げた魚はおよいでる。』公開記念舞台挨拶が、12月3日、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場にて行われ、キャストの染谷俊之、廣瀬智紀と、毛利安孝監督が登壇した。
2015年に公開されたシリーズ1作目『カニを喰べる。』からスタートし、『羊をかぞえる。』、『天秤をゆらす。』に続く、第4弾にして完結編となる本作は、シリーズ初となる海外・台湾を舞台にアラサートリオが最後の珍道中を繰り広げる。
会場を埋め尽くした客席を見渡し、染谷は「撮影が終わって、完成披露試写、朗読劇をやって、舞台挨拶やってDVD発売イベントやって、その間に次の撮影して・・・というローテーションが毎年あって。それが来年からなくなると思うと、信じられないです」と、ライフワークとなっていたこれまでのシリーズを振り返り、「スピンオフとかあるんじゃないかと。ついに青島が死ぬんじゃないかなと考えちゃう・・・」と監督を見やり、シリーズファイナルを惜しむ。
廣瀬も「こんなに大きな劇場とは思っていませんでした。びっくりしています」と満席の客席を眺めて微笑んだ。シリーズ2作目から参加し、「シリーズものをやらせていただき、ありがたかったけれど、(今作は)ファイナルと銘打ってるので寂しさもあります。いつの間にか居場所を見つけた気がしていた」としみじみ。続けて「キャラクターが自分に寄り添って成長していく感覚だった。ここで廣瀬智紀の成長が止まっちゃうんじゃないかと」と寂しそうに話すと、染谷が「そんなことないです。上り調子!登り龍です!」とすかさずフォロー。
MCから「この作品に関わっていなかったら成長していなかった?」と尋ねられると、廣瀬は「役に寄り添いながらやらせていただいた感じでした。成長したかどうかは周りの評価。色々な仕事をさせていただいていることが大きいです」と答えていた。
シリーズ4本を手がけた毛利監督も感慨しとしお。「ローテーションしてきて、もうネタもなく、本当に青島を殺そうかと考えたくらい・・・(笑)」とジョークを飛ばしつつ、「染谷くんたちにダメ男ばかりやらせていて申し訳なくて、ファイナルは、ファンの人にもファンでない人たちにも、“こんなにかっこいいこともできるんだ”って思わせちゃえと」と本作の構想を明かした。
本作では、ダメ男と、カッコいいキャラクターの一人二役を演じている染谷、廣瀬、赤澤の3人。「自分自身にも “二面性”があるか?」と聞かれると、染谷は「僕は酒癖が良くなくて、けっこう“ドS”になっちゃうんです」と暴露。それを受けて廣瀬は「俊之は、元々ドSな性格」と言い、「舞台の打ち上げで飲んだ時も『俊之、やってんなぁ~』って(笑)」と。染谷も、「僕も『智紀、やってんなぁ~』って(笑)」と言い合い、顔を見合わせて笑った。
舞台でも活躍する二人。「やりきった後は、すごくお酒(の席)が楽しくなる」と話し、それでも「お酒の席によって変わりますよ」と、あくまで無礼講の席での話と付け加えた。
一方、廣瀬の二面性について染谷は「智紀はずっとこのまま。裏表がないですね」と話すと、廣瀬も「(赤澤)燈もそうだしね、3人とも肩肘張らない関係です」とニッコリ。また、「天然」と言われることも多い廣瀬だが、自身はそうは思っていない様子。「僕も他の人を見て、『この人天然だな・・・・』って思うことがあるもん。麻朝(五十嵐麻朝)くんとか天然!」と言いながらも、「ちょっとバカと思われるくらいの方が気が楽な感じもする」と、あくまでマイペースな感じの廣瀬だった。
そんな廣瀬を毛利監督は「ホワ~とした不思議な魅力がある。多弁ではないのに人を惹きつけたり巻き込んで、いつのまにか中心にいる」と、その魅力に言及し、他の2人についても「撮影は本当に大変で、朝は4時からメークをして、夜も遅くまで頑張っている。顔も性格もいいなんて、クソッ・・・!って感じですよ」と称えた。
最後に今後の夢を聞かれて、染谷が「10年後、20年後に、また3人一緒に仕事できたら幸せです」と目を輝かせると、廣瀬も「ファンの方とも寄り添って、10年後、20年後にやる機会があったら、今日この会場に来てくださっている方々にも来ていただきたい。笑顔を日本中に広げていきたいです」と満面の笑みを浮かべて答えていた。
映画『逃げた魚はおよいでる。』
◆◆ストーリー◆◆
商店街の福引でひょんな事から台湾旅行券を譲り受けた田宮(染谷俊之)、青島(赤澤燈)、丸井(廣瀬智紀)の3人。いつものようにノープランで台湾の地に降り立った一行だったが、到着するやいなやトミー(輝山立)と名乗る青年に執拗に付きまとわれる。何とか振り切ろうと逃げ込んだ部屋で、突然銃声が鳴り響き、そこにはアタッシュケースを抱えた瀕死の男がいた。さらに、その現場を目撃した一行は何者かに追われる羽目に。逃げる道中に、田宮とはぐれてしまった青島と丸井は追ってに迫られ絶体絶命の状況。そんな2人の目の前に現れたのは、いつもと雰囲気が違う田宮?だった。こうして田宮・青島・丸井のシリーズ史上もっとも最悪の1日が幕をあけた。
出演:染谷俊之 赤澤燈 輝山立 宋順鴻 王勇達/廣瀬智紀
監督・脚本:毛利安孝
製作:長田安正/菅谷英一
特別感謝:高雄市政府文化局影視發展暨拍片支援中心、GJ94 Film Studio、鏡頭銀行、Ally演員經紀工作室、Judy模特兒演藝工作室、
製作:「魚」製作委員会(ユナイテッドエンタテインメント/GFA)
製作プロダクション:GFA
宣伝・配給:ユナイテッドエンタテインメント
©2017「魚」製作委員会
2017/日本/カラー/ステレオ/92分
公式サイト:http://sakana.united-ent.com/
公式Twitter:@nigesaka_movie
12月2日(土)より順次公開