映画『女が眠る時』の公開初日舞台挨拶が、2月27日、東京・丸の内TOEIにて行われ、主演のビートたけしをはじめ、共演の西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリと、ウェイン・ワン監督が登壇した。
巨匠ウェイン・ワン監督が、初となるオール日本人キャストで邦画に挑んだ本作は、スペイン人作家ハビエル・マリアスの短編小説をもとに、ある年の離れたカップル(ビートたけしと忽那)の謎めいた様子に興味をそそられた小説家・健二(西島)が、二人の姿をのぞき見るうちに、やがて常軌を逸した行動へと変化していく様を描いた異色のミステリー。
本作は、第66回ベルリン映画祭パノラマ部門に正式招待され、ワン監督、西島、忽那、小山田が出席した。残念ながら現地入りができなかったたけしに、3人から ベルリン土産が贈られ、お土産を選んでいる写真パネルも紹介された。
西島は、「芸術家のたけしさんにアートな物を」と人顔の形をしたオブジェを。忽那は「どこでもかけるマーカーセット」。ワン監督からは、「鹿の頭部のオブジェ」。そのほかにも白いテディベアなど、たくさん並べらたお土産を嬉しそうに覗き込むたけし。「これじゃ俺、抽選会に当たったオヤジじゃねえか」と照れくさそうに笑った。
西島は「現地ではとにかく“北野人気”が凄い。公式上映も熱気を帯びていました」と誇らしげに伝えると、たけしは「本当にありがたいですね。ベルリンにはよく誘われるけど、どういうわけかスケジュールが合わなくて・・・。今回も山梨ラドン温泉で営業に行ってました(笑)」と冗談を飛ばしながら、不参加を残念がった。
「この映画は、見終わった後に頭の中で知性と感受性、自分の判断の戦いがある、頭のエンターテイメント作品。私もどう解釈していいかわからず、映画評論家のことばをそのまま借りたこともあります(笑)。今の日本映画界は、観客に考えさせない遊園地みたいな映画が多いが、ワン監督には、(この作品を)よくぞ作ってくれたとお礼を言いたいですね」と感謝の気持ちを表し、持論を展開。「それに引き替え、『アウトレイジ』をやってる自分が恥ずかしい」と、自虐ネタも加えて会場の笑いを誘うことも忘れなかった。
ワン監督は「映画を作った私自身でさえ、観るたびに新しい解釈や答えを見つける作品です。舞明確な答えは用意していないので、感性を信じて自分なりの答えを見つけてください」とメッセージを残し、舞台挨拶を終了した。
『女が眠る時』
出演:ビートたけし 西島秀俊 忽那汐里
小山田サユリ 新井浩文 渡辺真起子 / リリー・フランキー(特別出演)
監督:ウェイン・ワン
原作:ハビエル・マリアス「女が眠る時」
脚本:マイケル・K・レイ シンホ・リー 砂田麻美
(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会
公式サイト:http://www.onna-nemuru.jp/
全国公開中!