映画『NINJA THE MONSTAER』公開記念、“逆輸入”舞台挨拶が2月18日、東京・丸の内ピカデリーにて行われ、主演のディーン・フジオカと共演の森川葵が登壇した。
海外向けに制作された本作は、幕府が「忍者禁止令」を発布した時代に、藩を救済するため江戸に向かって命がけの旅をする姫を、忍である伝蔵が突然現れた“もののけ”から守り、二人の運命を描くアクション時代劇ムービー。
香港や台湾、米国などで国際派俳優として活躍し、アクションができる俳優として主演に抜擢されたディーン。2015年夏に開催されたカナダ・ファンタジア国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、アジア数カ国での配給が決定。今年3月に開催されるブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭への正式出品も決まっている。今回、NHK連続テレビ小説「あさが来た」の“五代友厚”役などでの大ブレイク中のディーンの注目度から、“逆輸入”公開されることとなった。
ディーンが会場に現れると黄色い声が響き渡り、その歓迎ぶりには、共演の森川もビックリ。「今、舞台に上がるとき、バッグの紐に足が引っかかって転びそうになりました(笑)。すごく間抜けな感じですが、伝蔵はカッコいいので期待していてください」とニッコリ。
役作りについて、「社会から存在を否定された忍という役。業の深い設定です。でも、人間として生きている以上は、お腹もすくし眠くもなる。生きるということを否定し続けられる男の精神状態ってどういうものなんだろうと考えていました。忍がなぜ必要だったのか、なぜ不要とされるようになったのか、思考の論理、伝蔵の苦悩などを意識しました」と振り返った。
劇中、華麗な殺陣を披露するディーンは、学生時代から始めたボクシングをはじめ、中華武術やテコンドーなど色々な武術にも精通している。「仕事でいろんな国に行く機会があるので、その際にはその土地に根付いている格闘技を吸収するようにしています」とし、「武器を集めるのが好きなんです」と、役を超えてかなりの格闘技好きな様子。日本の殺陣に初めて臨むことになったが、「伝蔵の殺陣の動きには、フィリピンの『カリ』という武術のスタイルも入れてあります。文化のMIXスタイルということで」と独自の忍のスタイルを確立させたようだ。
撮影は、京都の冬。「京都の撮影はしきたりがあると聞いていたので緊張していたのですが、みなさんの優しさと手厚いご行為に感激しました。歴史あるところは理由があるから残っていると思う。日本の良さを伝えるためにも発信し続けなければいけないと思いました」と真摯に語るも、厳しい寒さに闘うために、共演の森川たちと餅つきをしたり暖をとりながら焼きリンゴを食べたりと和気あいあいと過ごしたという。
ヒロイン・幸姫役の森川がディーンとの共演について聞かれると、「今こうして隣で立って舞台挨拶していて、なんかちょっと…。何て言おうとしたんだっけ・・・」と緊張のあまり言葉につまると、ディーンが優しく微笑みながら、背中に手を添える場面も。
最後に作品の見どころを、森川は「忍者はもちろん、怖いだけじゃない美しい“モンスター”が見れます。映像もきれいなので楽しんでください」と伝え、ディーンは「物語の次の世界に対するイマジネーションが掻き立てられる作品。まさに始まり。ネクストレベルに行けるよう応援しながら観てくれたら、この映画の世界に浸れると思います」と力強くアピールし、舞台挨拶を締めくくった。
入場と退場時には近くにいたファンとハイタッチを交わし、イベント終了時に舞台に駆け寄ったファンから笑顔で花束を受け取るなどの神対応をしたディーン。彼の人気はまだまだ続きそうな勢いだ。
『NINJA THE MONSTER』
<ストーリー>
忍びは脅威だと危険視され、幕府が「忍者禁止令」を発布。もはや忍は存在しないと思われていた時代。
長野藩の救済を乞う為に江戸へと向かう幸姫(森川葵)ら一行の中には、忍であることを伏せている伝蔵(ディーン・フジオカ)がいた。道中、山へと入っていく一行を襲う“もののけ”が突如現れる。江戸へたどり着かなければ藩を取り潰されてしまう幸姫。命がけの旅。いつしか2人の間には特別な思いが芽生え始めていた。
果たして伝蔵は“もののけ”から幸姫を守り、無事に山を抜けることが出来るのか。そして、二人の切ない運命は――。
出演:ディーン・フジオカ 森川葵 和田聰宏
監督:落合賢(『太秦ライムライト』『タイガーマスク』)
脚本:土橋章宏(『超高速!参勤交代』)
音楽:HENDRIK WILLEMYNS
企画・制作:松竹
配給:松竹株式会社メディア事業部
(C)2015 松竹
公式サイト:http://ninja-monster.jp/
2月20日から東京・新宿ピカデリーほか全国にて1週間限定公開