映画『二重生活』の初日舞台挨拶が6月25日、新宿ピカデリー シアター1で行われ、門脇麦、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキー、岸善幸監督が登壇した。
本作が単独初主演となる門脇麦は、「ついに初日だと思うと感慨深い気持ちでいっぱいです。4年前に見た岸監督のドラマ作品に衝撃を覚え、いつか絶対ご一緒したいなと思い続けてきた方でした。そんな監督の長編映画初作品の舞台挨拶初日にこうして立っていられることを本当に幸せに思います」と挨拶し、これまでいろんな作品に出てきた門脇だが、この作品に関しては、自分が出ているのに、出てない映画のように一観客としてすごく客観的に楽しめたと語った。
尾行される役を演じた長谷川博己は、「こんな大勢の方に見に来ていただけて本当にうれしいです。どっちかというと、もっと小劇場系の映画って感じなんですが、こんな大劇場でこんなにお客様がいっぱいというのはすごくうれしいです。みんなこういう映画を見て、いやらしい気分になるでしょ?」と笑いを誘い、尾行されてどういう気分だったという問いには「常に見られている感じで、すごくいや~な気持ちでした。カットがいつなのかわからなく、ずっと街にとけ込んで普通に歩いていました。スタッフの人が突然出てきて「終わりましたよ」と言われカットを知るんです」と当時の様子を語った。
珠(門脇)と同棲中の彼を演じた菅田将暉は「岸組はすごく楽しく、自然に試写で映画を楽しめた。毎回、公開が待ち遠しいという気持ちはあるが、いつもの誕生日や何かの記念日のような特別な感じではなく、もっと日常の中の幸せな気持ちです」といつもとは違う心境を語った。
教授役のリリー・フランキーは、「映画を見てもらった後なので、他に見てもらいたいのは、菅田君の靴下がスーツと同じ柄だってとこだけ。皆さんにちょっと見せてあげてください。よくその靴下あったなと話をさっきしていたんですが、まあそういう感じですかね」と。
さらに、教授としてフランス語を話すシーンがあり、フランス語の先生から吹き込んでもらったテープを車で聴いたり、現場でも先生と練習をしていたが、ばっさり切られていたという幻のシーンの裏話も披露した。「終わった後に絶対切るだろうな、むしろ、切ってくれと思ってました。言ってる俺がもう嫌だと思いながらやってましたんで、お願いですから、編集で切って下さいと思っていたら思いが通じた」と観客の笑いを誘った。
岸善幸監督は「これだけのキャスト、実力派の方々と 一生懸命 辛気臭い映画を作らせていただいて、すごく僕はいい映画になったと思いますので、何か共感するところがあれば、みなさんどうか口コミでも広めていただいてたくさんの方に観ていただければと思います」と挨拶。キャストにお任せのスタイルというユニークな撮影方法も披露した。
「カットをかけるのが遅いので、時々早くカットをかけてくれという役者さんもいます。今日ご覧になっていただいた中には、台本にはないいくつかのカットをかけなかったがために生まれたシーンもあります。珠が出て行ったあと、卓也が洗濯物をたたむシーンは、ずっとまわしてたら、菅田くんが自然と珠をいたわるように洗濯物をたたんだ。すごい、僕は大好きなシーンです」と語った。
部屋でのシーンは、特に二人で話し合ったこともなく、数年付き合った同棲カップルをナチュラルに演じたという菅田だったが、リラックスしすぎて、途中寝てしまったというエピソードを披露。MCからどこのシーンかと聞かれ、門脇が「珠がこっそり出ていくシーンです」、菅田が「僕がソファで寝てて…」と答えていたが、監督から「カットしました」と。これには、菅田も門脇も「すごいいろんなとこで話している…」と衝撃を隠しきれなかった。
キャストの皆さんが、どういう思いで初日を迎えてるのか漢字4文字で披露。
門脇:「多人観欲」
多くの人に観てほしい。
長谷川:「超門脇麦」
最後の表情を見た時に、今までの麦ちゃんと全然違うなと。また門脇麦を超えたなと思ったんです。
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菅田:「良寝真下」
よく寝ました。普通、クランクアップとか作品の公開日って寝れないですが、なんか今日はよく寝れたんですよね。たぶん、自分の試写なのに客観的に楽しめたというのと同じでなんか岸組のリズムなのかな~
「ましたってそういうこと…頭いいですね」と門脇に言われた菅田は、「頭よくねえよ(笑)頭よかったら、かっこいい熟語とか書くんだよ」と照れ笑い。
リリー:「今到不解」
登壇するちょっと前に到着したんですが、着いたばかりで、今日の気分を4文字漢字でって言われ、何を言われてるのかわからず。
最後に門脇が「映画のポスターの感じやキーワードとなってくる哲学・尾行。一見固そうな映画の入り口と映画の質がとてもギャップがある映画だと思います。一言で説明するのが非常に難しい映画で、そういう映画だからこそ、皆さんの生の感想とか、口コミとかが大事になってくる作品だなと思います。先ほども監督がおっしゃられましたが、気に入っていただけましたら、口コミなど皆さんのお力でこの映画を育てていただけたらなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と締めくくった。
映画『二重生活』は、新宿ピカデリー他全国公開中。
【STORY】
表参道、渋谷…移りゆく東京の街の風景のなかで、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくー
大学院で哲学を学ぶ珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、 資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会 に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まったー。
監督・脚本:岸善幸「ラジオ」「開拓者たち」
音楽:岩代太郎
原作:小池真理子「二重生活」(角川文庫刊)
出演:門脇麦 長谷川博己 菅田将暉 / 河井青葉 篠原ゆき子 西田尚美 烏丸せつこ/ リリー・フランキー
2015年/日本/カラー/126分/16:9/デジタル5.1ch/R15+
製作:「二重生活」フィルムパートナーズ
制作プロダクション:テレビマンユニオン
製作・配給:スターサンズ
配給協力:コピアポア・フィルム
宣伝:ミラクルヴォイス+Prima Stella R-15
c2015『二重生活』フィルムパートナーズ
http://nijuuseikatsu.jp/
新宿ピカデリー他全国公開中!