2018年1月に紀伊國屋ホールで追加公演2公演を含め全15公演を行ったソールドアウトの舞台「ONLY SILVER FISH」と同じ出演者が、設定は同じでも、登場人物も全く異なる別のストーリーに、別のキャラクターとして登場する映画『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』の舞台挨拶が開催された。
本作は、舞台「煉獄に笑う」や「戦国BASARA」シリーズの人気舞台演出家・西田大輔の映画監督デビュー作。
西田監督のほか、昨年日テレの連ドラ「男水!」で初主演を飾った松田凌、「Annie」アニー役でデビュー後、宮本亜門演出舞台や大人計画の舞台等に出演している皆本麻帆、人気舞台「弱虫ペダル」「ライチ☆光クラブ」に出演し、舞台「里見八犬伝」(主演:山﨑賢人)の犬川荘助役としても注目を集めた玉城裕規、今年の『AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙』で18位に選ばれた高柳明音(SKE48)ら豪華キャストが、劇中の衣装を着て登壇した!
登壇者:松田凌、皆本麻帆、玉城裕規、高柳明音(SKE48)、伊藤裕一、山口大地、小槙まこ、
双松桃子、辻本耕志、中村誠治郎、川本成、西田大輔(原作・脚本・監督)(予定)
場所:シネ・リーブル池袋
まず、本作で映画監督デビューを飾った西田大輔監督より、「本作のことだけでなく、人生においても、ようやくこの日が来たな、という思いです。俳優と新たな挑戦をもう一つ上のスケールでやっていきたいという想いがあって、これは始まりの扉であるような気がしています。笑えるだけの作品や泣けるだけの作品が世の中にたくさん溢れているので、そこで皆の顔色を伺ってもしょうがないなと思って、ちょっと挑戦的な、かっとんだ作品を作ってみました。1回で分かった人いないんじゃないかなと思うような映画なんですけれど、睨みつけて見ていただければと思います。舞台は舞台のために作られたものですから、せっかく映像で物を作るとなった時に、『絶対に映画でしか作れないものでないといけない』という想いがありました。これは舞台ではできないでしょうし、舞台版と映画版の完全なるジャンルの違いをやってみたかっというのもあります。(舞台版と映画版と同じキャストに出演してもらいましたが、)あえて全然違う役をやってもらっています。」と、熱い想いが語られた。
黒ネクタイの男役の松田凌は「ここまで“緊張”の2文字はなかったんですけれど、この作品が生まれ、ついに皆様の元に届くんだなと思うと、ものすごく緊張してきました。胸騒ぎがあるように思います。新しい扉が今日、この作品から生まれると思うので、本日も刮目して観ていただければと思います。黒ネクタイの男を演じるにあたって、一番は我慢をしたかなと思います。本作は目には見えない空気感が大事なものとして画に残っていて、この人はどう思っているんだろうというのを顔やセリフから感じ取られないように、できるだけ自分の全てを抑えて演じました。なので、我慢を軸として演じました。その我慢と言う文字が最後にはどうなっていくかを注目してもらえればと嬉しいです」と話した。
ユキ役の皆本麻帆は、「この作品がお客様にどのように受け入れてもらえるのか、すごく緊張しているんですけれど、楽しんでもらえたらなと思います。撮影現場では、おかしな人が沢山いる中で、一生懸命それを感じ取ろう、受け取ろう、見逃すまいと思いながらユキとしていました。」と述懐した。
白ネクタイの男役を演じるために心がけたことを聞かれた玉城裕規は、「ないですね」と一言答え、会場を笑わせました。「あまり深く考えずに、新鮮にいようかなと思いました。」という玉城にMCが「ありのままということで?」と突っ込むと、「素ではないですからね!ちゃんとお仕事をしておりますので。」とジョークを飛ばした。「舞台とは別作品なので、舞台のことは全く無視で映画をそのまま見てください。楽しんで観てもらえたらなと心から思います。」と観客に伝えた。
チョーカーの女役の高柳明音(SKE48)は、「いきなり現場に行って撮影するのかと思っていたら、実際に椅子を置いたお芝居の稽古がありまして、その時からチョーカーに手を置いてみるなど、ただただ首にチョーカーをつけるということを意識しました。撮影中は、人が横を通るたびにめちゃくちゃ寒くて、人って本当に風を切って歩いてるんだなとわかりました。」と撮影中のエピソードを語った。また、この映画のように過去に戻れるのならどうするかと聞かれ、「アイドルになるくらい(の時期)に戻って、もうちょっとアイドルの姿を徹底して、今頃総選挙で1位になっていたらなと思います。残念ながらなれなかったので。これから何かで1位になれるように頑張ります」と抱負を話した。
赤ボールペンの男役の伊藤裕一は、「西田さんがぶっとんだものを作りたいとおっしゃっていたので、普段と違ってロジックで物事を考えずに、お芝居を作りました。極限状態にある人たちって、心拍数も違えば、しゃべるスピードも違ってくるだろうし、そういうものを隠そうとかっこつけているんだけどかっこつかない、というのが僕の役の魅力なのかなと思いました。かっこよく見えなかったらそれが正解です。今回の『ONLY SILVER FISH』の舞台で西田さんと初めてだったんですけれど、照明効果にこだわりを持っている方だと思っていまして、明かりや色のこだわりがこの映画でも随所に出てくるので、それを見逃さずにご覧いただければと思います。」
トランペットの男役の山口大地は、「この作品に出てくる登場人物って変わった人たちが集まっているんですけれど、その中でも飛び抜けて狂気を放っている役柄でして、なるべくナチュラルに狂気を放つことを心がけました。狂気を放とうとすると、それは嘘になってしまうので、隠そう隠そうとしても隠しきれないという人物にしようと役作りをしました。(2014年以降西田さんと3作品舞台でご一緒していて、)『戦国BASARA』で拾っていただきました。演出家としての西田さんしか見ていなかったので、(映画の監督としての西田さんは)違和感があるんじゃないかと思っていたんですけれど、『監督じゃないですか』と感動しましたし、プライベートでも、『映画を撮るんだ、俺は』と言っていたんで、やっと夢が叶ったんだな、今日という日に皆さんにご覧いただけて感動しています。」と裏話を披露した。
バレッタの女役の小槙まこさんは、「みんなの表情や感情を見るようにしました。あと、台本の初見の感情をすごく大事にしました。撮影は、寒かったので、みんなで毛布にくるまって雑魚寝したりしていたイメージです。」と話しました。
ドーナツを食べる女役の双松桃子は、「ドーナツを食べている女の子ってかわいいイメージがあるじゃないですか?ツインテールだし。でもかわいくない役を演じました。ドーナツを手から離している時がなくて、ずっと胃もたれをしていました。」と話し、「Family Martのチョコレートがかかったドーナツを食べていました」とブランド名まで話し、登壇者に、「言っちゃうんだ」と突っ込まれた。
ハンドグリップの男役の辻本耕志は、「気弱なおどおどした感じなんだけれど、ちょっと鍛えたりしていて、エッジが効いたキャラクターだったので、やりすぎてもみなさんのお芝居の邪魔になるしどうしようかなと思っていたんですけれど、よくよく考えたら自分と似ているところがあるなと思って、自分の中の気持ち悪い自分を出した感じです。舞台版と映画版は全然違うものなので、『あの芝居をやっていた人がこんな芝居をやるんだ』とその振り幅を見ていただければ、みなさん役者冥利につきるのではないかと思います。」と話した。
銀コインの男役の中村誠治郎は、役作りを聞かれ、「銀コインの投げ方、弾き方。」と話し、「西田さんが狂った作品を作りたいとのことだったので、質問したら『何も考えずにやれ』とのことだったので、何も考えずに、自我を捨てて、普段の自分とは違い、おとなしく、我慢するような感じでやりました。」と話した。2010年以降西田大輔さんと何度もご一緒していて、西田さんが映画監督デビューをすると聞いた時の感想を聞かれ、「嬉しかったです。ずっと西田さんが言っていたので、それに自分が出れるというのも嬉しいですし、映画の撮影現場では、舞台で演出するいつもの西田さんと違って、(最初は)わからない部分もあるというような感じだったんですけれど、慣れていくスピードが尋常じゃなく、撮影2日目の方がアイデアが出たりだとか、すごい人だなと改めて思いました」と感銘を受けた裏話を披露した。
心がけたことを聞かれた懐中電灯の男役の川本成は、「セリフを噛まないということと、セリフを間違えないということと、衣装をちゃんと着るということ」と答え、会場は大爆笑!「『映画は1回映ったものが一生残るから、1回に全てを賭ける』でなく、せっかくだからそれを含めて楽しみたいな、良い意味での適当感を持ってやろうかなと思いました。」と真面目に話し、「ちょっと役者っぽく説得力を出そうかなと思って」と言って、再度会場を笑わせた。
最後に松田凌が、「聞いていただいた通り、おかしな人たちで映画を作りました。平成という時代は終わってしまいますが、恐らく本作は平成きっての謎ではないかと思います。みなさんそれぞれの答えがあるでしょうし、映画は何度も見れるものなので、振り返りもできます。人生もそうですけれど、映画にとっても、西田大輔さんの初監督したこの作品が世の中にとっての最大の謎であれるよう、みなさんに届けばと思います。」というメッセージで、舞台挨拶を締めた。
■映画「ONLY SILVER FISH」
<あらすじ>
とある洋館へと集められた男女。彼らの目的は”オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚だった。その魚は本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることが出来ると言われている。しかし、魚の本当の名前を知ることが出来るのはただ一人。招待状に則って行われるゲームの勝者だけだという。
最初のゲームは一斉に指をさして脱落者を一人決めるというものだった。
ゲーム開始直前、黒ネクタイの男(松田凌)はユキ(皆本麻帆)が誰を指そうと考えているかを言い当て、負けるはずだった(・・・・・・・・)ユキを救う。その後も彼女を脱落させないため、誰にも気付かれぬようヒントを与えていくが、徐々にゲームの歯車は狂い始め…。
黒ネクタイの男は何故ユキが負けることを知っていたのか?
そして彼ら(・・)はユキを救うことが出来るのか?
それぞれの過去と想いが暴かれる時、このゲームが開かれた本当の意味を知る。
【出演】
松田凌 皆本麻帆 玉城裕規
高柳明音(SKE48) 伊藤裕一 山口大地 小槙まこ 双松桃子
菊地美香 辻本耕志 中村誠治郎 川本成
【スタッフ】
原作・脚本・監督:西田大輔
音楽:和田俊輔 撮影:根岸憲一
協賛:オリエンタルバイオ 企画・製作:メディアミックス・ジャパン
配給:ベストブレーン
(c)2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会 2018年/DCP/ステレオ/86分
公式サイト:www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish
公式Twitter:@onlysilverfish
11月24日(土)よりシネリーブル池袋にて公開他、全国順次公開