映画『終わった人』の完成披露プレミアイベントが、5月10日、東京・国際フォーラム ホールCにて行われ、主演の舘ひろしをはじめ、共演の黒木瞳、広末涼子、田口トモロヲ、ベンガルと、中田秀夫監督、原作者の内館牧子氏が舞台挨拶に登壇した。
本作は、内館牧子のベストセラー小説を映画化。大手銀行の出世コースから外れ、子会社に出向させられたまま定年を迎え、夢なし、趣味なし、我が家に居場所なしとなった男・田代壮介が、第二の人生に新たな生きがいを見出すため奮闘する姿を、コミカルに描き出す。壮介役を舘、情けない夫に呆れ卒婚がよぎる妻・千種を黒木が演じる。
大きな祭壇をイメージしたセットを前に映画の完成を祝い、前代未聞の“爆笑生前葬”と題してイベントを開催。マスコミ向けの記者会見を行った登壇者たちは、その後プレミア試写会に登場し、観客を笑いの渦に巻き込んだ。
ステージの幕が上がり登壇者の姿が見えると、会場は大きな歓声が響き渡った。舘は「“終わった人”というタイトルを聞いて、私自身が終わりに近付いているので、こういう作品をやっちゃっていいのかなと思いました(笑)」と笑い、会場を沸かす。
黒木は「中田監督とは3作目になりますし、舘さんとも長い付き合いですので、長い年月連れ添った夫婦のような空気感を出せるのではないかと思いました」とすんなり役に入り込めた様子。以前、恋人役として共演した舘は「限りなく夫婦に近い友人なんです」と明かし、「でも、夫婦役は初めて。恋人役のときはお風呂も一緒に入ったことがあるんですよ(笑)」とお茶目なコメントも。
さらに「俳優の仕事は受身だと思っていましたが、今回は攻撃的で、アドリブも許されて楽しかったです。僕はふ~らふらしているんですが、黒木さんが正統派(役)なので、黒木さんを信じて演じました」と、役者としても新しい挑戦だったようだ。
すると、『あぶない刑事』でも共演経験があるベンガルが「舘さんは、『俺はアドリブはやらないよ。与えられたセリフだけ言うから』なんていつも言っていたんですが、3行くらいあるセリフは自分でカットしちゃうんですよ」と暴露。「それが、今回語るシーンでは10行くらいのセリフがあって。なんだ!できるじゃん!って(笑)。感動して泣きそうになりましたよ」と続け、さらに会場は大爆笑に。
広末は、「憧れの黒木さんとご一緒できて幸せでした」と語り、黒木に目を向けながら「今日もスタッフさんたちと、『どうしたら黒木さんのように綺麗に腕と鎖骨を出せるんだろうね』と話していたんです。黒木さんを見ていると“終わり”はないんだなと思いました。追いかけます!」と意気揚々。
原作者の内館氏は「必ず人は(死を迎え)終わる。今回、モデルはおりません。想像しがなら書きました。原作はシリアスなんですが、映画ではコメディ作品になって、より悲哀感が増した気がします」と、納得のいく作品が出来上がったようだ。
最後に舘が「定年を迎えた方、迎える方には非常に参考になる映画かと。定年は終わりじゃなくて次のステージへの始まりです!」とメッセージを伝え、舞台挨拶を終了した。
映画『終わった人』
■原作:内館牧子「終わった人」(講談社 文庫 )
■監督:中田秀夫
■配給:東映
■キャスト:舘ひろし 黒木瞳 広末涼子 臼田あさ美 今井翼 田口トモロヲ 笹野高史 ベンガル
■(C) 2018「終わった人」製作委員会
公式サイト:http://www.owattahito.jp/
6月9日 全国ロードショー!